SUPヨガの第一人者であるTAMAOさん、ヨガ、トライアスロン、サーフィンなど、スポーツを通して活躍する姿はとてもパワフルで女性らしい。現在のTAMAOさんができるまでの道のり、不慮の事故を乗り越えた強さと航空業界からの卒業など、「すべての選択を自分らしく」というその芯の強さに迫ります。
いつも太陽のような笑顔でパワフルなTAMAOさん。鎌倉のヨガスタジオ「gypsea by HONEY」のプロデューサー兼インストラクターを務めるかたわら、全国のイベントに講師として招かれ、SUP YOGAの指導者養成スクールのトップトレーナーなど積極的に活動の幅を広げている、注目のヨガティーチャーです。
交通事故で半身不随に。人生最悪の時に出合ったヨガで心が広がって豊かになり始めた。
——TAMAOさんとヨガとの出合いについて教えてください。
大学時代は、日体大でスポーツに明け暮れていました。もっと世界を見たいと思い、インターンシップでカナダの小学校で日本の文化やスポーツを1年間教えていました。帰国直前に交通事故に遭い半身不随に。左半身は70%機能しないとドクターに告げられ、人生で最も最悪な状態で本当に落ち込みましたね。
その時のドクターの奥さんが有名なヨガの先生だったんです。とにかく先生に「自分を信じなさい」、いつも自分の足に「愛してるよ」って話しかけなさいって言われました。言われた通り毎日念じましたが一向に良くならなくて。でもある日、公園でコーヒーを足にかけられてしまい、その時に“熱い”って反応があったんです。「あ、私の足はまだ生きてるんだ」と思い、その日から奇跡的に足が動くようになり、半年かけて歩けるようになったんですよ。
——大変な経験をされたんですね。それは何歳の時だったんですか?
23歳です。足が回復するキッカケになったヨガの根源が知りたくて、インドに渡りヨガを学び始めました。そして日本に帰国後、エアラインに就職し世界を旅しました。
——憧れの職業じゃないですか。そこから何故ヨガのインストラクターになろうと思ったんですか?
CAは、やり甲斐があり楽しかったのですが、安定よりチャレンジしたい!もっと成長したい!という気持ちが強かった。守られた世界からもっと羽ばたいて自由に飛び回り、多くの人をインスパイアしたいと思ったんです。
ヨガは一瞬にして目の前の人の反応が返ってくるので、お客さんとのコミュニケーションや繋がりがとても幸せだと感じたんです。自分が輝くことで目の前の人に光を灯せることもできるけれど、それよりもみんな一人一人が持つ内側に秘めたダイヤモンドを見抜き開花させること。その瞬間にその人の心が変容して自信が持てたり、可能性が広がる。その過程を間近で見れることが私の最大の喜びでありエネルギーになりました。
生かされた命をどう活かしていくかをすごく考えます。今日どうやって楽しく生きようかなって。
——TAMAOさんにとって“自分らしく生きる”ってどういうことでしょうか?
何があっても自分を信じて、その状況を楽しむ。思ったら直ぐ行動することです。
後先を考えすぎない。ただ選択した責任は自分で背負う。本能や直感を信じてます。あとは潔さ。良いものは人にシェア、手渡す。仕事も自分が抱えずに、後輩や教え子にパス。自分はもっといいものに巡り合えると信じてるので、今必要な人に手渡します。それが最近の私らしさなのかなって。
——事故に遭われた経験も大きいかもしれないですね、そういう潔さは。
一度死にかけたので、今生かされているのは奇跡の連続。この命をどう活かしていくかをすごく考えます。当たり前の日常でないと体感したからこそ、一日一瞬に感謝して、明日死んでもいいくらい今日を目一杯楽しく生き抜く!愛してる人がいたら愛してるって言うし、直ぐごめんねって言うようにしてます。喧嘩してもその日のうちに喧嘩を終わらせて、翌日はおはようって言えるように。それは身近な人にこそ大事。
——自分らしさを見つけられないでいる人って結構多いんですよね。TAMAOさんのように、自分らしさを見つけるためにはどうしたらいいと思いますか?
まずは今の自分を好きになることだと思います。過去も含めた自分の生き方を肯定して、自分の良さ、自分は世界で唯一無二の存在だと気付いて欲しい。それが分かれば個性を活かすための視野が広がります。自信を持って、思い切って行動してチャレンジし続ければ、自分らしさが浮彫りになるはずです。
どうなるか分かんない人生だから、思い切りが大事。そしたら人生全く違う方向に行くから。
——TRILL世代の女性は悩みが多いのですが、まず、「出会いがない」と嘆いている人たちに向けて何かアドバイスをいただけますか?
自分の人生を、今を楽しんでいればいつかきっと見つかります。自分にベクトルが向いて好きなことに夢中になっている時は、生き生き輝くじゃないですか。自分の内側を満たさず外ばかり見て探そう、探そうと躍起になるとなかなか見つからない。まずは自分の目の前にあることを目一杯楽しむ。仕事も、遊びも、友達付き合いもいろいろ楽しむことが重要だと思います。
それともうひとつ、「明日もし死ぬかもしれないってなったら何をしますか」っていうことを意識して動くことが大事ですね。何が起きるか、いつ死ぬかなんて分からないので後悔しないように。結婚したいならそこに集中すればいいし、好きなことをつきつめたいならそれを優先して今を思いっきり楽しんでみる。その先に出会いもあると思うし。私は絶対大丈夫。見つかる!という根拠のない確信みたいなものは持っておくといいと思います。(笑) 自信を持つのに根拠は必要ない。なんくるなんさーという明るく前向きな姿勢が大事な気がします。
——最後に、新しい挑戦や今の自分を変えるのが怖いとか、本当は転職したいけど30歳過ぎてるしどうしようとか。年齢的なことで一歩踏み出せずにいる人たちにも一言お願いします。
何歳になっても大丈夫!うちの母は63歳ですけど、53歳で起業しました。だから、年齢は言い訳にしないほうがいい。歳を重ねた分、経験がある若い人より選択肢がいっぱい増えるはずだから。
今はこの瞬間しかないし、生まれ変われないんだから、頭にあるルールや固定概念を壊してもっと自由に人生を楽しみましょう。いくらでも転職して本能のままに、1番わくわくする仕事をやりましょう。いくつになってもチャレンジし続けるパワーを持って。だって1年後どうなっちゃうか分かんないんだもん。どうなるか分かんない人生だから、思い切りが大事。きっと人生おもしろい方向に進みますよ。同じ想いを持った仲間にも出逢えます。そうやって自分が想う人生を切り開いていって、隣で迷ったり、悩んでいる人がいたら背中を押してあげましょう!
最後に私が大好きなボブ・マリーの名言を。
Love the life you live. Live the life you love.
自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。
Profile:TAMAO(たまお)
(Instagram:@tama_smile)
ヨガインストラクター。鎌倉・材木座のヨガスタジオ「gypsea by HONEY」プロデューサー。SUPヨガの日本のパイオニアでもあり、アウトドアフィットネス協会が主宰する「SUP YOGA/FIT指導者養成講座」の講師も務める。
ROXYアンバサダー
●TAMAOさんに会えるイベント「ROXY RUNSUPYOGA」
福岡 2018年9月8日(土)
大阪 2018年9月15日(土)
Edit:TRILL