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ネガティブ思考を克服する方法は「奇跡性を知ること」【ひとみしょうの余談ですみません】

  • 2018.11.6
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「もし〇〇だったら」と、まだ訪れていない未来を不安で塗り固めてしまうネガティブ思考さんって、どうすればそのネガティブ思考が直るのか、というのが本項のテーマです。

「もし人に嫌われたら」と思って、自分の思っていることを正直に言えないとか、好きな人に告白できないとか、そういう自分で自分を縛っている感じから自由になれれば、超ハッピーな人生が待っていますよ。

ネガティブな人って、生きていることの意味を探している人です

ちょっと大きな話に聞こえるかもしれませんが、ネガティブな人って、生きていることの意味を探している人です。つまりニヒリストです。

ニヒリストって、「人生に意味などない!」と豪語している人のことじゃなくて、「人生には意味があるはずだ」と、果てしなく思っている人のことなんですね。意味があると思っているから、それを探し求め、結論として「意味なし」と思い込むというのは、その人が「人生には何らかの意味があるはずだ」と思っているからに他ならないのだから。意味なんてないと思っている人は、意味という言葉すら使わないのだから。

わたしは人に比べて劣っているという劣等感や、クヨクヨしがちな性格や、すぐに失敗が怖がるクセや、人の目が気になるクセというのは、すべて生きている意味を見つけたくて、でも見つからないから不安だ――「わたしが今ここに存在していること自体が不安だ」ということなのです。

つまり、意識的であれ無意識的であれ、自分に対して絶望している人はすべてネガティブ思考を持っている人です。

ある哲学者は「人はみな絶望している」と言っているので、なにも自分に絶望している自分を恥じることはないです。だって「みんな」絶望しているのだから。自分で自分に絶望していることに気がついているだけ、あなたは優秀です。

わたしたちはなぜ絶望するのでしょうか?

たとえば女子アナになれなくて、自分に絶望している人もいるでしょうし、欲しいカバンが買えなくてそういう自分に絶望している人もいるでしょうし、好きな人に好きと言えなくて絶望している人もいるでしょう。

わたしたちはなぜ、大なり小なり絶望するのでしょうか?

答えは、生きていることの奇跡性に気づいていないから、です。

究極的には、人って意味もなく生まれてくるんですよね。お坊さんが「人は何らかの使命を持ってこの世に生まれてきます」というのは、あとから仏教がくっつけた教えであって、物理的には意味なく生まれてきます。

お父さんとお母さんがエッチしたから生まれてきたわけですが、エッチしたことに意味はあるのか? あなたももういいオトナだからその答えはわかりますよね。愛しているからエッチした、という答えもあれば、意味もなくエッチしたこともあれば。

でも愛しているからエッチしたとしても、では愛することとエッチにどんな因果関係があるのか?エッチなしで愛することを「愛すること」とは言わないのか?

などなど、こういうことをとことん突き詰めて考えるのが哲学の役割なんだけれど、哲学を語ると誰も読みたくなくなるくらい難しい文章になるので端折ります。

人生は究極的には偶然と奇跡でできています

人生は究極的には偶然と奇跡でできています。偶然、あなたのお父さんとお母さんがエッチして、奇跡にも堕胎という選択がなされなかったからあなたが今この世にいて、この文章を読んでいます。

奇跡にもあなたはあなたとして、今ここに存在しています。あなたが山田花子さんだとして、あなたはなぜ山田花子なのか?という問いも哲学にはあります。認識論とか独我論などがそういうテーマを扱っています。

その答えは哲学者の数だけあるけれど、ようするに山田花子さんが山田花子さんであるのは偶然と奇跡によってでしかない、と言っている哲学者がいます。つまり、あなたがあなたであることにさしたる意味はなく、偶然、奇跡にもあなたはあなたなのだと。

ネガティブ思考の人は、感謝する気持ちが足りていない

ここで言う奇跡とか偶然って、たとえばハワイで見る壮大な夕焼けみたいなものです。偶然にも雨があがって、こんなに素晴らしい夕焼けを見れるなんて、ちょっと奇跡としか思えないよね、みたいなことです。

その、本当に、心底素晴らしい奇跡性と偶然性を、わたしたちひとりひとりの生は持っているのです。

公にされないだけで、今でも、生後すぐに人によって天国に送られる嬰児がいます。日本の平均寿命が高齢なのは、もちろん医療の発達のおかげでもあるのだけれど、データに入れられなかった嬰児がいるからでもあるのです。

うまくこの世に生まれても、たとえば子育てを放棄する親がいます。交通事故で亡くなる人もいます。その数、年間3000人超です。大きな高校まるごと3つ分くらいの人が毎年この世を去っているのです。自殺する人もいます(年間2万5千人も!)

でもおそらく、今これを読んでいるあなたは、それなりにスクスクと育てられ、文字が読め、スマホやPCを所持できるお金に恵まれていますよね。

それって奇跡的なことなんですよ。泣けてくるくらい奇跡的なことなですよ。

だから、ネガティブ思考の人は、感謝する気持ちが足りていない――こう結論づけることもできるのです。

(ひとみしょう/作家)

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