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親らしいことができず、子どもに苦労をさせてばかり。母親失格です【心屋仁之助 塾】

  • 2018.5.17
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メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもに苦労させてばかりで、母親失格です」という、かおぽんさん(43歳・派遣社員)に、心屋塾上級認定講師の小野美世さんからアドバイスをいただきました。

© stokkete - stock.adobe.com

■かおぽんさんのお悩み

10年前に離婚をし、二人の子どもを育ててきました。長女は温和で優しくてしっかり者です。高校卒業後、1年間働いたお金をためて現在は短大へ進学し、実習でも褒められているようです。

私は彼女に今まで何ひとつ「親らしいこと」をしてあげられませんでした。お金にも苦労し、かわいそうな思いばかりさせてきました。成人式も彼女が自分ですべて支度し、私を食事へ招きました。私は親として恥ずかしく、一緒に写真を撮ることも、食事も断ってしまいました。娘は「一生の思い出だから来て!」と泣いていました。

この先、車の免許も取らせてあげたいし、就職祝いもしてあげたいし、結婚祝いも……。苦労をさせた分、幸せになってもらいたい気持ちはあるのに、今も金銭的には自分と長男が生きていく分でやっとです。やがては長男にも同じ思いをさせてしまうであろう恐怖に、最近は「いなくなりたい」と思う日も。自分の価値をちっぽけに感じ、何をしても楽しくなくなりました。

どのように気持ちを切り替えて頑張ればよいかがわかりません。子どもを愛しているのに。母親失格です。

※一部、質問内容を編集しています。

■心屋塾上級認定講師の小野美世さんより

かおぽんさん、初めまして。心屋塾認定講師の小野美世です。

ご相談ありがとうございます。離婚されて10年、二人のお子様を育ててこられたのですね。

読ませていただいて、娘さんは、かおぽんさんのことをとても好きなのだなと思いました。温和でやさしく、しっかり者に成長され、自分で希望して選んだ道を、自分にできる資金の計画をして楽しく進んでいる。そして、これまでずっとお世話になったお母さんへの感謝を伝える場を自分で計画され、かおぽんさんを招待された…。

かおぽんさんが「お母さん」としてお子さんたちの心にいつもいたから、娘さんはこのようにすてきに成長されたんだなあと感じました。

「今まで何ひとつ親らしいことをしてあげられなかった」と書いてくださっています。

かおぽんさんが家計を担われていたとすれば、仕事でお子さんたちの側にいてあげられる時間は短かったのかもしれません。「普通の家庭なら、もっとこういうふうにしてあげられるはずなのに、私にはそれができない」というつらさも常に感じておられたのかもしれません。

「親らしいこと」って、なんでしょうか。

広い家に住まわせることでしょうか。毎日立派な食事を作ることでしょうか。子どもが欲しがるものを、不自由なく買い与えることでしょうか。周りの子と同じような習い事をさせることでしょうか。

確かにそういうことも必要なのかもしれません。かおぽんさんは「自分は、娘さんの愛情を受け取るに値しない」と思っておられるのかもしれません。

でも、食事会への招待をお母さんに断られた娘さんは、

「お母さんは、私のことが好きじゃないんだな」
「お母さんは、私と一緒に楽しい時間を過ごしたくないんだな」

と、思ってしまうかもしれませんね。私も母親にプレゼントを快く受け取ってもらえなかったときに、そう感じた経験があります。

「何もできなかった」と思っている自分のまま、娘さんからの感謝を受け取ってみてはいかがでしょうか。

「何もできなかった」と思っているのは、かおぽんさんだけ。子どもにとっては、親は「そこにいてくれるだけでいい」ものです。お母さんが家にいてくれるだけでいいのです。その存在だけでいいのです。

「いいえ、私は仕事で子どもたちのそばにいられなかった」とおっしゃるかもしれません。でも、かおぽんさんが仕事で家にいない間も、子どもたちの心のなかにはいつもお母さんの存在があっただろうと思います。

それで十分なのです。それが十分、親らしいことなのです。そして、「私はこんなにできなかった」とご自身を責めたり、愛してるのに素直にその気持ちを表せなかったり。そういったことも「親らしいこと」ですよね。かおぽんさんは、十分、母親らしい素敵なお母さんです。

かおぽんさんにプレゼントしたい言葉は次の通りです。

「私十分、いい母親だったらしい」
「私がいるだけで、子どもたちは幸せ」
「今度は自分が受け取ってもいい」
「なーんにもしていないけど、受け取ってもいい」

娘さんにとっては、車の免許や就職祝いなどの「この先の経済的な支援」よりも、「今ここにお母さんが自分と一緒にいてくれること」のほうがうれしいはず。

ご自分を少し、許してみてください。そうすれば、息子さんのときにもまた同じようになるのではないか…という恐怖も和らぐはずです。これからは、お子さんたちに助けてもらってくださいね。応援しています。

・このカウンセラーのブログ http://ameblo.jp/miyo1cafe/

(編集/外山ゆひら)

(小野 美世)

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