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「ユニクロ」1強のインナーダウン市場に挑む新鋭「タイオン」

  • 2018.12.9
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名古屋のD.O.Nのオリジナルインナーダウンブランド「タイオン(TAION)」が好調だ。現在ビームスやアーバンリサーチなどのセレクトからSC系アパレルまで約70社に卸し、年間30万枚を販売する。売上高は約7億円。2018年からはアメリカや韓国など海外にも卸先を広げ、19年度は50万枚を販売して売上高15億円を見込んでいる。

「タイオン」のダウンは軽量な水鳥の羽毛を90%、フェザーを10%使用し、ステッチを真四角に入れることでダウンの量を増やして暖かさにもこだわる。生産は中国で、価格は定番のベストが3390円、カーディガンタイプが4990円。セレクトショップでも手頃な価格帯が好評だという。

同ブランドはアパレルのOEM(相手先ブランドの生産)を行うD.O.Nが16年にスタート。当時は「ユニクロ(UNIQLO)」のインナーダウンが市場をほぼ独占している状態だったが、家崎貴士・代表はそこに勝機を見出した。「インナーダウンといえば『ユニクロ』というイメージが強すぎて、他の企業はなかなか参入しなかった。セレクトショップオリジナルのインナーダウンもなくはなかったが、あの価格帯にはなかなか太刀打ちできない。しかし、われわれがこれまで培ってきた製造技術や取引先との関係性を生かせばファッションアカウントでも十分通用すると考え、『タイオン』を立ち上げる決意をした」。

立ち上げ初年度はベストとカーディガンの2型で5万枚を製造し、現在は10型に増えて30万枚を販売。会社のOEMの売り上げを上回るまでに成長した。12月にはより機能性に特化したライン“タイオン エクストラ(TAION EXTRA)”を始動させた。発熱するヒーティングシステムを搭載したインナーダウン(1万8300円)は、女優のグウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)が手掛けるライフスタイルブランド「グープ(GOOP)」のショップやECサイトで先行販売を行うなど、海外への拡販に向けて積極的だ。「“タイオン エクストラ”ではインナーダウンにとどまらず、例えばゲーム会社と協業してゲームに合わせて振動するウエアの開発や、eスポーツのチームをサポートしてユニホームを提供するなど、幅広い視点で機能性を追求していく。『タイオン』ブランドの価値を高める製品の開発や活動を行っていきたい」。

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