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キラキラしたショーケースのような店内に現れる、宝石のようなパフェとは。

  • 2018.9.27
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【新連載】Authentic Items vol.1 「PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI」

大人になると、時間が過ぎるのがあっという間で、コンビニ食しか食べていなかったり、お洋服を買うのはネットでワンクリックだったり。行きたい場所をインスタで探すけど、写真を眺めるので満足しちゃって、行きたいところに行けてなかったり。

ファーストライフに慣れてしまって、だんたんと心も乾いてしまって。丁寧にじっくり、自分を潤す時間がどこかにいってしまった。

でも、大人だからこそ、本物を知っていたいし、丁寧な生活を送りたい。あの頃に感じたピュアな心やキラキラした感情は忘れずに。

新連載「Authentic Items by TRILL」では、素材にこだわったもの、丁寧に作られているもの、大人だからこそ取り入れたい美しいアイテムをTRILL編集部が紹介。例えば、食、美術、工芸品、音楽、お洋服やお宿など。

普段の生活の中に取り入れて、ちょっと丁寧な気持ちで暮らせるように。ちょっと心が豊かな気持ちになれるように。そんなお手伝いができたら嬉しいです。

タイトルのAuthentic(オーセンティック)は、ギリシャ語の「根源となる」が本来の意味。本物・信頼できるさまを表します。まがいものではなく、本物。そんな意味で使われています。

第1回目は、宝石のようなパフェが魅力的な「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」を紹介。

宝石のようにキラキラした「パルフェビジュー レザン ~ヘーゼルナッツジェラートとともに~」が魅力的

見てください、このキラキラした造形物。それぞれ自分の個性を保ちながら、全てがバランスをとりあい、堂々とした顔で一つのグラスに収まっています。

今、PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIでは『パルフェビジュー レザン ~ヘーゼルナッツジェラートとともに~』というパフェを販売しており、実際に試食させていただきました。

秋の魅力満載の、山梨県甲州市産シャインマスカットをはじめとする葡萄が主役の「葡萄パフェ」。

パルフェビジューという名前の通り、本当にビジュー(宝石)のよう。パフェ全体から溢れ出る美しさ、そして凛とした佇まい。目の前に出てくると、圧倒されます。

パフェの上部には、美しいシャインマスカットをふんだんにトッピング

ピエモンテ産ヘーゼルナッツのジェラートを中心に、上部には大粒の美しいシャインマスカットをふんだんにトッピング。

食べ進めると、だんだんと様々な素材が飛び出します。もっちりとした食感が癖になる和菓子の求肥、キャラメルヘーゼルナッツ、モスカートダスティジュレ、葡萄の葛ジュレ、フロマージュブランとエペスのクリーム、湯剥き葡萄、フランボワーズソース。下部にはレモンとライムジュレ、葡萄とカシスのソース。

一番上から下に行くごとに酸味を増していくように作られていて、最初は甘いもの、だんだんと酸っぱくなっていくことで、食べ終わった時にすっきり、気持ちよく食べられるように組み合わせを考えているそうです。

葡萄は山梨県甲州市「宿沢フルーツ農園」の高級品種「シャインマスカット」「藤稔」「ピオーネ」を中心に旬のものを使用。

10月8日迄。1日50台(※週末は多少増量予定)限定。

3,000円(税抜・ドリンク付き)。予約不可。

セットのドリンクは珈琲、紅茶、ハーブティー、ワインの中からチョイス。パティシエールおすすめは、微発泡・赤・白ワイン、勝沼産葡萄ジュース。

こちらのパフェは上から下にいくごとに酸味が増していくことで、最後まで気持ちよく食べることができる

この輝かしいパフェを生み出すPÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIのパティシエール岩柳麻子さんと、その旦那様で内装やブランディングをやっている宿澤巧さんにお話を伺いました。

#1<フルーツと何をあわせたら面白いかを考える>

ーー 一見相入れないものたちを組み合わせているにも関わらず、まとまりが生まれているパフェですが、どのように考えて作られているのですか?

