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不妊やガンの可能性も!? 生理痛と間違えやすい“子宮筋腫”の症状4つ

  • 2015.2.23

【ママからのご相談】

最近、生理じゃないときにも出血があり、病院に行ったら子宮筋腫だと言われました。検査とか治療とかいろいろ不安なので、どのようなことをするのか教えてください。

●A. 子宮筋腫の治療は症状と妊娠の希望にそって決められます。

ご相談ありがとうございます。スチューデントドクターのひでくらてすです。

子宮筋腫は女性ホルモンであるエストロゲンに子宮の筋肉組織が過剰に反応し、子宮が大きくなってしまう病気です。婦人科疾患の中でも最も多い疾患で、月経困難や貧血を伴います。検査は子宮内の内診や超音波検査などを行い、治療方針は症状の有無や妊娠の希望の有無にそって決定されます。

厚生労働省の発表によると子宮筋腫の患者総数はおよそ10万人、婦人科疾患で最も多い病気ですが、症状がなく自覚していないという人はさらにその数倍はいると言われています。

●子宮筋腫の主な症状4つ

(1)過多月経……筋腫の充血や組織の圧迫により月経量が多く、月経の期間も長くなります

(2)月経困難……頭痛や腹痛、腰痛などが強くなります

(3)貧血……もともと女性は月経により貧血傾向にありますが、過多・過長月経によりその症状がさらに強くなります

(4)便秘・頻尿……子宮が大きくなることで、膀胱(ぼうこう)や腸が圧迫されます

子宮筋腫は発生する部位により粘膜下・筋層内・しょう膜下の3種類に分類され、筋腫が1か所だけではなくそれぞれの部位に多発することも多くあります。また、上記の症状は筋腫ができる部位によって出ることもあれば出ないこともありますが、子宮筋腫の約半数は無症状で経過します。

また、子宮筋腫があると受精卵の子宮内着床が障害され不妊になることがあります。特に症状がないのに不妊の検査をしたら子宮筋腫があった、というケースも聞かれます。

●子宮筋腫の検査と治療

子宮筋腫の検査では子宮内の内診や、超音波やMRIなどの画像検査を行います。治療は筋腫の大きさや部位、症状の強さや、今後妊娠の予定があるかなどを総合して考えます。その方針は大きく分けて以下の4つです。

(a)症状は特になし、または軽度の場合……経過観察

(b)症状あり、また近い将来に妊娠の希望がある場合……子宮保存療法(腹腔鏡や子宮鏡、または開腹による手術)

(c)症状あり、ゆくゆくは妊娠の希望もあるがすぐではない場合……薬物療法

(d)症状あり、今後妊娠の希望もない場合……手術による子宮の摘出

また全症例の約0.5%ですが、筋腫の増大の進行が早く悪性(がん)の疑いがある場合も手術による子宮の摘出が選択されます。

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ご相談いただいたお母さんも症状があるため、治療法は悩まれるかもしれませんね。この記事が少しでも参考になれば幸いです。

【参考リンク】

・子宮筋腫 | 日本産科婦人科学会(http://www.jsog.or.jp/public/knowledge/kinshu.html)

●ライター/ひでくらてす(スチューデントドクター)

関東の某大学医学部在籍中。映像制作や広告などの社会人経験を経た後、突然「医者になる」と路線変更を宣言。同僚や家族を驚かせる。現在は大学病院で実習中。

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