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「キャベツスープダイエット」の実態と効果って?

  • 2018.8.15
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Women's Health

「7日間で5キロ痩せよう!」 なんて無理な気がするけど、「キャベツスープダイエット」なら劇的な減量が可能? でも管理栄養士たちは、このダイエットに関わらないよう呼びかけているんだとか。

「このダイエットは本気で恐ろしい」 と言うのは、米国ワシントンD.Cを拠点とする公認管理栄養士のエラーナ・ナツカー。

「信じられないほど食事制限が多く、摂取できる食品群もごくわずか」

ご想像の通り、このダイエットにおける主な食品群の一つはキャベツスープ。それも大量の。実際に、キャベツスープダイエットの専門サイト「Cabbage-Soup-Diet.com」いわく、良い結果を出す秘訣は、自家製のキャベツスープを1日に3~4回飲むこと。フルーツ、野菜、スキムミルクかアーモンドミルク、玄米、ジャガイモ、鶏肉、魚または牛肉など、他にも食べられる物はあるのだが、特定の日に決められた量を摂ることしかできない。

例えば初日には、キャベツスープとバナナ以外のフルーツを好きなだけ食べることしか許されていない。2日目は野菜とスープ、ディナーにベイクドポテト。3日目はフルーツ、スープ、野菜の全てが食べられる。これで4日目の内容も想像がつくはず。

スープに含まれているのは玉ネギ、ピーマン、マッシュルーム、にんじん、トマト、セロリ、そしてもちろんキャベツ。野菜の量が多いにもかかわらず、ナツカーによればキャベツスープダイエットは不健康な食生活を後押しするもの。玄米やフルーツジュース、野菜を胃袋に詰め込み、たった1日で最大8本ものバナナを食べるよう勧めているのが、そのよい証拠だ。

認定スポーツ栄養士で『Lean Habits for Lifelong Weight Loss』の著者であるジョージー・フィアーも、「スープとフルーツと野菜だけなんて、とにかくバランスが悪い」 と注意を促す。

フルーツと野菜のおかげで、このダイエットでは食物繊維が豊富に摂れる。でも、おなかを満足させたり筋肉を維持するための脂肪がほぼ皆無。言い換えれば、体がむくむまでキャベツスープを飲んでいるのに、たった2~3時間で無性におなかが空くこともあり得るのだ。

その結果、「どんなに食べても満腹感が続かないので、食べること自体に飽きるという悪循環に陥ってしまう」 とフィアーは続ける。

キャベツスープだけで7日間をなんとか生き延びれば、たぶん体重は減っている。でもフィアーによると、減った体重のほとんどは水分。つまり、通常の食生活に戻れば、減らした体重が戻ってくる確率は高い。

しかも、キャベツスープダイエットのような低カロリーの食事法では、代謝がいつにも増して不活発に。分量に関するガイドラインがほとんどないので、1日あたりのカロリー摂取量の見当もつけづらい。ナツカーの推定では、スープと野菜だけで過ごす日のカロリー摂取量はわずか1,000キロカロリー。バナナ、ミルク、牛肉、玄米をつけ足す日には1,000キロカロリープラスだけれど、たぶんその分スープを飲む量が減る。

フィアーによると、キャベツスープダイエットを行うと、代謝率の決定的な要素である満腹ホルモンのレプチンが減る。その結果、1日のカロリー消費量が、ダイエットを始める前より300~700キロカロリー少なくなる人がほとんどだという。通常の食生活に戻るとすぐにリバウンドしてしまうのは、このためなのだ。

ダイエットで減らした体重を長期的に維持したいのなら、本当におなかが空いているときだけ食べたり、バランスの取れた食事をしたり、レストランでヘルシーなオプションを頼んだりという持続可能なスキルを身につける必要がある。だから7日間、キャベツスープとバナナばかりをおなかに詰め込むことを学んだところで何の役にも立たない。

「賢い」スープ戦略スープを食生活の中心とする代わりに、肉や魚を煮出したスープであるブロスベースのスープ を食生活に加えるのは、数キロのダイエットを加速させる素晴らしい方法。食事の前に飲めば、さらに効果的。

ブロスベースのスープは、例えば無料のパンのバスケットよりも低カロリーでありながら、しっかりおなかを満たしてくれるので、後のメイン料理とデザート を貪り食うこともなくなる。事実、食欲に関する専門誌が発表した研究では、食事の15分前に低カロリーの野菜スープを飲んだ人の合計カロリー摂取量が、スープを飲まなかった人に比べて20パーセント少ない結果となった。

ヘルシーかつ持続可能な方法でスープを食生活の一部とするには、ミネストローネや野菜スープといった、野菜がたっぷり入ったブロスベースのスープを、少しずつ飲むこと。ただし、クリーム系のスープはNG。スープが大好きなら、1日1杯飲めばOK。フィアーによれば、スープ自体を食事にしてもいいし、前菜にしてサラダやサンドイッチ、ギリシャヨーグルトのようなタンパク質と食物繊維が豊富なスナックと組み合わせてもいいそう。

これならキャベツスープみたいに、1時間後にひどい空腹を感じることもないはず!

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

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