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コム デ ギャルソン、川久保玲がコンセプチュアルな表現を封印。その理由とは?

  • 2018.10.2
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コム デ ギャルソン、川久保玲がコンセプチュアルな表現を封印。その理由とは?
2018.10.02 13:40
これまで超コンセプチュアルなコレクションを発表し続けてきたコム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)の川久保玲が、大きな変化を見せた。「ファッションの限界に挑戦してきた過去10シーズンの試みをやめる」と語る彼女が伝えたいこととは?

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ここ10シーズンほど、抽象的なフォームでファッションの境界線を広げる挑戦を続けてきた川久保玲。今シーズンは、彼女自身のことをショーピースで語っていた。ステートメントでは「もはやこのアプローチは新しいものではない。見たことのない新しいことを探して探して、でも見つけられなかった」と自己批判的に綴りつつ、「私が最後に考えたのは、内面的なアプローチだった。心の奥底にあるもの」と続けた。


彼女が表現したのはある女性。クリエイティビティに依存している会社の上司という、とてもパーソナルなものだ。ブラック&ホワイトをメインに、肩下で切られたテーラードジャケットをはじめ、肩を落としたオーバーサイズのドレスには、フロント部分にテーラードの要素を施した。すべてのルックに、見慣れた服のパーツを散りばめている。


そして、モデルたちはまるで妊婦のようにおなかが膨れていて、そこから見えているのは肌ではなく、英字新聞やブランドロゴをプリントしたセカンドスキン。女性の肉体的特徴は、彼女にとって不可欠なインスピレーション源なのだ。オーバーサイズのジャンプスーツが、卵が割れたようにジグザグに切られているのもそれを表しているのだろう。ペプラムジャケットやコート、ジャンプスーツ、タキシードなど、クラシカルなデザインを結んだり、ドレーピングで再構築している。つねに新しいものを提案してきたこれまでと比べると、自由なフォルムでありつつ、既存のウェアの形をしていたのだった。

Photos: InDigital Text: Aya Tsuchii

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