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秋は穴場の紅葉スポット。京都に佇む松尾芭蕉ゆかりのお寺

  • 2018.9.10
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京都・左京区にある「金福寺(こんぷくじ)」は歴史の深いお寺で、有名な俳人・松尾芭蕉とゆかりの場所として知られています。11月頃には「サザンカ」や「もみじ」が美しく色づき、紅葉狩りの名所としても有名です。

金福寺でお散歩を楽しんだあとは、近くのカフェで上質な和菓子や洋菓子を堪能できますよ。思わず足を運びたくなる素敵なスポット「金福寺」の魅力をご紹介します。

「金福寺」は古くから京都市左京区に佇むお寺

慈覚大師・円仁の遺志を引き継いで建立

京都市左京区の一角にある「金福寺」は、平安時代にあたる864(貞観6)年、慈覚大師・円仁(えんにん)の遺志を引き継いだ安恵(あんね)僧都によって建立されました。ご本尊は慈覚大師の自作と伝わる観音像です。

荒廃した時期もありますが、江戸時代中頃に鉄舟和尚により再興されました。「金福寺」はもともと天台宗のお寺でしたが、再興の際に臨済宗南禅寺派となり、現在に至っています。

「安政の大獄」に加担したスパイ・村山たか女の出家先

「金福寺」は舟橋聖一著の『花の生涯』、諸田玲子著の『奸婦にあらず』に登場する村山たか女の出家先としても知られているお寺です。村山たか女は大老・井伊直弼の愛人だった女性。幕府のスパイとして「安政の大獄」に加担したため、大老暗殺後に捕らえられ、3日後に助けられました。

そして、尼僧として「金福寺」に入り「妙寿」と改名し、1876(明治9)年に67歳の生涯を終えました。お寺には、村山たか女のお位牌や遺品なども残されているそうです。

「金福寺」は俳人・松尾芭蕉ゆかりの地として知られる

「金福寺」敷地内の高台にある草庵は、”芭蕉庵”と呼ばれています。その由来は、京都で吟行していた俳人・松尾芭蕉がやってきて、鉄舟和尚と親交を深めていたというエピソードから。草庵はもともと無名でしたが、蕉風をなつかしんだ鉄舟和尚によって名がつけられたのです。

しかし、のちにお寺とともに芭蕉庵も荒廃。1776(安永5)年に、松尾芭蕉を敬愛する俳人画家・与謝蕪村によって再興されました。そんな芭蕉庵は心を落ち着かせてくれる趣があり、京都の街を一望することもできます。

「金福寺」には文人画家・与謝蕪村のお墓がある

「金福寺」には、与謝蕪村のお墓や遺品が残されています。江戸時代中期に活躍した俳人画家・与謝蕪村は、摂津(現在の大阪府)生まれ。江戸で俳諧を学んだのち、京都へと移住しました。松尾芭蕉亡きあと、 俳諧の復興に力を注いだことで知られています。

蕪村は画家としても才能を発揮しました。51歳のときに讃岐へと渡り、その後、数々の大作を生み出しています。「金福寺」は日本の伝統文化を支えてきた文化人たちと生きてきたお寺だといえるでしょう。

「金福寺」は美しい紅葉が楽しめると人気

「金福寺」を訪れるなら、紅葉の美しいがおすすめです。「サザンカ」が鮮やかに咲き誇り「もみじ」が赤く色づいて、いつもと違う表情を見せてくれます。

最大の見どころは中門付近や、本堂前にある枯山水の庭園。高台にある芭蕉庵から庭園を見下ろせば、風流な白砂とサツキの築山や紅葉のコントラストを存分に楽しめます。

また、高台には京都市内を一望できるスポットもあります。紅葉と秋の京都の景色を眺めながら、一句読んでみてはいかがでしょうか。

3月頃には「紅梅(こうばい)」や「アセビ」の花が咲いて、秋とはまた異なる趣を感じられますよ。

お散歩のあとは「一乗寺中谷」で上質な和洋菓子を堪能

「金福寺」のお散歩を楽しんだあとは、少し足を伸ばして上質な和洋生菓子を味わってみてはいかがでしょうか。「一乗寺中谷」では、風情あふれるカフェスペースでゆっくり休憩できます。

築40年余りの民家を改装し、どこかなつかしいムードが漂う空間です。お菓子やお茶だけでなく、ごはんものメニューも楽しめるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

穴場の紅葉スポット「金福寺」で心穏やかなひとときを

俳人・松尾芭蕉ともゆかりのある京都「金福寺」について、詳しくお届けしました。お寺の凛とした空気感や、庭園の豊かな自然に包まれ、日常から離れた心穏やかなひとときを過ごせるはず。美しい紅葉が魅力の「金福寺」に足を運んで、秋の京都をじっくり楽しんでみてくださいね。

スポット情報

  • スポット名:金福寺
  • 住所:京都市左京区一乗寺才形町20
  • 電話番号:075-791-1666
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