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【女子のばんそうこう】おじさんは、なぜ。【後篇】

  • 2018.7.12

先週の前篇に続いて、今回は後篇をお届けします

おじさんがうっとうしがられてしまう原因は「いまに合わせたアップデートができていない」からではないか、と前回書いた。 逆に言えばある程度アップデートできている人は、年齢や外見関係なく、含羞や礼儀正しさや思慮がきちんとあるので、おいそれと嫌われたりしない。また言うけど、「おじさんだから嫌う」なんて乱暴な思考を持っている人はほとんどいないと思う。

そして「好かれるおじさん」になるには、別に外見を無理に飾ったり女性にこびたり取り入ろうとしたり(そういうのは敏感に察知されてしまう)する必要は、まったくない。

私の周囲で、好かれるおじさんには見事な共通点がある。

それは「女をオンナという生き物として見ず、まず人間として扱う」ということ。

同じ人間同士なのだから、人として最低限の礼儀を持って接すること。むちゃくちゃ当たり前で簡単なことなのに、できない男性は意外と多い。なので女性はそう扱われない悔しさをいやというほど体験している。

もちろん自分の脳内でなら存分にオンナとして見ていいし、エロの対象としてあれこれ想像してもいい。

でもそれを相手の前でいきなり表明したり、「当然そう扱っていいっすよね」みたいな態度をとるのはまず人として失礼すぎるよね…ということだ。

あからさまにやる人は周りにも分かりやすいので「セクハラおやじ」として弾劾されたりするけど、実は一番やっかいなのは「本人はまるでそのつもりがない」おじさんなのだ。本人は「自分はセクハラなどしない。女性には優しい」と思い込んでいるんだけど、女性から見ると「いやいやマイルドにやらかしてますよアナタ…」という人。

例えば、先日居酒屋で体験した出来事。

女ばかり4人で飲んでいた時、隣のテーブルには推定アラフォー男性2人がいた。最初は静かに差し向かいで飲んでいた彼ら、いつからか半分こちらに向き直り、ニヤニヤ笑いながら我々を眺めまわし、こちらの会話に耳を傾け始めた。

たとえ一言も声をかけてこなかろうと、真隣なので粘度の高い視線と空気は痛いほど伝わる。我々はそれに気づかないフリをしながらも内心「すごく嫌だな…」と思っていた。

そのうち店員さんがうっかり友人の服に料理の汁をこぼしてしまった。するとその男性2人のうちの1人がチャンス到来とばかりにこちらに乗り出してきたので「大丈夫ですか?」とか言うのかと思った。違っていた。

彼はニヤニヤしたまま小声で「俺、押してないよ…フフ」と言ったのだ。

友人も我々も路傍の石のごとくその存在を無視したが、彼らが店を出た後、全員で「何あれ…き・も・ち・わ・る・い!」と地団駄を踏んだ。

「たまたまおかしい人だっただけでしょ」と思う方もいるかもしれない。でも女性の皆さんだったら飲み屋でこれに近い絡み方をされたこと、かなり多いのではないだろうか。

みんな最初はごく普通の男性たちだが、酩酊してくるとなぜか近くの席の女性グループが「無料のホステス」に見えるらしい。だけど堂々とナンパする勇気はないし魅力的な会話を仕掛けることもできない。だからひたすら眺めまわしたり、こちらの会話やルックスに対してエアリプを送ってくる。

酒の勢いで隣席の客と仲良くしたいという気持ち自体は悪くはない。でもそれならまず「人間対人間」としてコミュニケーションすればいい。礼儀正しく自己紹介をしてから仲良くなりたい旨を伝えろ。そしたらこちらも礼儀正しく断れる。「女にはこれでも許される」という気持ちがうっすらあるから、そこはかとなく無礼な態度でいられるのではないか。

話がそれたような気がするけど、多分普段の彼らは「自分はまっとうで女性には優しい」と思っているだろう。でも「気づかないと思うけど、アンタそういうとこやぞ!!」と全力で伝えたい。女をまず人間として見ることができるおじさんは、絶対にそういうことはしないよ。

これは一部のおじさんに顕著な特徴ではあるけれど、よく考えたら別におじさんには限らない。相手も女には限らない。異性、年下、子供、年寄り、異国の人…。そういう相手を「まず人間として見ない」人は、あからさまじゃなくてもそれが周りに伝わる。

「若手や女性になぜか避けられている」と不思議に思っている人は、そのあたりの自分の言動を見直した方がいいかもしれない。

私たちはほんとは知っているのだ。おじさんの魅力と素敵さ、可愛さを。だからこそ、素敵じゃない人が「ただしイケメンに限る、だろ?」「おじさんだからって嫌うんだろ」と言うのにいちいち反論してゆきたい。

そうじゃないよ。あなたが人を尊重するならば、人もあなたを尊重するのだから…と。

Written by こんどうあゆみ

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