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南仏イエールのファッション・フェスにモードの重鎮が大集合の理由とは!?(Shizue Hamano)

  • 2018.8.16


南仏イエールのファッション・フェスにモードの重鎮が大集合の理由とは!?(Shizue Hamano)
2018.08.16 17:00
VOGUE JAPAN9月号でもご紹介中の「イエール国際モード&写真&アクセサリーフェスティバル」。毎年モード界の重鎮たちが南仏イエールに集結するというこの”お祭り”の全貌をレポート。

フェスの舞台はのどかな南仏の街。


年間で300日は晴れる、と言われている南仏プロヴァンスの最南端にある街、イエール。フランス文化省からは芸術と歴史の街として認定されているそう。そんなリゾート地で行われるのが「イエール国際モード&写真&アクセサリーフェステイバル」です。過去にはヴィクター&ロフルやアンソニー・ヴァカレロなどのデザイナーを輩出していて、若手デザイナーの登竜門的存在のイベントなのです。

こののどかなお庭が、フェスティバルのメイン会場となる「ヴィラ・ノアイユ」。


イエールの旧市街を見下ろす高台にあるこの会場は、モダニズム建築としても知られています。


フェスティバルの初日に行われたオープニングパーティには、コンテストの参加者である若手デザイナー、豪華審査員の面々、来場者が庭に大集合。


今回の審査委員は、ファッション部門の審査員長ハイダー・アッカーマンをはじめ、女優のティルダ・スウィントン、女優でモデルのルー・ドワイヨン、アクセサリー部門の審査員長クリステル・コシェール、栗野宏文氏、写真部門の審査員にはモデルのサスキア・デ・ブロウなど、ファッション界で活躍する重鎮が一堂に南仏イン。

参加デザイナーによるプレゼンテーション。


世界中の若手デザイナーが応募するこのコンテスト。ファッション、写真、アクセサリーの三部門でそれぞれ一次審査で選ばれた10人のファイナリストが南仏でプレゼンテーションを行い、最終日にグランプリが選ばれます。

写真はドイツから参加したRegina Weberのプレス向けプレゼンテーションの模様。この日のために数ルックを用意し、コレクションのコンセプトを発表します。

自由に参加できる3部門のショーケース。


審査員とプレス向けのプレゼンテーション以外にも、来場者が自由に巡回できる作品ショーケースもあります。ファッション部門は会場となるヴィラに特設テントが設けられ、ファイナリストに選ばれたデザイナーと対話しながら作品を見て回れます。去年から始まったアクセサリー部門の会場でも、このフェスティバルのために作られた作品が思い思いにディスプレイされています。


こちらは、写真部門の会場。

迷路のように入り組んだヴィラの構造を生かして展示されているので、作品巡りも楽しい時間に。


メイン会場から少し離れたプール付きの邸宅では、審査員たちのインタビューが行われたりランチが振舞われたり。どこを切り取っても南仏らしいおもてなしのフェスティバル。

審査員からは「この南仏の気持ちの良いムードだからこそ、良いジャッジができるのかもしれない」というコメントも出るほどゆったりとしたムードの中で時間をかけて審査ができるのも特徴です。

クライマックスは、ファッションショー。


フェスティバル中の目玉イベントといえば、ファッション部門のファイナリストたちによるファッションショー。

大きな倉庫のような会場で10組の作品がショー形式で発表されます。モデルが着ることで動くことで、プレゼンテーションとは違う角度から審査される重要なショー。音楽やモデル選び、演出なども含めた総合的な評価の場となります。

写真は、ファッション部門でグランプリを受賞したオランダのデザイナーデュオ、Rushemy BotterとLisi Herrebrughが手がけたショーの模様。

あのメゾンも、フェスティバルをサポート。


決してアクセスが良いとは言えない南仏の街で行われているのが不思議にも思えるこの世界規模のフェスティバルを、多くの企業がサポートしています。

33回目を迎えた今年は、シャネルがメインパートナーとしてイベントをバックアップ。

アクセサリー部門の審査員長として参加しているクリステル・コシェールは、シャネル「ルマリエ」のアーティスティック・ディレクターでもあります。期間中にシャネルが開催した海辺のディナーパーティには、多くのファッション関係者が集まり、次世代ファッションに期待するポジティブな社交の場に。


イエールの町興しを目的に始まり、今では国際的なフェスティバルに成長した年に一度のこのお祭り。ファッション部門の審査員長を務めたハイダー・アッカーマンにインタビューした際、「こんなにも恵まれた環境とサポートのあるフェスティバルがあると若い頃に知っていたら必死になって参加していたと思う。若いデザイナーのみんなには、夢を見続け、チャレンジし続けてほしい。」と未来あるデザイナーたちにエールを送っていたのが印象的でした。

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