世直しメイクの達人・ヘアメイク長井かおり発！苦手克服のための基礎メイクテク

【教えてくれるのは】

ヘア＆メイクアップアーティスト 長井かおりさん
わかりやすいメイク理論と、確実に美人度があがる、誰でも真似しやすいテクニック提案で、幅広い支持を集める大人気アーティスト。最新刊『テクニックさえ身につければ、「キレイ」はもっと引き出せる』（講談社）も大好評。

自己認定の“思い込み苦手意識”から、脱却しよう！

全国で開催するメイクレッスンを通じ、多くの人のお悩みを聞いている長井さん。
「自分がコンプレックスに思っている場所を、苦手意識に紐づけている人が多いんですが、私からしたらそのポイントはほとんどズレています。コンプレックスと苦手な場所は、必ずしも一致しません。むしろ、自分では満足しているところのメイクが意外とできていない。そこを練習すればコンプレックスと感じている場所も気にならなくなったりするのにもったいない！ そんな風に日頃思っているポイントを今回、トピックとしてピックアップしました。誰でも克服できて流行にも左右されない、私のお墨付きの“一生モノのワザ”。ぜひ、習得してみてください。きっと世界が変わりますよ！」

まずは、苦手克服のための【基礎テク】をマスターせよ！

「そもそもの苦手の原因は、体勢とバランスの取り方」。まずは、この２点をおさえるべし。

【基礎テク１】鏡は30センチ以上離して使用する

一部分だけ見てメイクをすると、左右の塗る位置や範囲にズレが生じてしまいがち。「鏡を顔と平行にし、全顔が映る距離感で、メイク全体のバランスを確認しながら進めましょう」

【基礎テク２】メイクは必ず左右同時進行が鉄則！

「左右が非対称だと悪目立ちし、失敗している感じが出やすくなります。逆に、左右対称に仕上がれば、ほとんど成功！」。バランスを取るべく、メイクはパーツごとに同時進行を。

みんなが意外とできていない【３大もったいないポイント】を チェック！

【１】目元の最後の一本締め

黒アイライナーで描く疑似まつげで目幅拡大＆小顔に
目尻のまつげの後ろに黒ライナーでまつげを描き足す、目を大きく印象的に見せるお得ワザ！「目の横幅がでることで顔の幅がちょっと狭まって、小顔効果が得られるというメリットも」

（１）顔と鏡を平行にし、描く位置をCHECK
マスカラを塗った後、まっすぐ鏡を見て、目尻のまつげを確認。その後ろが、まつげを描く場所。

（２）まつげと同じ長さ、カーブで描き足す
無理にハネあげたりせず、まつげと同じカーブ、長さで描くとまつげとなじんで自然に見える。

入れていない目と比べて、目がくっきり大きく。まつげと連動するのでごく自然に見える。

◆使ったのはコレ！
SHISEIDO アーチライナーインク 01 ￥3500／資生堂インターナショナル
カーブ状の極細ブラシで、目のキワや細部にも描きやすい。

【２】練りチークのキツネ塗り

チークをすり込んだ指２本で、コンコン軽くたたき塗りを
練りチークは、ベタッと直塗りすると指紋がついてムラムラに。「まず、指できちんとなじませてから、こすらずたたき込むようにのせること。色がちゃんとのって、カバー力も得られます」

（１）指に取る
中指と薬指の第一関節全体に、チークを取る。

（２）すり込む
親指を添えてキツネ形にし、指によくすり込む。

（３）準備OK!
チークが溶けて全体に均一になじんだら、完了。

（４）第一関節全体で、小刻みにたたき込む。広範囲に一気に塗れるので５たたき程度で完成。

【右：普通塗り】ボタッとついて濃淡がムラムラ
【左：キツネ塗り】ムラなくなじんでナチュラルな血色が

◆使ったのはコレ！
ミネラルクリーミーチーク 11 ￥3300／MiMC
とろけるようになじんで、肌を美しく見せるツヤのあるピンクベージュ。色持ちも抜群。

【３】NOTじゅるっとなじゅわっとリップ

唇の輪郭は１～２ミリ開けて品のいいにじみっぽ発色に
“じゅわっと”とは「にじみ出たような状態を表現するほめ言葉。“品格を守る堤防”である肌との境目に溜まらないように、輪郭に向けて薄く消えていくような塗り方で仕上げて」

（１）容器のフチでしごいて量を調整
唇につきすぎないよう、まず、ネイルを塗るときのように、容器のフチでしっかりしごく。

（２）輪郭より1～2mm手前から塗る
肌との境目にグロスが溜まらないよう、輪郭を１～２mm開けたところから内側に向けて塗る。

（３）開けた輪郭方向へ指でぼかしていく
輪郭に薄膜でつながるように、塗ったグロスのアウトラインを、指で優しくさすりのばす。

◆使ったのはコレ！
エスプリーク リッチクリーミー ルージュ BE371 ￥2300（編集部調べ）／コーセー
ベタつきなしの快適なテクスチャー。落ちにくさも格別。

欲しいところに欲しい効果が生まれ、遠目でもそばに寄ってもパーフェクトな美人顔に。

ヘアメイク／長井かおり 撮影／中島洸（まきうらオフィス／人物）、伊藤泰寛（静物） スタイリング／坂下シホ モデル／岡本あずさ 取材・文／橋本日登美 構成／河津美咲