1. トップ
  2. おでかけ
  3. もうすぐ終了!「AUDIO ARCHITECTURE展」。同じ曲を8回演奏するライブへ!?(Saori Asaka)

もうすぐ終了!「AUDIO ARCHITECTURE展」。同じ曲を8回演奏するライブへ!?(Saori Asaka)

  • 2018.10.5
  • 787 views


もうすぐ終了!「AUDIO ARCHITECTURE展」。同じ曲を8回演奏するライブへ!?(Saori Asaka)
2018.10.05 12:00
六本木の21_21 デザインサイトで開催されている、「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」。楽曲を手がけた小山田圭吾さん(コーネリアス)らによる、スペシャルライブに行ってきました。

小山田圭吾さん率いるバンドメンバーが、展示を生で再現!。


21_21 デザインサイトで開催中の「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」。NHK教育番組『デザインあ』のディレクションや、復活したKDDIのINFOBARのUIデザインなどで知られる中村勇吾さんがディレクターを務め、この展覧会のためにコーネリアスの小山田圭吾さんが曲を書き下ろしたことでも話題を集めていました。


"音楽"の構造にフィーチャーした展示は、すでに初夏から開催中。書き下ろしの1曲を軸に、映像、アニメーション、ダンス、グラフィック、プログラミングなど、さまざまな領域の8組のクリエイターが作り上げた「音楽的空間」を映像で見せています。


そして先日、その 8つの映像作品に、小山田さんを始めとするバンドメンバーが生で共演! というスペシャルなイベントが行われました。つまりは8つの映像と合わせて、同じ曲を8回演奏する、ということでもあります。 所要時間は約45分間。ギター&ヴォーカルに小山田さん、ローズピアノ(エレクトリックピアノ)&コーラスに堀江博久さん、ミニモーグ(アナログシンセサイザー)&コーラスに大野由美子さん、ドラムにあらきゆうこさんという、贅沢すぎるメンバーの演奏を間近で聴けるだけでも大興奮!


白シャツx黒パンツスタイルに身を包んだ4人が登場し「間違いを楽しんでください〜」と冗談を飛ばした後に、1曲目x1作品目がスタート。展示会場と同様、同じ曲でなければならないので、映像に合わせて変化やアレンジをつけることはなく。さすがに同じ曲を同じように8回披露するのは、初めてだそう。


横長のステージいっぱいに投影されたのは、曲と合わせて左右へと進むモノクロの幾何学模様。音とリンクして弾けたり、浮遊したり、まるで譜面が踊っているよう。こちらは大西景太さんの「Cocktail Party in the AUDIO ARCITECTURE」という映像作品。


後に映像解説を読んでみると「楽曲を構成するすべての音の要素を個別のモーショングラフィックス要素に翻訳し、再構成した」とありました。音が視覚で再現され、オーケストラの指揮をとっているかのような心地よさを感じます。


プログラマーでアーティストのUCNVによる「Another Analogy」では、見慣れた日本の風景と、乱れた風景が並べられ、まるで別の世界を遠くから眺めているような気分に。


スクラッチされたり、ネガポジ反転されたりする風景を見ていると、同じはずの演奏も、破滅的に聞こえてくるから不思議です。流れる映像のせいで、"Time / Space"や"Chaos / Order" といった歌詞がはっきり聞こえてくる気がします。


音楽に合わせて、自撮り画面にイラストやエフェクトが重なる「JIDO-RYHTHM」は、辻川幸一郎(GLASSLOFT)× バスキュール × 北千住デザインの共作。一見、顔認識アプリの延長線上の遊びのようにも思えます。しかし、同じ曲を聞いている、たくさんのリスナーの顔が映し出される様子は、その曲が一方向で存在するのではなく、"音楽"がインタラクティブであるということを考えさせられました。


それはメディアのあり方がデジタルかによって変化し、音楽業界にも変化をもたらしていることにも通ずるようでもあります。この作品は、アプリ化されており、自分のスマホで体感できます。自宅でやってみましたが、面白い!!  今回の楽曲も聞けるのでおすすめです。


計8作品、8回の演奏とともにこのライブは終了しました。曲の聴こえ方が異なるのは想像していましたが、面白かったのは映像によって自分の感覚が切り変わることです。


無心になって音の感覚に寄り添うもの、音と映像から気持ちが切り離されていくもの、また"音楽"のあり方に思いを寄せるもの...。感じ方も人ぞれぞれかと思いますが、映画をみるようにじっくりと作品に向き合えたのは貴重な時間でした。


生ライブは今回のイベント限りですが、映像 x 音楽の展示はまだ開催中。ゆっくり時間をかけて「音楽的空間」を体感するとともに、普段素通りしてしまっている自分の感覚と対峙してみてはいかがでしょう?

「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」

会期/開催中〜10月14日(日)まで

会場/21_21 DESIGN SIGNT ギャラリー1&2 東京都港区赤坂9-7-6

休館日/火
http://www.2121designsight.jp/program/audio_architecture/

Photos: Atsushi Nakamichi (Nacása & Partners Inc.)

元記事で読む
の記事をもっとみる