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ダンサーが舞う! ディオール、媚びない強さと詩的な繊細さを表現。

  • 2018.9.25


ダンサーが舞う! ディオール、媚びない強さと詩的な繊細さを表現。
2018.09.25 14:33
ダンスからインスピレーションを得たマリア・グラツィア・キウリによるディオール(DIOR)2019年春夏コレクション。現代を逞しく生き抜く女性に捧げるメッセージのような内容だった。

【全88カット】DIOR 2019年春夏コレクションをすべて見る。


ダンスを愛していたデザイナー、クリスチャン・ディオール。バレエ作品とのコラボレーションや、顧客には伝説のバレリーナ、マーゴ・フォンティンの名が刻まれていたことが知られている。


アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、今季のコレクションについて次のように話す。


「ルールを壊す自由な在り方として、ダンスを用いた偉大な表現者たちの作品からインスピレーションを得ました。ダンスが奏でる詩的な世界を、再確認させるきっかけになれたら嬉しいです」


ショー会場入り口の壁に書かれていたのは、コンテンポラリーダンスに革命をもたらしたコレオグラファー、ピナ・バウシュ、モダンダンス史を語る上で欠かせないマーサ・グレアムとイサドラ・ダンカン、そしてイスラエル・テルアビブを拠点に今なお活動しているシャロン・エヤールによる名言の数々だ。


“人々がどのように動くかには関心がない。彼らを突き動かせるものに関心がある。(I’m not interested in how people move, I’m interested in what makes them move.)”〈by ピナ・バウシュ〉


“最も大切なのは、ダンスを楽しむこと。 体に耳を傾け、自由に感じよう。ありのままの私たちは素晴らしいのだから。(The most important thing is to enjoy dancing. And research inside your body, feel free – we are perfect as we are.)” 〈by シャロン・エヤール〉


約60人のチームが2週間かけて完成させたボックス型の会場は、ミニマルなダンスホールのようだ。薄暗い室内に力強いビームのライトがフロアを照らしている。花びらが散る舞台でシャロン・エヤールと8人のダンサーが、しなやかでダイナミックな動きを見せる。彼らが繰り広げるドラマティックで独創的な演出に、会場は一気に引き込まれていった。

マリア・グラツィア・キウリがこれまで披露してきたコルセットやボディスは一切登場しない。代わりに、軽やかかつボディを自由に解き放つシルエットばかりで、ヌードな色調がメインだ。ジャンプスーツやアンダーシャツ、ロングやショートといったさまざまな長さのチュチュとダンスからヒントを得たアイテムが並ぶ。


クラシックなバージャケットのスーツも、ネットのアンダーウェアとタイツで、これまでの雰囲気を一新。カーキやヌードカラー、時にはワインレッドや控えめなイエロー、タイダイなどのカラーが数多く登場した女性らしいチュールアイテムは、ファンにはたまらないだろう。ネットや絞り染め、アシッドウォッシュなど、今季のトレンドも盛りだくさん。


動きやすいスニーカーやバレエシューズを連想させるレースアップのパンプスなど、バリエーション豊富なフラットなシューズは、アクティブな現代女性に嬉しい。


ファーストルックを飾ったのは、エレガントでクールなロング丈ガウンを纏ったセレーナ・フォレスト。マリア・グラツィア・キウリのミューズ、ルース・ベルが、ヌードカラーの生地をたっぷり使ったボリューミーなチュールドレスに身を包み、ショーを締めくくった。

Photos: InDigital Text: Aya Tsuchii

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