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パリへ来て、7回目の夏。振りかえって思うこと。【Nahoのおパリ文化回覧帳 vol.8】

  • 2018.7.10
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初めて来たフランスで、いきなり住み始めた。

 

6月で、パリに住んで7年。小学校を終えてしまった程の時間が、あっという間に過ぎていきました。

初めての1人海外。言葉も喋れず、知り合いも居ない場所で、いきなり住み始めました。

さらには、フランスに一度も来たことがありませんでした。いくつか他に候補の海外都市が自分の中であったのですが、なぜか直感がパリだと言っていたので、それで決めたのです。

 

もちろん、フランスの文化-映画、ファッション、文学などに元々関心が高かったのですが、それはフランスに限らずで、海外のカルチャー全般に関心が高かったんです。

 

でも、直感で、パリだった。

 

とにかく、そんな気軽さから私の海外生活はスタートしたのでした。

 

 

 

“ない”という不便さによって、多くのことを培えた日々。

 

海外に住み始める時、また、慣れない土地での情報ってとっても貴重ですよね。

今は、インターネットが生活のスタンダードになっているから、ネットやスマホがない生活なんて、今の私には考えられない。

 

でもそんな私も、パリ来た当初から2年近くは、節約の為インターネットを繋がず、携帯もプリペイドでした。

だから当時は情報を仕入れるだけでも大変で、外に出ても方向音痴なので場所が分からなくなるし(笑)、友人や知り合いが欲しい、誰かと繋がりたいと思っても、今よりSNSが少なかった。

 

また住居探しにおいても、住宅難のパリではネットを繋げていないどころか、保証人のいない外国人の私が「家を探す」ということはとても大変でした。

 

でも“ない”というところから、人は創意工夫をし、本来の感が鍛えられたリ、実際の行動力が培われていくのかもしれません。

 

だから、今となっては良い機会を与えられた貴重な期間だったと思っています。

 

生活必需品と数着の服が入ったスーツケース1つでやってきて、着いた翌日から何をしたかというと、とにかく歩いた!

 

街を覚える為に読めない地図を見ながらパリ中を歩き、参考書で覚えた私のフランス語が通じるのか、見知らぬフランス人に声を掛けながら、とにかく毎日たくさん歩きました。多い時で、1日15人くらいに声を掛けたりも(笑)。

内容なんてどうでも良くて、とにかく話して言葉を理解できるようにしていきたかった。あと、パリジャンの方々と交流したかったのです。

 

特にパリの人たちは、喋るスピードが速いと言われていて、パリジャン独特の発音があります。参考書とは違うんですよね。

実際、何を話しているのかさっぱり分からなくて、途方に暮れた日々が続きました(笑)。でもここでも、出来ない喋れないということに臆せず、それでも話す、自分の言いたいことを伝えるという、度胸を養っていくことに繋がっていった気がしています。

パリ生活のスタートした思い出の場所、サンマルタン運河!

 

これは大好きなサンマルタン運河。ここから私のパリ生活がスタートしたので、一番思い入れのある場所です。

 

初めてシャルル・ド・ゴール空港に着いたとき、タクシーでこの近くのホテルに向かったのですが、

あまりに体調が悪く、タクシーの中で半ば気を失っている状態でした(笑)。

 

目が覚めた時に最初に飛び込んできた光景が、きらきらした初夏の日差しを照り返すサンマルタン運河の木々と、パリジャンたちが日向ぼっこしながら談笑したり踊ったりしている自由でのびやかな光景でした。それは今でも目に焼き付いています。

 

私は毎年、初めてパリにやって来た日付近は、必ずサンマルタン運河へ行くように決めています。

初心に戻るじゃないけど、その時期にここへ来ると、ふっと背筋が伸びる気持ちになれるからです。

 

 

 

7年目を迎えて思うこと

パリに来た時は正直、大きな目標や夢があったわけではありませんでしたが、自ら進んで行動していくうちに少しずつその時やりたいことが現れてきました。

そして、その都度立ててきた一つ一つの目標を達成し、困難があっても乗り越えて来れたのは、応援してくれる家族の存在が一番大きかった。

 

それから、励まし合った日本に居る大切な友達。そして、ここで出会った全ての人たち。

たった一人で居るような気がしても、人は本当の意味で一人ではないのかもしれません。そして、自分の見えている世界がすべてではないということをほんの些細な出来事や触れ合いの中から教わった気がしています。

 

現在はフリーでお仕事をしていますが、この仕事を通して、人との交流や繋がりの大切さというのもひしひしと実感しています。

人は財産というけど、本当にそうなんだなあと。

 

日本とフランスで仕事をする際、働き方に大きな差はありますが、

人としての基本はきっと何処に居てもある部分は一緒だと思うのです。

 

それから、“コミュニケーション”ということの意味。

それを日本に居る時は考えもしなかったけど、ただ人と人の言葉の交わし合いだけではなく、

何を話したかよりも、心だったり、雰囲気だったり、思いやエネルギーだったり、笑顔だったりetc…

何を相手と交換したか、何を自分からその場で提示できたかが大切なのかなと思っています。

 

コミュニケーションについては、言葉の不自由な日々がずっと続いたからこそ培えた自分なりの哲学みたいなもので、経験に基づいた軸の様なものが自分の中で出来たことをありがたく思っています。

 

先のことは分からないけれど、でも今は確実に未来に繋がっている。これは、みんな一緒。

今出来ること、やりたいことを大切に、そして、パリの情報や魅力を、多くの人たちに伝えていきたいです。

 

そして、8年目に向けて、また一つ成長していきたいと思います!

 

今日は、ここで暮らしながら、いろんな人たちに向けて感謝の意味を込めて記事を書かせていただきました。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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