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「お久しぶりです」は失礼だった!? ビジネスシーンのNG言葉遣い5つ

  • 2018.12.12
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来客対応は会社の顔です。どのような振る舞いをするのかはもちろん、かける言葉遣いで会社の雰囲気や教育がわかってしまいます。

今回は、ビジネスマナー講師として活躍する西谷依里子さんに、“よく耳にする間違った来客応対の言葉遣い”を教えてもらいました。

NG1:「△△会社の○○様でございますね。お待ちしておりました」

これは、お客様が来社して名乗ってくださったときに使われがちな言葉ですね。

「ございます」は、“ある”の丁寧語で、言葉遣いを丁寧にすることで相手への敬意の気持ちを伝える言葉です。「お問い合わせいただいておりましたお品物でございます」というように物に対して使ったり、「サザエでございます」と自分を名乗るときに使ったりします。

例文のように相手のことについて述べる場合は、直接相手を高める表現である尊敬語を使うのが正解。「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」なので、「△△会社の○○様でいらっしゃいますね。お待ちしておりました」が正しい言葉遣いです。

NG2:久しぶりに会った取引先に「お久しぶりです」

「お久しぶりです」は、自分の立場に近い関係の人(友人や親しい先輩など)に使う挨拶の言葉です。ビジネス上でお付き合いのある取引先に対しては「ご無沙汰しております」という言葉を使いましょう。

「ご無沙汰しております」の“沙汰”は「便り・知らせ・音信」という意味があり、相手を敬って、長らく訪ねなかったり、便りをしないままでいたりすることを詫びる言葉です。

「ご無沙汰しております」は、「お久しぶりです」よりも丁寧な印象を与えます。仕事を通して仲良くなった相手に対しても、仕事でお付き合いがある以上は礼儀を大切に「ご無沙汰しております」を使いましょう。

NG3:資料をお渡しするとき「こちらが資料になります」

「~なります」は、「生卵を茹でたらゆで卵になります」というように物が何かに変化する際や経過を説明するときなどに使います。資料は何にも変化することはありません。

よく耳にするレジでの「お会計は〇円になります」も同様にNG。「です」をより丁寧にした「ございます」を使いましょう。「こちらが資料でございます」が正解です。

NG4 :「○○様がお帰りになられます」

これは、お客様が帰ることを上司に報告するときに使われやすい言葉です。

しかし、「お帰りなられる」は、尊敬語の種類のうち「お(ご)~になる」の形と「~れる、られる」の形が一緒になった二重敬語になってしまっています。“丁寧な言葉を話さなくては”と意識しすぎて、何を言いたいのかわかりにくい言葉遣いに。

敬語はシンプルに1つ。「○○様がお帰りになります」または「○○様が帰られます」が正解。丁寧でわかりやすい文章になりますね。

NG5:「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか」

お客様にコーヒーと紅茶どちらが良いか伺うとき、「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか」と聞くと、一見正しい言葉遣いに聞こえますが、実は間違った文章です。

まず、主語は誰かを考えましょう。“いたす”は“する”の謙譲語です。謙譲語は自分の事や動作について使う敬語なので、コーヒーか紅茶のどちらにするのか選ぶことができるのが自分であれば、“いたす”でOK。

しかし、この例文の場合は、選択の決定権は主語である相手にあります。謙譲語ではなく、尊敬語を使いましょう。“する”の尊敬語は“なさる”です。「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか」が正解です。

どのような言葉遣いでどのようなご案内をするのか、お客様も上司も意外に見ているものです。敬語は相手への敬意の気持ちを表すことのできる重要な手段。正しい言葉遣いからは良いイメージを与え、安心や信頼につながっていきます。

お客様をお迎えする時には“私の対応が会社のイメージにつながっている”ということを忘れずに、発する言葉にも気をつけていきましょう。

【参考】

※ 『大人のマナー常識』(トキオ・ナレッジ)/宝島社

※ 『仕事選びとビジネスマナー』(合谷美江)/中央経済社

【画像】

※ Rawpixel.com、SFIO CRACHO/Shutterstock

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