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アラン・デュカスの継承者が手掛ける創作フレンチも。 【長野・松本】おすすめ宿〈松本ホテル花月〉で、泊まりながら民藝に触れる旅。

  • 2018.12.16
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松本民芸家具に囲まれて、この土地の手仕事を知る。

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松本民芸家具が置かれたクラシカルなロビー。
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飾り棚にはオーナーが収集した民藝の器や本が並び、民藝館のような雰囲気。

松本城のお膝元に明治年に創業した〈松本ホテル花月〉。昨年、モダンにリニューアルし、以前にも増して民藝の精神を感じる宿となった。館内には長年、ホテルで愛用してきた松本民芸家具や民藝の品々が置かれ、手仕事のある空間に滞在できる。

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フロントにも美しいステンドグラスが。
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ホテルに併設された喫茶室〈八十六温館〉。86℃のお湯で一杯ずつネルドリップで淹れたコーヒーが名物。ステンドグラスのライトシェードも手仕事のもの。
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本館のスタンダードツイン。シンプルな内装に民藝の絵が映える。旧館にはよりモダンなスイートルームやデラックスツインもある。

〈松本ホテル花月〉が民藝との関わりを深めたのは1973年の旧館創建時のこと。この時、ホテルの建築や内装に助言したのが、松本民芸家具の創設者・池田三四郎だ。池田は、民藝運動を率いた柳宗悦の考えに共感し、衰退していた松本の和家具産業を洋家具づくりで蘇らせた人物。和家具職人の技術でウインザーチェアなどを製作し、松本独自の民藝へと育てていった。

アラン・デュカスの継承者が手掛ける、創作フレンチ。

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Hanako 編集部

池田監修の元、選ばれた松本民芸家具は、月日が経ち、その魅力を増している。最低でも8回塗り重ねる塗装の奥から、うっすらと浮かぶ美イカザしい木目。レストラン〈I;caza〉では、そんな使い込まれた家具で、〝ながのテロワール〞をテーマにした創作フレンチが味わえる。

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レストラン〈I;caza〉の夜のコースから、松本の女鳥羽川をイメージしたアスパラのピュレに、ホタテや貝のジュレを添えた前菜。
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千葉産の花悠子豚のグリルビネグレットソース。イカザコース9,800円。

料理監修はアラン・デュカスの継承者、上野宗士。この春は山菜や春野菜をふんだんに使う料理を考えているという。民藝の世界には〝他力美〞という言葉があるが、これは芸術のような美ではなく、伝統に準じ、実用を考えた工芸の美のことを言う。ホテルに漂う心落ち着く空気は、そんな民藝らしい美の精神を教えてくれる。

〈松本ホテル花月〉

明治20年創業。シンプルな客室の本館と、スイートルームなどがある旧館がある。レストランや喫茶室は滞在客以外も利用可。
長野県松本市大手4-8-9
0263-32-0114
本館66室、旧館23室 1泊2食付き1人17,820円〜(税・サ込)。

(Hanako TRIP『1泊2日からの元気をもらう、週末旅。』掲載/photo:Ayumi Yamamoto text:Yuka Uchida)

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