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もし子どもに後遺症が残ったら…安全が守られるなら“口うるさい母”でいい【子育ては毎日がたからもの☆ 第30話】

  • 2018.10.5
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前回、頭のけがをした息子が救急で病院に駆け込んだときの話の続きです。

「車の運転中に突然、子どもが消えた! 号泣する子に何が起こったの」


病院で簡単な検査をしてもらい、「また明日、脳外科を受診して」(救急には脳外科医がいなかったため)と言われ、さあ帰ろうかと思ったところ…。



縫うんだったら、今から麻酔して…まだまだかかりそうだな。そう思っている間に、先生が出してきたものは…。



息子の頭には、少し大きいホチキスの芯のようなものが2つついていました。

「え…まさか、これ、頭に刺さってるの…?」

想像しただけで冷や汗が出そうなんだけど…。でも、当の息子は痛がる様子もなく、何をされたかわかっていないよう。

「これ…なんですか?」
おそるおそるきくと、これは皮膚用ステープラー(医療用のホチキス)だそうで、最近では、糸で縫う方法よりも手軽にできるこちらを縫合に使うことが多いとのこと。

メリットは、縫合の時間短縮ができたり、糸縫合に比べて傷が残りにくかったりするそうです。ちなみに痛みはというと、施術場所にもよるし施術者によって異なるとのこと。

息子に「大丈夫? 痛くない?」ときいてみると、いつもと変わらない様子で「うん、大丈夫だよ!」と答えたので、痛みは感じていないようだったのは不幸中の幸いでした(無理をして「大丈夫」というタイプでもないので、真実だと思います)。

「では、また明日、脳外科に来てくださいね」
こうして、その日の診察は終わりました。

すっかり元気になった息子は、会計を待っている間も娘や他のお友だちと、楽しそうにおしゃべりしたり、遊びに行こうとしたり…。
「けがしてるいるし、病院なんだから静かに待とうね」
「はーい」

元気な息子の様子を見て、なんとか一大事にならずにすんだとホッと胸をなでおろしました。Tシャツについた血を見たときからずっと、胸をわしづかみにされている気分だったので、ここでふっと気が軽くなりました。

ただ、頭のことなのでしばらくはしっかりと様子を観察しておかないと…。その日は夜ごはんもいつものようにたくさん食べ、いつものように遊んで、いつものように眠りにつきました。



翌日、朝から脳外科を受診するために病院に行きました。待合室にいるときも元気にしている様子を見て、先生は「大丈夫そうだね」と声をかけてくれました。

診察室に入って、いくつかの簡単な検査をして再び「これなら大丈夫だね」と言ってくれました。

いつもと様子が違う場合はCTをとったりもするそうですが、いまの息子の状態を見る限りその必要もなさそうとのこと。

ただ、救急のときに言われたように、頭のことなのでいつ容体が変わるかわからないため、引き続き様子を観察するように(いつもと違う様子があればすぐに駆けつけること)言われました。

そして、特にいつもと変わった様子がなければ、1週間後に頭のステープラーの針を抜鈎(ばっこう)することに。

1週間、いつもと変わらぬ様子の息子。むしろいつもより元気なくらい。



たしかに、ステープラーの針を抜くことを考えたら尻込みする気持ちもわかる。すごくわかる。

ネットで、実際に皮膚用ステープラー経験者の口コミを見ていると、あたり前のように麻酔なしで抜鈎されるとのことだったので、私も心のなかでは恐怖がさらに膨れ上がっていったのですが、息子には「心配ないよ」とお話ししました(少し顔が引きつっていたかも…)。





あっけなく抜鈎は終わりました。

抜鈎による痛みで大泣き大暴れする息子をなだめるために準備していた新しい絵本の出る幕もなく、診察は終了。

これまで痛々しく頭に刺さっていたステープラーの針もなくなり、生きた心地のしなかった1週間がやっと終わったと胸をなでおろしました。今回も痛みは感じなかったようで、本当によかったです。

今回は何事もなかったからよかったものの、運が悪ければ後遺症が残るけがを負っていた可能性もあった出来事でした。

子どもたちにはシートベルトの大切さと必要性を再度しっかりお話しましたが、それでも何をするかわからないのが子ども。

シートベルトロックという、シートベルト着脱ボタンに装着して、子どもが自分でシートベルトを外すのを防ぐ機具を装着することにしました。解除するのに多少手間がかかるものの、このひと手間で子どもの安全が守られると思ったらやすいものです。ちなみにシートベルトロックはネットで購入しました。

子どもと行動するときは、いろんな可能性を想定して、事前に安全網をはっていくことで、親子ともに安心できるのではないでしょうか。

そして、しつこいほどに何度も、危ないことへの注意喚起をしていこうと思いました。口うるさい母親になるかもしれないけれど、本人が心から危険を理解するまでは言い続けていこうと思います。

(ぺぷり)

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