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パリで伊藤若冲の傑作を見るチャンス。プティ パレへ急げ。

  • 2018.9.27

日本にあるといってもそう簡単に見られない、伊藤若冲の作品。2016年に開催された生誕300年記念の若冲展を東京美術館で見損なった人もいるだろう。パリのプティ パレでは伊藤若冲の作品の中でも、傑作と評される33点が10月14日まで展示されている。宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する『動植綵絵』30幅と、相国寺からの『釈迦三尊像』3幅だ。これらは若冲が京都の相国寺に寄進したものだが、1889年に相国寺は『動植綵絵』を明治天皇に奉納。それをパリで同時公開するという貴重な展覧会である。

伊藤若冲『群鶏図』(宝暦11〜明治2年頃)。東京、宮内庁三の丸尚蔵館蔵。伊藤若冲は18世紀後半に京都で、独自のスタイルを確立した画家。錦市場の青物問屋に生まれた彼は、40歳のときに弟に商売を譲り絵に専心。熱心な仏教徒だった。

『諸魚図』(明治2〜3年頃)。東京、宮内庁三の丸尚蔵館蔵。

『薔薇小禽図』(宝暦11〜明治2年頃)。東京、宮内庁三の丸尚蔵館蔵。

43歳の時から10年をかけて制作された『動植綵絵』は、釈迦のもとに集まる動物、植物、魚介など釈迦のもとに集まるさまざまな生き物をシルクに描かれた絹本着色画だ。驚くほど精緻でリアルな描写とファンタジーが混在するカラフルな若冲の作品は、フランス人来場者を魅了。展覧会場の外の小さな画面で流されるビデオを、ベンチに座って熱心に見る人も少なくない。『老松白鳳図』(1765〜1766)の牡蠣殼の胡粉で描いた羽の白と、絵絹の裏側から塗ったオークルによるゴールドの羽の輝きの謎、北斎よりも先、まだ日本に輸入される前から若冲がプルシアン・ブルーを用いていた、といった作品の保存修復作業時に発見された若冲のテクニックなどを説明するショートビデオである。これは、今年パリで開催されている『ジャポニスム2018:響きあう魂』の一環としての展覧会。日本ほどは混雑しない会場で若冲の傑作を鑑賞できるチャンスなので、もし10月14日までの間パリにいるのであれば、ぜひ!

『老松白鳳図』(明治2〜3年頃)。東京、宮内庁三の丸尚蔵館蔵。

『貝甲図』(宝暦11〜明治2年頃)東京、宮内庁三の丸尚蔵館蔵。

『若冲 動植綵絵を中心に』展会期:開催中〜2018年10月14日会場:Petit PalaisAvenue Winton Churchill75008 Paris開)10:00〜18:00(金 〜21:00、土日 ~20:00)休)月料金:11ユーロ

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