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「シャネル」「エルメス」などから成るコルベール委員会が東京藝大生をサポート

  • 2018.11.22
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コルベール委員会(COMITE COLBERT)ジャパンと東京藝術大学が、未来の文化とアーティスト育成を目的とした共同プロジェクト「コミテコルベール アワード2018(COMITE COLBERT AWARD 2018)」の第1次審査を通過した作品の展示を東京藝術大学大学美術館で11月28日まで行っている。展示されているのは、「現代における人と自然(People and Nature in the Modern World)」をテーマに同大学の40人の学生が制作した中から1次審査で選ばれた12人の作品で、16日には、さらにその中から優秀作品が選ばれ授賞式が開催された。この2次審査の審査員を務めたのは、日比野克彦・東京藝術大学美術学部長、秋元雄史・東京藝術大学大学美術館館長兼教授、ノルベール・ルレ(Norbert Leuret)=LVMHモエ ヘネシー ルイヴィトン ジャパン社長、有賀昌男エルメスジャポン社長、リシャール・コラス(Richard Collasse)=コルベール委員会ジャパン会長兼シャネル(株)社長だ。

受賞したのは、岡崎龍之祐さん、松本幹子さん、高本夏実さんの3人。岡崎さんは出身地の広島に思いを馳せた。平和への祈りを込めて贈られる折り鶴の再生紙を用いて、新たに絵を描き、細かく裂いて細く撚(よ)り、それを織ってドレスを仕立てた。「人は自然を信仰の対象とし、日頃から祈りを捧げてきたが、折り鶴に込められた祈りもまた、人と自然のつながりに対しての祈りを感じる」とコメントを寄せる。授賞の理由を、秋元・館長兼教授は「自然と人間を、紙を用いて身にまとう表現にまで持っていった点を評価したい。生真面目で丁寧な作品だった」と語った。

松本さんは、「環境・場所・身体、あらゆるものの輪郭があいまいになっていく現代においても、私たちは終わることのない日常を生きねばならない。そんな中で幸福なんてものが一生訪れることはないと悟った」という。山で拾ってきたという石を積み重ね、その石の一つに、花が燃える映像を映す。ルレ社長は松本さんの作品を「『イースト・ミーツ・ウエスト』、作品の純粋さを感じた。いくら見ても退屈しない作品。美的ですばらしい!」と絶賛した。

高本さんは「定形からの逸脱を図った自然(樹木)によるささやかな反撃と、それに翻弄される人間のディストピア的世界を描いた『使えない』家具コレクション」を表現したという。作品には一見家具に見えて使えないオブジェを制作した。有賀社長は「360度どこから見ても存在感がありクオリティーが高い。マテリアルの細かいモノ作りの中にユーモアがあった」と話した。

授賞式の冒頭、コルベール委員会がフランス以外の活動の場に日本を選んだ理由についてコラス会長は「コルベール委員会は、フランスのラグジュアリー業界だけでなくアート業界まで、職人の技を用いながら事業を行っている会社の集まりだ。モノ作りは人間の手だけではなく、心、血、涙が込められ、作品にはその人の魂が宿るとわれわれは思っている。その考え方は日本ではとても響いていると感じている。なぜなら日本には人間国宝があり、フランスにはコンパニオンという制度がある。それは共に、魂が宿る作品は生きているという考えを大切にしているから」と述べた。またこの展覧会は3カ年計画で、来年と再来年も実施することを明かした。3年後には、それまでに選出された9人からさらに3人に絞り、フランス最大の国際コンテンポラリーアートフェアFIACでの展示の機会を与えるという。

コルベール委員会は、1954年に「ゲラン(GUERLAIN)」のジャン・ジャック・ゲラン(Jean-Jacques Guerlain)の主導で創設された。フランスのラグジュアリー・ブランド82社と16の歴史的文化施設、6つの欧州メンバーを代表する多様なメンバーで構成され、世界の人々にフランス流の「美しい暮らし」を伝えるという理念のもとに活動している。16年、コルベール委員会は日本独自のプロジェクト「2074、夢の世界」をスタート。50人の東京藝術大学学生が、6つのSF小説からインスピレーションを得て60年後のユートピアを視覚化するアート作品を制作し、17年に東京藝術大学美術館で展覧会を行った。さらにその中の数点は、FIACで展示された。

■コミテコルベール アワード2018 -現代における人と自然-
日程:11月17~28日
時間:10:00~18:00(最終入館17:30)
場所:東京藝術大学大学美術館本館展示室2
住所:東京都台東区上野公園12-8
入場料:無料

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