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大人が意外と解けない算数「35×35」→暗算で解ける?

  • 2025.7.2
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効果的に計算を行うための思考法が集約された「インド式計算法」をご存じですか。

「インド式計算法」では、計算式ごとにパターン分けをして計算を行いますが、一度やり方を覚えてしまえば、計算力が飛躍的に向上します。

今回はその中でも、簡単に覚えられる計算方法をご紹介します。

問題

次の計算を暗算で行いなさい。
35×35(35の2乗)

普通に計算しようとすると、暗算ではやや難しく感じるかもしれません。

しかし、「インド式計算法」を使えば、簡単に答えを求めることができます。

さっそく、答えを導き出してみましょう。

解説

今回の問題の答えは「1225」です。

インド式計算法では、次のようにして計算します。

ここで紹介する方法は、「◯5の2乗」の計算に使えるテクニックです。
※「二桁で一の位が5の数」を2乗する計算方法です。

今回は「35×35(35の2乗)」の例を見ていきましょう。

【手順1】
十の位の数と、それより1大きい数を掛け算します。
「35×35」の場合は、「3」と「3より1大きい数(4)」を掛けます。
(3×4=12)

【手順2】
一の位の数(5)を2乗します。
(5×5=25)

【手順3】
手順1と手順2で求めた数字を並べると、答えになります。
(12と25なので、1225)

とても簡単に計算できましたね。

この「◯5の2乗」という形の計算は、すべて同じ手順で解くことができます。

すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、「◯5」を2乗すると、その答えの下二桁は必ず「25」になります。

15の2乗=225
25の2乗=625
35の2乗=1225
45の2乗=2025
・・・

つまり、実際に計算が必要になるのは、百の位や千の位の部分だけというわけです。

そしてこの部分も、簡単な九九で求められます。

計算法が成り立つ理由

ここでは、この計算法がなぜ成り立つのか、数学的に証明してみましょう。

そのために使うのが、以下の展開公式です。

展開公式
(a+b)^2=a^2+2ab+b^2

今回のように、二桁で一の位が5の数を2乗する場合、

(10a+5)^2

という形になります。(十の位がa)

これを展開公式に当てはめて、式を変形してみましょう。

(10a+5)^2
=(10a)^2+2×10a×5+5^2
=100a^2+100a+25
=100a(a+1)+25

a(a+1)の部分が、【手順1】で行った計算に該当します。
そして100が掛かっているため、ここが百の位や千の位になります。
また、下二桁が必ず「25」になることも、この式から確認できます。

まとめ

「インド式計算法」の中には、少し手順が複雑なものもありますが、今回紹介した方法はとてもシンプルで覚えやすいものです。

うまく活用すれば、計算のスピードをさらに高めることができますので、ぜひ試してみてください。

※当メディアで紹介する数学関連の解説には、複数の解法が存在する場合があります。
本記事ではそのうちの一例を紹介していますので、あらかじめご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」