1. トップ
  2. 恋愛
  3. アカデミー賞ってそもそも何? 発表前に予想作品を解説付きでお届け

アカデミー賞ってそもそも何? 発表前に予想作品を解説付きでお届け

  • 2015.2.22
  • 871 views

とうとう日本時間2月23日(月)に発表が迫ったアカデミー賞授賞式! 今回のコラムでは、そもそもアカデミー賞とはなんぞやの説明から、受賞作品の大予測までをご紹介し、今年のアカデミー賞を2倍楽しむ方法をレクチャーしたいと思います。

■そもそもアカデミー賞授賞式って何?  

「アメリカ映画の健全な発展」を目的に、映画に携わったキャスト、スタッフを表彰し、讃えるための映画賞のことです。”オスカー”と呼ばれることもありますが、これは授与されるトロフィーがオスカー像であることからきています。

年間通して、数々の映画賞がありますが、中でもアカデミー賞は映画賞の最高峰と言われています。そのため、アカデミー賞開催時期は、映画関係者やファンが一年で最も興奮する時期と言われていますね。

受賞俳優は、一度の受賞で一生「オスカー俳優」と呼ばれるわけですから、崇高で、特別な賞であるわけです。対象作品は、授賞式の前年1年間にアメリカの特定地域で公開された作品で、全24部門に分けられて授賞されます。

アメリカの映画産業従事者の団体、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員によって無記名投票が行われ、投票数の多い作品が所定の賞を授与されるという流れです。

■「受賞確実!」と呼び声高い3作品をご紹介  

6部門でノミネート!『6才のボクが大人になるまで』

『6才のボクが、大人になるまで。』

11月14日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

©2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

PG12指定

以下6部門でノミネートされています。

作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、編集賞

ちなみに、本作はアカデミー賞の前哨戦と呼ばれるゴールデングローブ賞で、作品賞、監督賞、助演女優賞の3部門で受賞していて、アカデミー賞最有力候補の一つでもあります。

どんなお話?  

6才の男の子が、18才になって、親元から離れて大学入学するまでを描いています。両親が離婚したり、恋をしたり、初めてアルコールを飲んだり、母親に反感したり、一人の少年が成長し、自立するまでが描かれています。

 

どこがすごいの? 

ずばり、撮影技法です。少年を含む主演4人の成長を12年間に渡って撮影し、映画にしています。つまり、少年が6才から18才になるまで、同一キャストなのです。

子役と成長後の役にギャップがないのですよ。実際に12年かけて撮影しているので、少年以外の母親、姉、父親の老いや成長も非常にリアルです。回想シーンで、若作りした俳優が登場して違和感を感じまくることもない。

12年かけて同一キャストで演じさせた映画作品って他に類をみないようで、口うるさいアメリカの批評家の評価も非常に高く、撮影技術、編集が絶賛されています。

ここに注目! 

母親オリヴィア役のパトリシア・アークエットの名演技。髪を振り乱しながら、子供のためにと必死に働くシングルマザーを、時の流れにあわせてとてもリアルに演じています。

 

©2014 boyhood inc./ifc productions i, L.L.c. aLL rights reserved.

少年が6才から18才になるってことは、母親自身の人生も変化しているんですよね。出会いがあったり、別れがあったり、出世したり、老いていったり。この役者さん自身にも、12年間、色々あったんだろうな~と思いながら観るとさらに感慨深い!

ズバリ、受賞予想は? 

監督賞、助演女優賞だと予測!

12年間に渡って脚本を練り、撮影をし続けた監督と、母親を演じたパトリシアに軍配があがるだろうと予想します!

5部門でノミネート!『博士と彼女のセオリー』

『博士と彼女のセオリー』

©UNIVERSAL PICTURES

3月13日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

配給:東宝東和

以下5部門でノミネートされています。

作曲賞、脚色賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞

ゴールデングローブ賞では、主演男優賞、作曲賞の2冠を獲得しています。『6才のキミが大人になるまで』と比べ、1部門受賞数が少ないのですが、ゴールデングローブ賞で、有終の美を収めた作品はオスカーをとりづらいというジンクスがあるため、『6才の~』よりもアカデミー賞に近いのではと予想されています。

どんなお話?   

実在する理論物理学者スティーブン・ホーキング博士と元妻との出会いから別れまでを描いたラブ・ストーリー。元妻ジェーンの著書が原作となっています。

大学在学中に筋肉が萎縮し、全身が動かなくなってしまう難病「ALS」を発症した博士。志半ばで夢をあきらめようとする博士と、彼を尊敬し、応援する元妻ジェーンの男女を超えた人と人との関係が、実に美しく、心地よい作品です。

 

©UNIVERSAL PICTURES

どこがすごいの? 

