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依存心の強い母が重荷…、でも放っておけません【心屋仁之助 塾】

  • 2018.7.17
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メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「依存心の強い母が重荷です」という、カフェオーレさん(50歳以上・医療)に、心屋塾初級認定講師の心みねこさんからアドバイスをいただきました。




■カフェオーレさんのお悩み

15年程前から実母が私に依存し、執着するようになりました。私はシングルマザーですが、私にお付き合いする男性ができると実母はイライラし、近所にそれを言いふらし、結局1カ月で私と子どもを追い出しました。

それから1年半、疎遠になりましたが、その間は浪費とギャンブルで迷惑ばかりかける妹と仲良くしていたようです。妹には何も求めずいい顔をし、少ない貯金も差し出して仲良くしていたようです。しかし、お金の無心ばかりの妹とは案の定うまくいかなくなり、私の耳に届くようにサインを送ってきました。

母も苦労した生い立ちですし、「歳をとったのだから」と自分に言い聞かせ、また行き来するようになりましたが、幼い頃から我慢ばかりで、同じ娘なのになぜこんなに違うのか、やるせないです。

それでも放っておけない気持ちのほうが勝ってしまい、また母の世話をし、わがままを聞いています。「後悔しないように」とだけ思いますが、こんなモヤモヤしたままでいいのかと悩んでいます。台所で、知らぬうちに涙が出てきます。

※一部、質問内容を編集しています。



■心屋塾初級認定講師の心みねこさんより

カフェオーレさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。心みねこです。

ご相談を読んで最初に感じたのは、お母さんのために50年という長い間、よく我慢して尽くしてこられたのだな…という思いでした。

人生の大半をお母さんや家族のために費やしてきたにも関わらず、報われなさ、やるせなさが積もり積もって、知らず知らずの涙となってあふれ出ているのでしょう。家族のために、誰よりもお母さんのために、ご自身が遊ぶ時間やお金も犠牲にしてこられたのだろうと思います。

それなのに、解放されるどころか歳を重ねるごとにお母さんの依存度は増し、ようやくできた彼との間を嫉み、あなたと子どもを家から追い出す始末。

11年間、女手ひとつで子どもを育ててきた娘が、ようやく心を許せる男性ができたのなら、お付き合いを応援してほしかったですよね。今まで尽くしてきてこの仕打ちかと思うと、さぞガッカリされ、情けないとも思ったでしょう。

しかも、身内にさんざん迷惑をかけてきた妹にはいい顔をして、仲良くしていた。幼い頃からずっと、同じ娘でありながら妹よりもずっと尽くしてきたのに…。「妹には差し出す愛情も私にはかけてくれないの?」と、情けないやら悔しいやら、寂しい気持ちも湧いていたのではないでしょうか。




カフェオーレさんは、子どもの頃から、お母さんの親代わりになってきたようにお見受けしました。

本来は「親が子を養う」ものですが、カフェオーレさんの家では「子が親を養う」という状態になっていて、親子関係が逆転していた。あなたは苦労したお母さんを助けたくて、早く大人になろうとしてきた。”しっかり者のお姉ちゃん”としてずっとがんばってきたのだと思います。

しかし、早く大人になろうとしてきた分、「子どもの頃の気持ち」が追いつけないままになっているかもしれません。私たちの身体は放っておいても成長しますが、心は成長しないのです。カフェオーレさんの場合は、理性で抑えようとしてきた分、むしろ感情が増幅し、心の中で暴れているのかもしれません。

お母さんを救うことより、あなたの心が「救ってほしい」と泣いているのではないでしょうか?

「心を救う」ためには、まず自分の気持ちに気づいてあげることです。体の外に気持ちを出すことで、あの頃の本当の自分の気持ちに気づくと同時に、自分が救われていきます。言葉にしてみてくださいね。

「なんで私ばっかり我慢しなきゃなんないの?」
「〇〇(妹の名前)、ずるい!」
「結局は私を頼ってくるくせに」「都合いいんだから、まったく」
「もういいかげんにして!」「私、いつまで尽くさなきゃいけないの?」
「もう我慢したくない」「私より妹が大事なの?」
「お母さん、もっと感謝してよ」
「お母さん、もっと褒めて」「ちゃんと認めて」「ねぇ、笑って」
「優しい子だねって言ってほしかった」
「いつもありがとうって言ってほしかった」
「あなたが一番好きだよって言ってほしかった」
「あなたのおかげだよって言ってほしかった」
「私よく尽くしてきたなぁ」「よく我慢してきたね」
「えらかったね」「がんばってきたの知ってるよ」
「もう、自分を犠牲にしなくていいよ」
「お母さんのために自分を我慢させる人生を卒業してもいい」
「お母さんの面倒をみなくていい」
「お母さんより先に幸せになってもいい」

言いづらい言葉もあると思いますが、苦労したお母さんを助けたい一心で、自分のことよりお母さんを優先させてきた。それがカフェオーレさんの幸せを遠ざけているように感じます。

「自分を我慢させてお母さんを幸せにする」のではなく、自分が先に幸せになれば、まわりまわってお母さんも幸せになるのです。

世の中には、親に結婚を猛反対されて駆け落ちし、一時期は疎遠になってしまったけれど、孫が生まれたのを機に和解した…という親子もいますよね。これは「親不孝」と言い切れるでしょうか。「一時期の親不幸が、結果的に、一生の親孝行になる」ということはよくあるものです。

そばに面倒を見てくれる人がいると、周りはその人をアテにします。誰かは面倒を見てくれているうちはそれが当たり前、失ってみて初めて気づくものです。

今まで「お母さんを助けてあげる人」はいても、幼い頃のカフェオーレさんを助けてあげる人はいませんでした。「あの頃の自分」を救ってあげる時期に来ているのではないでしょうか。

カフェオーレさんが、”お母さんのために自分を犠牲にする人生”を卒業する一歩を応援しています。

・このカウンセラーのブログ https://ameblo.jp/uminne2/

(編集/外山ゆひら)

(心みねこ)

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