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「よくこんな映画作れたな…」「観ていられない」“残虐すぎる脚本”に国会まで騒然…だけど“大ヒット”を叩き出した衝撃の問題作

  • 2025.6.23

観る人の心に深い感動や共感、時には衝撃や苦悩をもたらすような作品が邦画には多くあります。今回は、そんな“感情を強く揺さぶる”邦画5選をセレクトしました。

本記事では第3弾として、2000年公開の映画『バトル・ロワイアル』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“感情を強く揺さぶる”邦画『バトル・ロワイアル』

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(C)SANKEI
  • 作品名:『バトル・ロワイアル』
  • 公開日:2000年12月16日

あらすじ

高見広春さんの同名小説を原作に、深作欣二さん監督、深作健太さん脚本で実写映画化。

崩壊した新世紀の日本。子どもたちの暴走を恐れた大人たちは、新世紀教育改革法・通称“BR法”を施行します。それは、全国の中学校からランダムに選ばれた1つのクラスを無人島に送り込み、最後の1人になるまで殺し合わせるという狂気のデスゲームでした。

今回の対象となったのは、修学旅行でバスに乗っていたはずの香川県城岩学園中学3年B組の生徒たち。催眠ガスで眠らされ無人島に連れてこられた彼らは、元担任のキタノ(ビートたけし)によって、BR法に選ばれたことを告げられます。半信半疑な生徒たちの見せしめとして2人のクラスメイトが殺害されると、生徒たちは“BR法”の恐ろしさを痛感することになるのでした―。

映画『バトル・ロワイアル』の見どころ※ネタバレあり

本作の最大の特徴は、中学生たちによる命を懸けたサバイバルゲームという衝撃的な設定です。最後の1人になるまで殺し合いを強制されるという、過激で非道な展開は多くの方に強烈なインパクトを与えました。あまりの残虐さに「よくこんな映画作れたな…」「観ていられない」という声も一部見受けられました。

一方で、殺し合いの裏に隠された人間の本性と社会への鋭い風刺を表現した深作監督の手腕に高い評価が集まりました。絶望的なゲームを通じて、人間の光と闇や善悪の境界線を問いながら、管理社会や大人たちの無責任さ、そして“ゆとり教育の失敗”といった当時の社会問題への痛烈な批判や風刺が込められています。作品を視聴した方からは「遠い存在だった死というものが、ぐっと自分に近づいた気がした」「完成度の高い作品」などの声が寄せられました。

社会問題を巻き起こした深作親子共作の大ヒット映画

“中学生が大人たちの指示で殺し合う”というショッキングでセンセーショナルなストーリーが、国会で議論されるほどの社会問題を巻き起こした映画『バトル・ロワイアル』。そんな本作の脚本を務めたのが、監督・深作欣二さんの息子である健太さんです。健太さんは、2024年12月16日に自身のX(旧Twitter)にて本作の公開当初の心境を次のように投稿しました。

上映の是非を巡って、国会まで騒がせていた。身内であるはずの東映上層部の目も厳しい。反対を押し切って製作した映画だからヒットしなければ、あとはない。
出典:X(旧Twitter)アカウント名:深作健太 Kenta Fukasaku、2024年12月16日投稿

結果、本作は日本での興行収入が30億円を突破し、世界でも高い評価を受けた映画となりました。

まだ映画『バトル・ロワイアル』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“単なるグロ映画に止まらないセンセーショナル作品”をぜひ目撃してみてください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です