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アジアで初めてのゴードン・マッタ゠クラーク回顧展。

  • 2018.7.12
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都市の渦中を駆け抜けた、作家が遺した実験精神。

『ゴードン・マッタ゠クラーク展』

『スプリッティング:四つの角』1974年。サンフランシスコ近代美術館蔵。日本初公開の作品。

1970年代のニューヨークを中心に、わずか10年ほどの活動期間を駆け抜け、35歳で夭折したアーティスト、ゴードン・マッタクラークのアジア初の回顧展が開催される。チリ出身の画家ロベルト・マッタを父に持ち、ヨーロッパ各地とチリとニューヨークで幼少期を過ごした彼は、アート・建築・食・ストリートカルチャーなど多面的な領域で活躍した、「自由形」の先駆けだ。その軽やかでクール、詩的なアイデアは、没後40年たったいまも世界中のフォロワーから注目されている。

レストラン「フード」の前で、ゴードン・マッタクラーク、キャロル・グッデン、ティナ・ジルアール。1971年。個人蔵。Photo: Richard Landry 

本展では、都市を舞台に活動した彼にとって重要な5つの場所(住まい・ストリート・港・市場・美術館)にフォーカス。アーティストが経営するレストランから生まれた豊かなコミュニティの創成、ストリートの隙間やグラフィティにあふれ出したエネルギーを可視化するプロジェクトなど、都市の構造に向ける眼差しには現代の作家に継承されるべき瑞々しい力がある。なかでも建物の一部を切り取る代表作「ビルディング・カット」シリーズの最大規模の作品の初来日は見逃せない。

世界経済が爆発的成長を始めた70年代、資本主義の実験場ニューヨークの渦中にいた彼は、同時代に現実逃避したヒッピーや劣等感を爆発させたパンクとは対極のアティチュードを選んだ。一見破壊的だが、きわめてクリエイティブな社会実験的発想によって「アートが社会にできること」を模索したマッタ=クラークの活動記録が、資本主義の袋小路に直面した日本社会に「豊かさ」の本質を問いかける展示になることは間違いない。

『ゴードン・マッタ゠クラーク展』会期:開催中〜9/17東京国立近代美術館(東京・千代田区)営)10時〜17時(金、土は〜21時)休)月(7/16、9/17は開館)7/17●問い合わせ先:tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)www.momat.go.jp

※フィガロジャポン8月号より抜粋

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