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国内トップの天才外科医、家に帰ると【ゴミ部屋】…リアルで人間らしい医師の「当直あるある」【漫画】

  • 2026.10.1

職場では周りに頼られ、しっかり者で働き者の自分。でも家では洋服の山とゴミの山に囲まれた部屋で生活している自分。どちらも地続きの自分だが、そこには見えないスイッチがあって、気づかぬうちに気の張り方も人への接し方も違っているのかもしれない。オンとオフ。オモテとウラ。使い分けていない人なんて、この世にいるのだろうか。

あまめのこし氏が描く『おつかれさまです、榛原さん』は、過酷な医療現場で働く医師が神様のような特別な存在ではなく、私たちと同じ悩み多き人間であることを改めて認識させてくれる作品だ。

主人公の榛原あおい(はいばら・あおい)は、手術件数、術後成績ともに国内トップの心臓血管外科医。卒後11年目の中堅医師として同僚の医師や看護師、患者からの信頼も厚く、周囲からは天才外科医と言われる憧れの存在だ。

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出典:『おつかれさまです、榛原さん』【一話】榛原あおい、心臓血管外科医。(pixiv)

一方で、仕事に全振りで私生活を整えられず、プライベート置き去りなゴミ部屋で暮らしている現実も…。自伝本の制作を通して売れっ子装幀家・梶良太と出会ったことをきっかけに、榛原は少しずつ自分と向き合い始める――。

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出典:『おつかれさまです、榛原さん』【一話】榛原あおい、心臓血管外科医。(pixiv)
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出典:『おつかれさまです、榛原さん』【一話】榛原あおい、心臓血管外科医。(pixiv)

過酷な医療現場において、時間的にも精神的にもプライベートを充実させる余裕は無い。榛原のような外科医にとってはなおさらだろう。なぜプライベートを犠牲にしてまで頑張ってしまうのか。それは、自分の仕事が患者の生死に直結するからに他ならない。今医療現場で働いている医師たちは、目の前の患者を救いたい一心で働いている。

しかし、医師たちも人間である。お腹は減るし、ご飯も食べるし、睡眠を取らないと死んでしまう。このマンガは、そんな「完璧」と呼ばれる外科医が置き去りにしている本心を描くヒューマンドラマだ。

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出典:『おつかれさまです、榛原さん』【番外編】心臓外科当直あるある+落書きlog(pixiv)

番外編では、オペ中に救急外来から別な患者の手術要請が来る。深夜1時の仕事にしては重すぎるが、今手術しなければ助からない。営業時間など関係なく、事件・事故・病気は、なんの前触れもなくやってくる。

そんな状況に榛原は迷うことなく応えようとする。そして、榛原をはじめ、他の医師や看護師たちスタッフみんなで支え合いながら夜勤業務を乗り切る「当直あるある」な姿が描かれる。

緊急事態に備え、いつ誰が来てもいいように準備するのが医療スタッフの仕事、と言えばそこまでだが、自己犠牲の上でそんな生活を続けたら、どんなに強い心を持った人でも心身ともに疲弊していくだろう。

医療スタッフも人間だ。楽しみにしているドラマがあるかもしれないし、彼氏との約束があるかもしれないし、子どもが家で待っていることだってあるだろう。それらを犠牲にして乗り越えられる人にしかできない仕事ではなく、働き続けられる医療機関であってほしい。そんなことを考えさせられる。

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出典:『おつかれさまです、榛原さん』【番外編】心臓外科当直あるある+落書きlog(pixiv)

そして、疲れている時ほどポテチや菓子パン、カップ麺など身体に悪そうなものを食べたくなってしまう心理も共感しかない。カッコいい医師像だけではない、リアルで人間らしい医師の姿が描かれているのもこの作品の魅力だ。

医師も人間。それは当たり前のことだ。でも、享受される医療サービスはどうだろう。あって当たり前と思っている人は多いのではないだろうか。その医療サービスが、誰かのプライベートの犠牲の上に成り立つサービスであり、当たり前ではないことを、しっかり心に留めておきたい。

 


あまめのこし
2024年9月に『おつかれさまです、榛原さん』の読み切り版をpixivに投稿し、翌2025年4月から連載を開始。本作は2025年4月の「pixivマンガ月例賞」で大賞を受賞した。普段は社会人生活を送りながら漫画制作に取り組んでいる。趣味は、読書、映画、乗馬、観劇。

・ブログ
・作品:『おつかれさまです、榛原さん』



 

▶『おつかれさまです、榛原さん』番外編を第一話から読む

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