中学1年生の数学で、負の数(マイナスの数)を学習します。
計算の順序はもちろんですが、マイナスの数をどのように計算するかは、注意をしていても間違えてしまうことが多いです。
今回はマイナスを含んだ計算に挑戦してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(−8)−(−5)×(−3)²
ひとつひとつの計算は、ほとんどの方が知っているはずです。
ただ、このように複数の計算を組み合わせると、途端に難しくなってしまいます。落ち着いて計算をしていきましょう。
さて、今回の計算問題の答えは+37です。
解説
今回の計算でまず注意しなければいけないのは「計算の順序」です。
①カッコの中を計算
②累乗の計算
③かけ算・わり算の計算
④たし算・ひき算の計算
カッコの中を先に計算するとか、かけ算・わり算を優先する、というのは大丈夫でしょう。
「②累乗の計算」というのは「◯乗」の計算です。実はこの計算はかけ算よりも先にしなければいけません。
今回の問題ではカッコの中に計算はないので、累乗の計算からです。
(−3)²の計算ですね。これも間違えやすい計算のひとつです。これは+9でしょうか、−9でしょうか。
2乗がカッコの外についています。つまり、−3を2回かけ算です。(−3)×(−3)=+9ですね。
もし−3²となっていれば−3×3=−9です。
(−3)²=+9
−3² =−9
計算式は似ていますが、答えは異なります。
次の計算は、かけ算です。(−5)×(+9)=−45
最後にひき算をしましょう。(−8)−(−45)。「マイナスの数を引く」という計算です。
「借金が減る」と考えるとイメージしやすいでしょうか。これは結果的にプラスですよね。
(−8)−(−45)=−8+45=37
以上の計算をまとめると、次のようになります。
(−8)−(−5)×(−3)²
=(−8)−(−5)×(+9)
=(−8)−(−45)
=−8+45
=37
マイナスの計算を習いたての中学生が混乱するのは、以下のような規則です。
(プラス)×(プラス)=(プラス)
(プラス)×(マイナス)=(マイナス)
(マイナス)×(プラス)=(マイナス)
(マイナス)×(マイナス)=(プラス)
4つ目の(マイナス)×(マイナス)=(プラス)は、「なぜ?」と思われる方も多いでしょう。
これはかけ算の規則性を考えてみましょう。
(−2)×(+3)=(−6)
(−2)×(+2)=(−4)
(−2)×(+1)=(−2)
(−2)× 0 = 0
(−2)×(−1)=(+2)
(−2)×(−2)=(+4)
(−2)×(−3)=(+6)
(−2)×(+3)=(−6)であれば、(−2)が3個だから(−6)ですね。かけられる数を1ずつ小さくすると、答えは2ずつ増えています。
さらに1ずつ小さくすると、同じように答えは2ずつ増えるはずですよね。
そうすると、(マイナス)×(マイナス)=(プラス)という結果が出てきます。
まとめ
マイナスの数というのは、日常生活でも意外と使うことが多い数です。気温、借金の考え、増減など。
しかし、計算するときはちょっと注意が必要! 間違えてしまわないように、この機会に復習をしてみてください。
文・監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」。
編集:TRILLニュース