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今年のノエル、フラゴナールの謎めいたパチョリが香る。

  • 2018.12.3

2016年12月に8区に開館したパリの香水博物館。最新テクノロジーを駆使した体験型で興味深いと話題を呼んだものの、2年もたたずにクローズしてしまった。入場料の高さが災いしたのだろうか。そうなると、再びクローズアップされるのがフラゴナールの香水美術館である。パリ市内に3つの美術館があり、どこも無料でガイド付きで見学ができるのだから。

2015年にオープンしたオペラ=ルイ・ジューヴェのフラゴナールの美術館は、最新にして最大。カプシーヌ大通りの美術館は香水のボトルだけの展示、そしてスクリブ通りの美術館は主にグループ見学用。フラゴナールについての説明はいまさら必要ないかもしれないが、1926年に南仏のグラースで創業された香水のメゾン。創業者のひ孫にあたる四代目のコスタ姉妹は香水に情熱を傾け、その知識と魅力を多くの人々と分かち合おうと努めている。オペラ=ルイ・ジューヴェの美術館では香水の花を摘むところから、ボトルに詰められるまでをグローバルに紹介。フラゴナールが収集している香水のボトル、香りのラベルなども合わせて展示している。

失われつつある香水の原料を紹介するコーナー。

ボトルの展示。

そして常設展の最後の部屋では、3〜4カ月ごとに香水にまつわる小さな展覧会を開催している。12月31日までは『パチョリ、神話の植物』。香りの原料としてあまりクローズアップされることがない“パチョリ”がテーマだ。インドとインドネシアに育つ植物で持続性が高いのが特徴で、セクシーな香りとされる。香水の世界では流行り廃りがあるパチョリだが、いったいいつ香水の原料として使われるようになったのか。いかに調香師たちはパチョリを知ったのだろう……といったことを展覧会はわかりやすく解き明かす。そのきっかけは、インドで織られるカシミアのショールだという。詳しくは展覧会で!

インド、インドネシアに育つパチョリ。香りを知っていても、どんな植物かこの展覧会で初めて知る、という人がほとんど。

インドからフランスへカシミアのショールを輸送する際に、防虫剤としてパチョリの葉が納められた。その香りがショールについて……。

高級娼婦の香り、と言われた時代もあったパチョリ。

年末、フラゴナールではパッチ ニューヨークのふたり組と“パチョリ”の香水や石鹸のためのコラボレーションを展開。 美術館見学後、香り高いホリデーギフトのチェックを忘れないように。とりわけパッチ ニューヨークのイラストが生きた石鹸と石鹸置きのセットはこのチャンスを逃すと入手できないので、人気が高いそうだ。美術館付属のブティックだけでなく、市内のフラゴナールのブティックでも販売中である。

メタルボックス入りのセットはオードトワレ、そしてスプレーして室内に香らせる手の置物(38ユーロ)。

パチョリの石鹸と石鹸置きのセットは18ユーロ。

Musée du Parfum Opéra Fragonard3-5 square Louis Jouvet75009 Paris開)9:00〜18:00休)日入場無料https://musee-parfum-paris.fragonard.com

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