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今年白寿のブラッスリー、ラ・ロレーヌに新鮮な海の風。

  • 2018.8.13
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1919年にテルヌ広場に開店したラ・ロレーヌ。海の幸を売りにしたブラッスリーで、店の前にカキ剥きがせっせと殻をむく姿が広場の名物となり、年を追うごとに知名度を上げていった。パリの魚介類ファンの間で人気となり、左岸のブラッスリーがラ・クーポールなら、右岸のブラッスリーはラ・ロレーヌという存在に。チャップリン、ジャン・ギャバン、クリント・イーストウッドといった映画関係者たちの行き着けのブラッスリーだったことでも有名である。

ブラッスリーといったら魚介の盛り合わせ!!

エントランスに設けられたショーケースがブラッスリー気分を盛り上げている。

100歳を祝う来年に向けて今春に大改装が行われ、6月にリニューアルオープンした。ラ・ロレーヌといったら常連が思い浮かべるのはアール・デコ・スタイルのインテリア。今回の大改装を任されたのはパリでいま話題のローラ・ゴンザレスで、彼女はアール・デコの雰囲気を残しつつ、海をイメージしたモチーフを取り入れたエレガントで快適な食事空間を作りあげた。魚を並べたエントランススペースで、魚を描いた床のモザイクタイルに出迎えられ、それだけでなんだか楽しくなる店だ。

入り口の床に魚モチーフのモザイク。

内装を手がけたのはローラ・ゴンザレス。壁には手描きで海をテーマにしたペイントが。

ブラッスリーにベンチ席は不可欠だ。

海の幸が売り物のブラッスリーである。魚介類は毎朝とれたてのものが届く。ブラッスリーで海の幸の盛り合わせをオーダーしたいけれど、ひとりでは……と諦めたことはないだろうか。ラ・ロレーヌでは1人用も2種(29ユーロ、39ユーロ)あるので、これと冷えたグラスワインの白で、という愉しみも。

フレッシュな素材を調理するシェフはジェラール・ドロネー。スパイスに凝ったり、添え野菜で現代性をプラスしたり……。昔のブラッスリーメニューにはなかった前菜のブッラータやメインのフィッシュ・アンド・チップスがトレンドを感じさせる。ブラッスリーの伝統も守られていて、魚まる一匹の料理をオーダーすると調理前の魚がテーブルに運ばれ、そして、調理後は食事客の目の前でカットされる。メニューには魚介料理だけでなく、肉料理も並んでいる。こちらの素材も厳選されたものだ。また、食後にスフレやクレープ、プロフィットロールといったクラシックなデザートも選べる。これはブラッスリーでの食事の締めくくりにはうれしいかも。

月~土曜の12時~18時は前菜+メインまたはメイン+デザートが28ユーロ、前菜+メイン+デザートは36ユーロ。夜と日曜の昼はそれぞれプラス10ユーロ。

添え野菜がモダンで軽快なブラッスリー料理を提案する。

デザートに至るまで器も現代風だ。

朝食時間の卵メニューも充実した。カフェとクロワッサンだけでなく、ブランチ的にしっかりとした食事で1日をスタートするのもいいだろう。改装後、テラス席が拡張されたので、太陽に恵まれた日は外でのティータイムにも活用できる。また、魚介の盛り合わせのテイクアウトも可能……と、いいことばかり。ラ・ロレーヌは100歳を目前に美しく若返ったようだ。

入り口正面のアメリカン・バーも人気。

テルヌ広場とフォーブル・サントノーレ通りコーナーにあるブラッスリー。その周囲を広いテラス席が囲んでいる。photos:Yann Deret

La Lorraine2, place des Ternes75008 Paristel:01 56 21 22 00営)8:00~翌1:00無休www.brasserielalorraine.com/ja

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