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身体ナビゲーションVol.39「オキシトシンとドーパミン」

  • 2015.2.20
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

ごくごくわずかしか分泌されないのに体に大きな影響を与えるホルモン。今回はそのホルモンの中でも赤ちゃんや子どもの成長に大きく影響を与えるオキシトシンとドーパミンをみていきたいと思います。

●絆を強めるホルモン“オキシトシン”

オキシトシンは出産時に最も多く分泌されるホルモンです。実はこのオキシトシン、母乳の分泌を促進するホルモンでもあり、赤ちゃんがママのおっぱいを吸うとその刺激でママの脳からオキシトシンが分泌され、母乳の合成と分泌を促進します。

それと同時にオキシトシンがセロトニン神経を活性化させ、ママは幸せを感じるようになります。そのため、ママの赤ちゃんへの愛情が高まり母子の結びつきが強くなると言われています。

近年では母乳が出ないママでも赤ちゃんをしっかり抱いてスキンシップをとることでもオキシトシンが分泌されることも分かっており、また赤ちゃんは抱っこされ、母乳やミルクを与えられることで安心しストレスが解消されます。

しかし、オキシトシンは強い不安やストレスを感じると分泌が抑制されてしまうので、ママはゆったりした気持ちで赤ちゃんをいっぱい抱いて、目を見つめ、声をかけて抱きしめるほどに赤ちゃんに対する愛情が深まるといわれています。

●やる気ホルモン“ドーパミン”

好きな人が目の前にいるだけで顔が赤くなったり、心臓がドキドキした経験のある人も多いと思います。実はこれ、ドーパミンの働きによるものなのです。ドーパミンはあらゆることのやる気や原動力につながっていて、「うれしい」「楽しい」といったポジティブな感情も生み出しています。

ドーパミンは脳幹にある腹側被蓋野にあるドーパミン神経から分泌されるホルモンで、気持ちを前向きにしたり、行動力を高めたり、達成感や満足度をもたらすため、“やる気ホルモン”と呼ばれています。ドーパミンによって“やる気”が起こると、目標を達成するために、行動し結果(ごほうび)が得られます。

するとその達成感や満足感がさらにドーパミンの分泌を促進します。これを“やる気サイクル”とか“ドーパミンサイクル”といいます。

例えば、子どものやる気を引き出したいときであれば、「頑張ってるね」「すごいね」といった褒め言葉を投げかけると、それが子どもにとってはご褒美となり、ドーパミンの分泌が促進され、勉強などのやる気が出てきて、その結果学力の向上につながり、またドーパミンが分泌されるといういいサイクルが出来上がってきます。

また恋をすると美容やダイエットといった自分磨きに頑張れるのも、このドーパミンの影響によるもの。“恋をするときれいになる”にもホルモンが一役買っているのですね。

●生活がマンネリではドーパミンが分泌されない!?

ドーパミンは行動パターンを変えたり、普段と異なる刺激を受けたりすることで分泌量が増えます。例えばセミナーに行って学習をするといった“いつもと違う行動”をしたことでドーパミンの分泌量が一時的に増えても、その後の生活がいつもと同じパターンだと、ドーパミンの分泌量が低下し徐々にやる気が低下してしまいます。これは経験された人も多いかと思います。

●ドーパミンを増やすポイント3つ

●(1)いつも目に入る位置に叶えたい夢リストを貼る

目標を書いたときに、実際それを達成しているところを想像すると、まだその願望が達成していないにもかかわらず、ドーパミンが分泌されてワクワクするというような快楽を得ることができます。その状態になると、“やる気”→“行動”→“結果が出る”→“さらにやる気が出る”といったドーパミンサイクルと作ることができます。

●(2)クラシック音楽を聴く

クラシック音楽の中でもモーツァルトの曲にはドーパミンを増やすα波がバランスよく含まれているといわれています。

●(3)カカオを含む食材を取る

チョコレートやココアなどに含まれるカカオには、ドーパミンの分泌を促す働きがあるといわれています。

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ついワンパターンになりがちな日常に少し工夫をすることで、ワクワクしたり幸せを感じられるので、チャレンジする価値はあると思います。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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