宿澤: パフェは基本的にはアイスクリームとフレッシュフルーツが中心なのですが、フルーツと何をあわせたら面白いかっていう考えが当店のパフェの中心になっています。桃であれば、包種茶というお茶と合わせたり。今回の葡萄に関しては、去年はピスタチオで、今年はヘーゼルナッツです。世界最高のヘーゼルナッツの産地である、イタリアのピエモンテというところに今年は行ってきたのですが、そこで、ヘーゼルナッツのおいしさに魅了され、今年の葡萄のパフェに使用しています。

組み合わせの試作を重ねて、今回は葡萄とヘーゼルナッツというところである程度核を決めて、あとは岩柳の感覚で決めています。

ーー 美しいし、おいしいパフェ。どのように見た目と味のバランスをとっているのですか?

岩柳: 果物の色味がまず先行して、あとはその果物に合う素材の組み合わせを考えるという感じです。例えば葡萄の時、ヘーゼルナッツを入れてみようとか。ヘーゼルナッツがベージュ色なので、ベージュ色にどういう葡萄の色味を合わせようかと考えます。葡萄は何種類もあるので、緑とヘーゼルナッツの組み合わせ、ベージュと緑の組み合わせがいいなとか。差し色で紫入れてみようとか。そんな感じで味と見た目は、両方平行して考えてます。

#2<旬のフルーツを思う存分楽しんでもらいたい>

農園から毎日直送されるフルーツを使用している

ーーフルーツ単体だけでも魅力的ですが、どこから仕入れているのですか?

宿澤: 私の実家がフルーツ農園をやっていて、今の時期だと完熟のおいしい葡萄を、毎日直送してもらっています。木の上で完熟に育ててもらって、一番おいしい状況で送ってもらうので、それを日々使っていくため、おいしいフルーツをお客様に提供できる環境があります。やっぱり市場から仕入れるよりは、完熟のものを使えるのは、当店の強みです。

そのフルーツを使ってジェラートを作り始めたのがきっかけで、ジェラートよりはフレッシュなフルーツと一緒にお召し上がりいただけるパフェの方がおいしくなるというところから、当店ではパフェに力を入れ始めました。

毎日直送の完熟フルーツで作ったジェラートなので、当然おいしいものが作れるという自信があって、そのジェラートとおいしいフルーツを一緒に食べていただきたいというのが、当店のパフェの基本です。

岩柳: フルーツにこだわっている理由の一つでもあるのですが、日本にはいろんな果物の旬があって。海外の果物はいつでも手に入るのですが、日本の旬は、例えば苺だったらこの季節が一番おいしくてこの時に食べてもらいたいっていうのがあるので、いつも苺のパフェとかじゃなくて、その旬の果物をとってもらいたい。なので当店では約1ヶ月の期間限定で提供しています。みなさまに旬を感じてもらいたいなって思います。

#3<特別も日常も。いつもそばでスイーツを楽しんでもらいたい>

オープン当初からこだわってつくられているケーキ

宿澤: PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIは、『特別』と、『日常』なものを、両方やりたいという欲張りなところがあります。

街のケーキ屋さんとして基本的には200、300円台の日常のお菓子から3,000円のパフェや10,000円のケーキ等の特別なものまで。

周辺のご家族のお客様に毎日通っていただきたいケーキ屋でもあるし、日本全国遠くからも通っていただきたい特別なものを提供するパティスリーでもありたいという。特別なものはそれを好きな人にとことん楽しんでいただきたいっていうものを。だから、時には振り切るっていうことを考えていて、材料原価や手間がかかることで通常は敬遠するものにもあえてチャレンジしていきたいと考えております。

元々岩柳は、もともと染色の勉強をしていて。独学でお菓子作りを学びました。染色をやっていた時代に、そのイベントなどでお菓子をふるまっていたりして、それで焼き菓子を本格的に作るようになったんです。なのでケーキと焼き菓子にも、それぞれにちゃんと力を入れています。

ただ、ケーキも焼き菓子もパフェも、ビジュアルのところには、全部岩柳のチェックが必要なので、味のみならず、見た目にはすごくこだわっています。

ケーキも焼き菓子もパフェも、ビジュアルは、すべて岩柳さんのチェックがはいる

#4<お客様もスタッフもケーキも。三位一体でショーケースのようにキラキラ輝きたい>

店内すべてがショーケースのようにキラキラとしている

宿澤: お店の内装デザインはお店自体をケーキのショーケースのようなガラスの中でスポットライトに当たってキラキラと輝くようにしたいと考えました。 (宿澤さんは一級建築士)。

