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温泉は「海」「山」「森」で美容効果が変わる!【日本一〇〇オタクは私!】Vol.11

  • 2018.8.7


温泉は「海」「山」「森」で美容効果が変わる!【日本一〇〇オタクは私!】Vol.11
2018.08.07 17:00
美容業界の中でもキラリと輝くビューティー・オタクなエキスパートたちが、そのマニアックぶりをアツく語ってくれる週替わり連載「日本一〇〇オタクは私!」の第11回。


良質な湯を求めて世界中を旅する、温泉ビューティー研究家歴13年の石井宏子さん。温泉医学を勉強し、温泉の成分が美肌や美容にどういいのかを探求する彼女が、今回は海、山、森とロケーションのよって全く異なる魅力をもつ温泉を紹介してくれる。

"一年の半分以上は温泉の旅。温泉ビューティーの扉を開いたは、土地の魅力が生み出す癒しのパワーでした。"

BEAUTY OTAKU #11 温泉ビューティー研究家 石井宏子さん 

温泉LOVE度 ★★★★★ 

美容オタク度 ★★★★☆ 

旅好き度 ★★★★☆


温泉ビューティーの研究をするために、ひたすら旅に出かけます。日本には四季がありますから、季節の移ろいもまた感動的で、日本って素晴らしいなあ、自然の力はすごいなあ。海もいいけど山の緑もすてきだなあ、などと感じているうちに、ふと、気がつきました。「土地の持つパワーにも、美容的意味があるのではないかしら」


温泉の周りの自然環境に興味を覚え、もっと自然のもつ美容的価値を研究しようと考えていたころ、日本温泉気候物理医学会で温泉医学の権威である阿岸祐幸先生にお誘いをいただき、ドイツ気候療法士修得の研修に参加しました。ミュンヘン大学アンゲラ・シュウ博士による研修は、わたしにとって、温泉ビューティーの扉が開くきっかけになりました。山、森、海、といった自然環境や地形の気候的特徴を、医療・保養に活用するのが「気候療法医学」です。これを温泉ビューティーに応用しようと考えたのです。


あなたの求める温泉ビューティー養生をするならどこへ行く? 今日は、わたしが最近お気に入りの海温泉、山温泉、森温泉をご紹介しましょう。

温泉浴と海洋ミネラル浴が同時にできる「海温泉」。


たとえば、海の温泉。海は海にしか存在しない海洋性ミネラルの宝庫です。太古の地球は全てが海に覆われていましたから、その後、陸地に上がって陸上で生活するようになった生き物は実は体の中に海のミネラルを生まれながらにしてもっています。ストレスや疲れなどでバランスが崩れた時など、海洋性ミネラルを補給するとリラックスして体や心が楽になるのです。海が目の前の温泉には、潮風に乗って海洋性ミネラルが大気中にたっぷりと運ばれてきます。つまり、温泉浴と海洋ミネラル浴が同時にできるというわけです。


青森県・黄金崎温泉の「不老ふ死温泉」は、なんといっても海が目の前、というか、まるで“海そのもの”と一体になれるような露天風呂が圧巻です。宿から外の道を歩いて露天風呂へと向かうと、何ということでしょう。岩がごつごつとある海岸にぽつんと湯船。その向こうには見渡す限りの大海原が広がっています。温泉は赤褐色の濃厚な濁り湯、湯船の中は全く見えないほどです。サンセットの時間には海も温泉も人も黄金色に染まります。塩と鉄分が豊富な温泉は体の芯までぐぐぐっと温まるミネラルたっぷりの泉質。美味しい海の幸が育つ津軽の海の海洋性ミネラルをたっぷり吸収して、お肌も髪もつやつやです。


不老ふ死温泉 http://www.furofushi.com/

「山温泉」なら標高の高さゆえ、代謝もアップ!


山の温泉は、標高の高さに比例して気圧が変わり、たとえば標高1,000mを超える場所へ行くと、気圧の変化から心拍数が上がってきます。これは、スポーツ選手が高地トレーニングをして心肺の強化をしたり、スポーツクラブで加圧トレーニングをするのと似たような働きです。標高が高い山の温泉へでかければ、心拍数があがり、血の巡りが良くなって、代謝をサポートします。


新潟県・妙高赤倉温泉の「赤倉観光ホテル」があるのは、標高1300m。妙高山の中腹に建つ歴史あるクラシックホテルを改装し、新しくスパスイート棟ができて、すてきなスパリゾートに進化しました。この宿の魅力は大パノラマの絶景。遥か遠くの山並みを眺め、時には幻想的な雲海に包まれながら、源泉かけ流しの美肌湯に入れます。泉質は、カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉。肌がしっとり潤う硫酸塩泉と古い角質を優しく落としてすべすべにしてくれる炭酸水素塩泉が織りなすグッドコンビネーションのスキンケア温泉です。山温泉で肌代謝も上がっていますから、温泉の後は、隣接するスパ「Earth SPA by CLARINS」へ。絶景のトリートメントルームでたっぷりと肌に栄養補給しましょう。


赤倉観光ホテル http://www.akr-hotel.com/

「森温泉」は、まるで酸素カプセルで受けるエステ体験。


森の温泉は、木々に囲まれた環境にあります。つまり、温泉にいながら森林セラピーができます。緑の季節なら、木々は光合成を活発にして酸素をたくさん放出します。葉っぱの先からミストのように癒しのシャワーが降り注ぎます。そう、これって、酸素カプセルのエステみたいなもの。温泉に入る恵み+酸素カプセル+癒しなんて、夢のようなビューティーセラピーですよね。


北海道・函館からローカル線に乗って出かける旅もいいものです。上ノ湯温泉「銀婚湯」の魅力は、広い敷地の森に点在する貸切露天風呂の数々。森の中の1本道をてくてくと歩いたり、川にかかる吊り橋を渡ったりして、隠れ湯のような露天風呂を探していく森の散歩がすごく楽しい。温泉を目指して歩いているうちに、自然と森の恵みを受けて自然療法になっているのです。いろいろな温泉宿へでかけると、こんな風に思うことありませんか? 「女性だって、開放的な野天湯に入ってみたい」と。そう、この願いがこの宿なら叶うんです。


点在する露天風呂は、まさに自然の中にぽつんと作られているものばかり。でも、全て宿のプライベートな敷地内にありますから、周囲の視線を気にすることなく、大自然の中の開放的な温泉を満喫できます。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。成分濃い目の温泉は、肌の古い角質を落としてすべすべにする極上のクレンジングの炭酸水素塩泉と肌に塩の皮膜をつくって保温&保湿する塩化物泉。湯めぐりするだけで美肌ケアが完了です。


銀婚湯 http://www.ginkonyu.com/
Profile 
石井宏子 

温泉の美容力を研究する日本でただひとりの温泉ビューティー研究家。年200日ほど日本・世界を旅する旅行作家でもある。雑誌・新聞など多数の 連載コラムを執筆、テレビ・ラジオにも出演。温泉地の自然環境にも着目し、ドイツにて「気候療法士」を修了。温泉、自然環境、食事など旅で心も体もきれいになるビューティーツーリズムを提唱。日本温泉気候物理医学会会員、日本温泉科学会会員、日本旅のペンクラブ理事。
http://www.onsenbeauty.com

Text: Hiroko Ishii Editor: Rieko Kosai

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