スティーブン・ホーキング博士を演じた主演俳優エディ・レッドメインの演技力!

元気な姿から、徐々に病に侵され、最後は全身が動かなくなるという過程を実にリアルに演じています。「ALS」について相当勉強したのだと思いますね。とにかく彼の演技は素晴らしいです。

次に、脚本の見事さ。

冒頭、読んでいて気が付いた人もいるかもしれませんが、ジェーンは「元妻」です。恋愛映画でありながら、2人は離婚するのですね。それがわかっていても、この映画を美しい、素晴らしいと心から思えるのは、2人が出会ってから夫婦となって別れるまでの展開をじっくり、描いているから。

途中で、W不倫みたいな状況に陥るのですが、博士とジェーンはドロドロの離婚劇は繰り広げません。気持ちが離れていくことは、不倫でも浮気でもない。互いに尊敬しあって、愛し合っているからこそ、別れを選択するのです。

視聴者は、2人の若き日から年老いていくまでを見てきたからか、2人の選択をすっと受け入れられるのですね。結局離婚しても、ハッピーエンドだと視聴者が納得できる恋愛映画であるところが脚本のすごさですね。

ここに注目!

前にも述べましたが、博士を演じる主演エディ・レッドメインの演技力です。あとは、博士とジェーンの間にある「愛」に酔ってほしい。2人の愛は、見苦しくなく、とても心地よい。男と女を超えた、人間同士の深い絆を感じますね。

ズバリ、受賞予想は? 

脚色賞、主演男優賞だと予測!

エディ・レッドメインの名演技と、2人の愛を描いた脚色に軍配があがると信じたい!

最多8部門にノミネート!『グランド・ブダペスト・ホテル』

グランド・ブダペスト・ホテル〔初回生産限定〕  

ブルーレイ発売中 ¥4,752(税抜)    

20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン

©2014 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

以下8部門でノミネートされています。

作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞    

ゴールデングローブ賞では、ミュージカル&コメディ部門で作品賞を受賞。

アカデミー賞では、最多8部門にノミネートされていて、過去最高のオスカー像をゲットするのではないかと注目されています。

どんなお話?   

「グランド・ブダペスト・ホテル」というホテルが舞台。時代が2構成で、1930年代と1960年代のホテルが描かれています。

1960年代、すっかりさびれてしまったホテルにいるのは、オーナーのゼロ。一人の作家が、彼に、どのようにして貧しい移民から大富豪になったのかを尋ね、若かりし日の冒険劇をゼロが話しはじめるところから物語はスタート。

©2014 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

ここから時代は1930年代に移り、ゼロが、ベルボーイとしてホテルで働き始め、凄腕コンシェルジュ、ムッシュ・グスダヴに出会い、突然、殺人容疑をかけられたムッシュの無実を証明するために、

2人でヨーロッパを駆け巡った話が描かれていきます。

残酷なシーンあり、ちょっぴりお色気シーンありなアドベンチャー映画です。

どこがすごいの?  

音楽、衣装、セットなどへの徹底したこだわり。

「グランド・ブダペスト・ホテル」ワールドにどんどん引き込まれます。

ゼロとムッシュが出会って、ムッシュが殺人容疑をかけられて、

逮捕されて、脱獄してと、みるみる内に展開していくのですが、

そのハイテンポさに胸が躍らされます。

音楽の使い分け、ホテル従業員の衣装、ホテルの華やかさ、目に入るすべてのものに遊びがあって、まるで遊園地にきたようなアドベンチャーさがあります。

画の見せ方に広がりがあって、観客を楽しませる仕掛けがうまいと思います。

ここに注目!

本作は、ドラマとコメディがあわさった「ドラメディ」というジャンルの映画です。ドラマとコメディの要素がバランスよく組み込まれていることがこのジャンルの特徴で、どちらにもよりすぎず、絶妙なバランスで保たれた映画です。

ドラマであり、コメディである。こう思って観ると、違った見方ができるかも?

あと、できれば映画館で観てほしいです。画の広がり、音楽、セット。「グランド・ブダペスト・ホテル」ワールドは、

やっぱり大型スクリーンで観てなんぼ!だと思います。

ズバリ、受賞予想は?

美術賞、衣装デザイン賞、メイクキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞だと予測!

目に入るものすべてが美しいので、ちょっと多いですが、この4部門で受賞する!期待をこめて!

これで、アカデミー賞を2倍楽めるはず。あなたは、どの作品に一票投じたい?気になる結果は、日本時間2月23日(月)。予想が外れたらごめんなさい!

Text Haruka Ito

の記事をもっとみる