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友達の彼氏を好きになった時、あなたは一体どうしますか?【夏目かをるの最強女になる!vol.13】

  • 2018.6.29
Grapps

この悩みは読者がまだ生まれていないはるか彼方から、おそらく人類が言葉を使うようになり、人と人との間にコミュニケーションが生まれ、男女間の恋愛感情が盛んになって、恋をすることが当たり前のようになっていった頃から生じたものだと思われます。

つまり遠い昔から、「友達の恋人を好きになった」というのは、さほど珍しくないことなのです。

なぜなら、友達というのは、価値観を共有していたり、好き嫌いなどの感覚がぴったり合っていたり、趣味が一緒だったりなど、時間があっという間に過ぎてしまうような楽しい相手だからです。

もちろん正反対の性格ゆえに「面白い」という友達もいるでしょう。この場合の「面白い」は、自分にない感性によって、新しい発見が生じるということです。

このように感性が似ていたり、刺激し合うような関係なら、好きになるタイプも類似したりします。

だから「友達の恋人を好きになる」という恋愛事件は、繰り返しになりますが、よくあることなのです。

Grapps

でも私の周囲にはこれまでも、そして今でも「友達の彼氏を好きになった。どうしよう」という悩みを持っている女性はいないです。ひょっとしたら、誰にも打ち明けられず、心に秘めているからかもしれません。友達の恋人を好きになるという出来事が良くあることなのに、推測よりも件数が少ないのは、女性たちが自分の心に無意識に「友達の恋人を好きになるのはNO!」とストップをかけているからではないでしょうか。

とても魅力的な女性に出会うと、「友達になりたい」という気持ちと「きっと世界が違うから私とは合わない」という二つの相反する感情が生じたりしませんか。なんとなく敬遠してしまう原因の一つに、憧れの存在 の女性と一緒にいると、わくわくするような弾んだ気持ちに酔いながら、引け目を感じてしまうという劣等感が生じるからです。

さらに「魅力的な女性だから彼氏も素敵な男性に違いない」と思うと「この女性の恋人をひょっとして好きになるかも」という恐れを抱く可能性もあります。引け目を感じる女性の恋人を好きなったら、劣等感もさらに増えてしまいますね。こうして、素敵な女性は憧れる存在だけに留めておきたいというスタンスが生じます。

このケースは稀かもしれません。でも無意識に「友達の恋人を好きにならないようにしよう」と自己防衛を測っているのは確かではないかと思います。実は私もそうだからです。

私は友達になりたい女性の彼氏が好きなタイプかどうかを、自然にチェックしています。

友達や友達になりたい女性に、「彼って、どんな人?」と聞いてみます。ほとんどが自分のタイプではないとわかるとホッとします。好きなタイプが同じだとわかると、友達の彼氏のことには触れないようにします。私の心をざわつかせないために。

でもこれは私だけではないようです。ある友達と好きなタイプやら彼氏のことを聞くうちに、思わず私が「好きなタイプじゃなくて、良かった」と漏らしたら、友達も笑いながら「同感!」と言っていました。女の友情を阻む最大の要因は、友達の彼氏を好きになるということをお互いに知っているからですね。

もし、友達の彼氏を好きになってしまったら...

とはいえ、友達の恋人を好きにならないように、自己防衛を怠らなかったのに、うっかり友達の恋人を好きになってしまうこともあります。恋は意識してするものではなく、降ってくるもの。「してはいけない」という禁断の恋は、突然雷にあたったように感じ、心が燃えてしまいます。

では友達の彼氏を好きなったら、どうしましょう。

まず「恋愛か、友情か」の二者択一が目の前にあります。どちらかを選ぶしかないことになります。

でもどちらかを選ぶなどできないという人も少なくないでしょう。

ではこのテーマでヒットした咲坂伊緒さん原作のコミック「アオハライド」をお手本にしてみましょうか。「恋と友情」の問題で多くのファンを勝ち取ってきましたから、「アオハライド」から学ぶべきことがたくさんありそうですが、でもあくまでもこれはコミックの世界です。

言い換えると、少女漫画に欠かせないロマンチックと、現実逃避のファンタジーが合体している世界で、男女関係の複雑さとはまたちょっと違う風味になっています。友達の恋人が、自然にあなたを好きになるなんてことは、ありません。そこには男女の駆け引きがあり、友達の恋人とつきあう“略奪”の感情が渦巻いています。

大事なことは、略奪してでも、友達の恋人と恋愛したいのかどうかを決めることです。

もしどうしても彼と付き合いたいというのなら、全てを失う覚悟が必要です。

成功しても失敗しても、友達を失います。

略奪しようとしたあなたに、周囲は引いてしまって、孤独になるかもしれません。

でも、それでも彼が好きなら、これまで大切にしてきた全てをなくしていいという覚悟があるなら、それは一途な女心の現れです。その結果、夜叉とか人でなしと言われても、リスクを背負うつもりで突き進んでいけば、違い世界が見えています。

「人でなし」と言われても隠しようのない女の情念は、能の「葵上」に描かれています。このように日本人は女の情念を心のどこかで認めてきたわけです。

例え略奪という女の情念を選び、すべてを失ったとしても、あなたはきっと強くなるでしょう。私はそんな気がします。

(夏目かをる)

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