「有馬玩具博物館」でおもちゃの歴史と文化に触れる

有馬温泉に佇む「有馬玩具博物館」では、昔なつかしいおもちゃから世界で愛されるおもちゃまで約4,000点のおもちゃたちに出合えます。実際に触れるコーナーや体験型イベントも。遊んで学べるおもちゃの世界へ足を運んでみてください。

子どもの遊び場「有馬玩具博物館」

兵庫・神戸にある「有馬玩具博物館」では、世界中から集めたおもちゃが4フロアにわたって展示されています。その数、なんと約4,000点。

現代のデジタル社会にはないレトロなおもちゃの数々に、子どもも大人も楽しめること間違いなしです。

「今の時代に生きる子どもたちの遊び」をモットーに展示している「有馬玩具博物館」。館内には、子どもたちが実際におもちゃに触れて遊べるコーナーも。

おもちゃ遊びを体験することで、子どもたちのゆたかな表情や感情を引き出します。子どもたちにとって、遊んで学べる場となっています。

“有馬から文化を発信したい”との思いで、おもちゃが好きな3人が立ち上げたおもちゃのお店「ALIMALI」。しかし、翌年仲間の一人が癌により他界してしまいます。

彼の意思を引き継ぐ形で2003年7月「有馬玩具博物館」はオープン。亡くなったクリエイターの思い描いたおもちゃの世界をつくりあげています。

日本三大古泉として人気の温泉地・有馬がある兵庫県は、日本のおもちゃの先駆けとなった“からくり”のルーツといわれています。「有馬玩具博物館」でも、あらゆるおもちゃの“からくり”に触れることができますよ。

1950年代、日本はブリキのおもちゃの一大生産国としても知られていました。「有馬玩具博物館」の3Fには、昔なつかしいブリキのおもちゃたちが並んでいます。ブリキのおもちゃの歴史はもちろん、制作工程も公開されています。

またドイツ・メルクリン社の鉄道模型は必見。かつて有馬温泉にも「有馬鉄道」が走っていましたが、戦時中に“温泉は贅沢である”と休止になりました。当時の光景に想いをはせてみませんか。

4Fにはユーモラスな仕掛けが楽しい、現代のからくり人形「オートマタ」を展示しています。「オートマタ」は、イギリスからやってきたからくり人形のこと。

釣りをしたり魚を食べたりと、楽しい動きが特徴です。実は簡単な仕掛けを組み合わせてできているそうで、「有馬玩具博物館」では実際におもちゃを動かしながらその仕組みを学べます。

5Fには積み木やぬいぐるみなど、現代のおもちゃを展示。シンプルながらも遊び心をくすぐるおもちゃが集結しています。実際におもちゃで遊べる「プレイスペース」があるので、子どもはもちろん大人も一緒に楽しい時間を過ごしてくださいね。

6Fには、ドイツ東部のエルツ地方に伝わる伝統的なおもちゃをディスプレイ。伝統の技を受け継いだ職人たちがつくりだした個性豊かなおもちゃたちは、細部にわたるまでこだわりがつまっています。

「くるみ割り人形」や「煙出し人形」など、普段ではなかなか見られないおもちゃたちがズラっと並んでいます。一つひとつ異なる、おもちゃたちの表情にも注目してみて。

「有馬玩具博物館」では、毎日工作教室が開催されています。ビー玉迷路やジオラマ、時計など本格的なおもちゃづくりに取り組むことで、子どもたちの発想力を豊かにします。

予約優先なので、つくってみたいテーマを見つけたら、早めに問い合わせしてくださいね。

「有馬玩具博物館」ではさまざまな企画展示やイベントを実施。有名なおもちゃデザイナーの作品展、おもちゃデザイナーと実際に触れ合えるイベントなどを開催しており、おもちゃの世界をより楽しむことができます。

期間限定・不定期開催なので、イベントを開催しているときはぜひチェックしてください。きっと貴重な体験に出合えます。

「有馬玩具博物館」の前身だったおもちゃのお店「ALIMALI」。現在は館内のミュージアムショップになりました。おもちゃに包まれる楽しい空間に足を運んでみてください。

さまざまな国のおもちゃや絵本があり、贈りものや自分へのおみやげ探しにぴったりです。木のぬくもりを感じるおもちゃ、ドイツの木製工芸品、工作材料などさまざまなアイテムを販売しているので、見ているだけでもきっと楽しめるはず。

「有馬玩具博物館」は、有馬温泉「金の湯」から歩いて1分ほどの場所にあります。温泉街を散歩するときに気軽に立ち寄れる距離なので、温泉を楽しむのはもちろん、「有馬玩具博物館」で歴史あるおもちゃに触れてみてはいかがでしょうか。