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【男から見た結婚のリアル】第25回 MAXまでキラキラさせたら見えてきたもの

  • 2018.7.17
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今の時代、見ないようにしようと思っても、他人のキラキラしている写真をインスタやフェイスブックが絶え間なく流してくるので、「キラキラってこういうものなのね」と、さもわかったかのような気持ちになってしまうことがよくあるんですが、ホントのキラキラはそんな「わかったようなもの」ではなかった。

結婚式当日、妻と僕はキラキラの渦中にいました。なにもお金をかけまくって豪勢な式&披露宴をしたわけではなく、結婚式ってほら、式場のスタッフ総出でキラキラを分刻みで演出してくださるじゃないですか。

1つのキラキラが終わると、「はい、次のキラキラ入りま~す!」みたいな感じで、キラキラに次ぐキラキラ、さらにそれに次ぐキラキラみたいな感じで、キラキラを1つずつ噛みしめている暇がない。

今でも不思議に思うことがあって、新婦って何回か衣装を変えますよね?しかもその衣装って十万円単位でレンタルしますよね?そんな「生涯で1回しか着られない最高の衣装&愛の結実の衣装」を着たと思ったら「はい、お色直しの時間です」となって、場合によっては衣装を着ている歓びを噛みしめないまま着替えちゃうわけでしょ?そういうのって女性はどう感じているのかな?妻はどう感じていたのかな?男の僕からすればすごく不思議に思います。

衣装のみならず、結婚式&披露宴って、主役からすれば、ともすれば流れ作業に感じます。お付きの人が「はい、立ってください」「マイクを持ってください」「座ってください」「今度はあっちに立ってご挨拶してください」「こっちに顔を向けてください」「笑ってください」「いま食事をしてください」とか、もう言われたままに粗相しないように動くので精一杯。

スタッフの方々や参列してくださった方々の温かな気持ちのおかげで、無事にすべてのことが終わったとき、もちろんホッとしたけれど、それ以上になぜかすごく謙虚な気持ちになったのを今でも覚えています。皆様のおかげで分刻みの行事が最高のカタチで終わった――皆様ありがとうございました。この気持ちしかなかった。

キラキラしているものとか、インスタ映えするものとかが流行っているけれど、真のキラキラを経験すると人は謙虚な気持ちになり、それゆえ経験したキラキラをことさら他人に見せようとは思わないのではないか?自分の大切なものとして、ひそかに胸の中で輝かせ続けたいとは思っても、他人に「すごいっしょ?」と見せないのではないか?キラキラ中毒の女子だって、もっとぶっ飛んだキラキラを経験すれば、その写真はちょっとやそっとのことでは他人に見せたいと思わないのではないか?

部屋に飾った披露宴の時に頂いた花をインスタに載せようかどうしようかと迷いつつ、その花がしおれた頃、ふとこんなことを考えたのでした。(ひとみしょう/文筆家)

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