等々力という街も落ち着いた住宅街です。お店の周りには他にお店もなく、前面道路は線路脇の狭い道で車も通らず、夜になると真っ暗になってしまいます。そんな場所だからこそ、品よくひっそりと輝くお店にしたいなと思って。

お店のケーキのショーケースはケーキの数はたくさん入らなくてもケーキが宝石のように綺麗に見えるよう設計し特注でオーダー致しました。ケーキを照らす照明はケーキ専用のものではなく、宝石や美術品を照らす特殊なものにしています。その照明器具を光の強さや色を変えて厨房や店内にも使用しております。

厨房もガラス張りにしたのは、同様に真面目に一生懸命ケーキやパフェを作る工程やその姿を見て頂くことで、想いがより伝わるのではないかと考えました。

お店の外観もガラス張りとし、看板をあえて付けず、ケーキや焼き菓子、厨房で働くスタッフ達、イートイン席でスイーツを楽しむお客様含めたお店全体がキラキラと輝くショーケースのようになったら魅力的なお店になるのではないかと考えました。

また、ケーキがすごくカラフルなので、ケーキをより目立たせるために内装はシンプルに、様々なグレートーンの素材で構成されています。基本的にはグレートーンですが、石、鉄、金属、蝋、セメントなどを使ってあらゆるグレートーンを重ねて、豊かにするっていうのをすごい考えてます。

ケーキが宝石のようにキレイに見える設計が施されている

#5<パフェとワインのハーモニーは、アンティークのバカラで引き立たせる>

宿澤: アスティエ・ド・ヴィラットっていってフランスの陶器のブランドで、パフェをのせたお皿とかケーキのお皿などに使用しております。白ともグレーとも言えない不安定な色が魅力的です。でも、高い(笑)。そしてすぐ割れちゃいます。それを社内で金継ぎをして修復し長い事大切に使い続けていけたら素敵だなと考えています。

あとは、ワインと発泡ワイン用にアンティークのバカラのグラスも大切に使用しております。一番古いもので200年近く前のものもあります。

当店のパフェはドリンク付きでご提供させて頂いております。ドリンクもパフェの構成要素の一つと考えてのことからですが、ワインや発泡ワインをオススメさせて頂いております。岩柳が「パフェはワインと召し上がっていただければよりおいしさが際立つ」と考えているからです。

ですが発泡ワインはガスが抜けてしまうことから、基本的に栓を開けたその日に空けなくてはならない。ロスになることを考えるとなかなか提供できないでいました。しかし、バカラのグラスでお楽しみ頂けるという付加価値が加わり多くのお客様にパフェとオールドバカラのグラスで楽しむワインのペアリングでお楽しみ頂ける様になりました。

主役のケーキを目立たせるため、店内はグレーで統一

#7<作るものも、パフェを作る気持ちも、お客様の気持ちも大切に>

ーーパフェやお菓子はどのような思いで作られていますか?

岩柳: やはり1つ1つ価格の高いものだし、果物も生き物というか、生きているものなので、生産者さんに感謝しながら作っています。あとはわざわざここに遠方から、「今日はお洋服何着よう」とか「どういう格好していこう」っていうトータルコーディネート、そのパフェを含んだコーディネートを考えていらっしゃるっていうことが、インスタ等でチェックしてるとみられるので、お客様はパフェに対して、大切なものとして向き合ってもらってるんだなと思って、自分もちゃんと向き合ってやんなきゃなって思いで、1個1個大切に作るように心がけています。

ASAKO IWAYANAGI

PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGIのスイーツは、葡萄を一つパフェに乗せるにしても、いろんな角度からみて、見た目もこだわって、葡萄の種類も、大きさにも熟考されています。

細部までのこだわりを感じながら、キラキラしたスイーツをゆっくりと口に入れて、味わってみてください。食べ終わった後も、素敵な余韻が残ります。

素敵な時間を過ごせますように。

PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI

https://asakoiwayanagi.net
https://www.instagram.com/patisserie.asakoiwayanagi/?hl=ja

Edit: TRILL編集部