人間離れしたパフォーマンスの秘訣。世界最高レベルの柔軟ボディをキープするメンテナンス術って？

人々に驚きと感動を与える作品を上演し続けているシルク・ドゥ・ソレイユ。現在東京ではシルク創設30周年を記念して制作された特別作品「キュリオス」が上演されていますが、超人的なパフォーマンスを見せるアーティストたちが普段どのように自分の肉体を管理しているのかは気になるところ。

そこで今回はシルク・ドゥ・ソレイユの作品中でも特に人気の高い演目「コントーション」を担当し、“世界最高レベルの柔軟ボディ”を持つアーティストIMIN TSYDENDAMBAEVA（イミン・チデンダンバエヴァ）さん（以下、イミンさん）に日々実践しているボディメンテナンス術を教えてもらいました。

シルク・ドゥ・ソレイユでも特に人気の高い演目「コントーション」とは？

「コントーション」を簡単に説明すると、人間の身体の柔軟性に極限まで挑戦し、自由自在に体を曲げて行う演目のことで、「キュリオス」の作品中では“機械仕掛けの手”の上で複数名のアーティストチームが人間ピラミッドを展開します。

そして、この人間ピラミッドを担う内の１人がイミンさんです。

▲７歳のときにコントーショニストを目指してサーカス学校に通い始めたというイミンさん。卒業後はコントーショニストとして世界中を旅しながらキャリアを積み、2010年に幼い頃からの夢であったシルク・ドゥ・ソレイユに入団した

それでは早速、イミンさんが普段から行っているメンテナンス術をチェックしてみましょう。

柔軟性と力強さを兼ねそろえたストレッチとトレーニング

イミンさんによれば、「コントーション」を演じる上で必要なのは「柔軟性だけでなく、自分の身体をピラミッドの上へ上げる“筋力”、微妙に動くピラミッドの上でバランスをコントロールするための“体幹の強さ”」とのこと。つまり柔軟性と力強さの全体的なコンビネーションが大切で、ストレッチとともに筋トレも日々しっかりと行っているのだそう。

そしてパフォーマンス後も「気分のリフレッシュも兼ねて必ずストレッチをしてアフターケアを怠らない」と明かしてくれました。

また、パフォーマンスをより美しく見せるためにはスタイルキープも欠かせませんが、「パフォーマンスをしない休日でも、ホットヨガやピラティスなどで少しだけでも体を動かすことを心掛けている」というイミンさん。

昼寝をする時間を設けたり、週１～２回はシルク内でマッサージなどのメンテナンスを受けたりと“体を休める”こともしているようですが、それ以上に“日々体を動かすこと”こそ心身ともに健康なコンディションとスタイルをキープする上で重要であることが窺えます。

最高のコンディションを維持するための食事ルール

そしてトレーニングやボディメンテナンス以外でも、パフォーマンス時にしっかりと自分の力を発揮できるように「しっかり食べることも大切にしている」と語るイミンさん。ただし本格的な食事ではなく「３～４時間おきに“少量をこまめに食べる”こと」をマイルールにしているそうです。

食べるものもナッツや野菜やフルーツ、そしてチキンや卵や魚などカロリーを抑えて高タンパクのバランス良い食事を摂ることを心がけているそうで、食事をする時間が充分に取れないときも好物のグリーンスムージーを飲むようにして「自分が決めた食事のリズムを崩さないようにしている」と教えてくれました。

今回のインタビューを通してイミンさんは「ストレッチをしたり、昼寝をしたり、良く食べたりと、私がしていることはシンプルそのもの。複雑なことは何もしていない」と繰り返し語ってくれましたが、体型やコンディションのキープ、そして高いパフォーマンスを常に発揮できるよう“高い意識”を持って自分の体を管理していく大切さが十二分に伝わってきます。

私たちも休日にはジムやヨガ、ランニングなどで体を動かしてみたり、バランスの良い食事を摂ることはもちろん、どんなに忙しいときでも工夫して食事のリズムを崩さないようにしたりと、ぜひ参考にしたいところです。＜text：Hiromi Anzai photo：本城直季（Naoki Honojo）＞

『ダイハツ キュリオス』東京公演

Photos: Martin Girard, Pierre Manning / shootstudio.ca © 2014 Cirque du Soleil

公演期間：2018年7月8日（日）まで 会場：お台場ビッグトップ 問：インフォメーションデスク 0570-020-520（オペレーター対応：10時〜18時） http://www.kurios.jp ※東京公演終了後、大阪・名古屋・福岡・仙台でも開催！