1. トップ
  2. 恋愛
  3. 新型うつと関連が!? “イイ子症候群”であり続けた人の将来とは

新型うつと関連が!? “イイ子症候群”であり続けた人の将来とは

  • 2015.2.11
  • 1107 views

【パパからのご相談】

好きなこと、将来の夢がない息子が心配です。小学4年生の長男は親の目から見ても、とても出来のいい息子です。学校での勉強や行事ごとはもちろん、小学校入学頃から始めさせた習い事も文句を言わず通っています。

ところが最近、学校のどの授業も、また習い事も、楽しいと感じていないと本音を漏らしました。それどころか、好きなことはないから将来の夢もないというのです。これまで夢は公務員と言っていましたが、大人がそれを聞いて笑うので冗談を言っているのかと思っていました。さまざまなことに興味を持ち、積極的に楽しむいい息子だと自慢に感じていただけに、大変ショックです。

●A. 親や教師から見たイイ子は、本当に“イイ子”なのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

“イイ子症候群”をご存じでしょうか?

親や教師の顔色を伺い、いつもイイ子に、大人が喜ぶであろう行動をする子どもたちのことを指します。大人にしてみれば、“とてもイイ子”に見えるのですが、その実は“イイ子でいることで大人の注意を引き、好きでいてもらえる”という原動力で動いているわけです。次第に自分自身の気持ちが見えなくなり、素直な感情表現もできなくなってしまうといいます。

教育評論家として、またテレビでは尾木ママとして有名な尾木直樹さんが呼び始めた言葉なのですが、ご相談者様のお子様はこの状態に少し近い印象を受けました。

●新型うつとは

2012年5月、NHKハートネットTVでは、『シリーズ“新型うつ”にどう向き合うか(1)翻弄される企業と若者の苦悩』が放送されました。

NHKが上場企業2,200社に行った調査結果として、65%もの企業が、「新型うつ(現代型うつ)の社員がいる」と答えたことに触れ、新型うつに悩む若者と、その企業の実態や問題を紹介しました。

新型うつ(現代型うつ)は比較的最近耳にすることの増えた病気ですね。

【新型うつの特徴3つ】

・1……仕事中に症状が出るが、それ以外では元気

・2……何か悪いことが起こると、自分以外の人のせいにする

・3……過食や睡眠時間が長くなるケースもある

など、従来のうつ病とは異なる点が多く、また、「怠けている」「甘えている」と思われがちです。しかし、新型うつも病気の一つですので、きちんとした対応が必要だと言われています。

●新型うつの原因が親子関係であるケースも

番組内でとても興味深かったのは、新型うつの原因に親子関係が関わっていることがあるというものです。

新型うつによる度重なる離職・転職に悩む若い女性は、カウンセラーからの助言によってその原因の中に母親がいることを知りました。

仕事を辞めることで母親から怒られてしまうことを、彼女は必要以上に恐れていたと言います。彼女の母親は、わが子にたくさんの習い事を勧め、進学・就職に関わるさまざまな物事に関わり、彼女よりも先に決定していたのだそうです。また、その母親の希望に応えるように、娘である彼女はそれらをこなし、“イイ子”であり続けようとしました。そのうちに、自分自身で物事を決めることや柔軟性を失ってしまったのです。

同時に、いつも“イイ子”であり続けた彼女は、社会に出てから注意されたり怒られたりすることにも耐性がなかったといいます。そのため、入社後間もなく退職をしてしまいました。その後アルバイトを転々としますが、同じ理由で長続きはしません。

このような状況を打開できたのは、母親との関係の変化です。

親子で買い物をしたとき、「店員さんがお釣りを間違えた。態度も悪かったしムカツく。万引きでもしてやろうかな」という娘の言葉に、母親は意外にも、「自分も同じような気持ちになったことがある」と話しました。

このやり取りの中で、彼女は、「お母さんだって、全てが正しいわけじゃないんだ」と感じ、誰しもが間違うことがあるということを理解できたそうです。

●お子様を正しく褒めてあげましょう

ゲストとして出演した尾木直樹さん(尾木ママ)さんは以下のようにおっしゃっています。

『こうした“イイ子症候群”の学生さんが今とても増えています。非常に感受性が強く、頭の回転がいい子ほど、お母さんのちょっとした表情を読み取る能力が高いのです。すると、「母親はこうやると喜ぶな」と先読みしながら、親好みの人間になってきます。“イイ子”をやっていると、自分らしさ、自分が本当にそう思ったかどうかという、自分の感情がなくなっていきます』

お子様は本当に“イイ子”なのでしょうか? イイ子を演じ、大人に嫌われまいと必死になっているのかもしれません。そもそも、イイ子って何なのでしょう? 実像のないイイ子を目指し、育てるのは親子ともに悲しいことにも感じてしまいます。

「こんな子どもであってほしい」という理想を押し付けるのではなく、お子様の好きなこと、得意なことを褒めてあげてください。

「走るのが早いんだね、すごいね」「絵を描くのが上手だね」

単純な褒め言葉に感じるかもしれませんが、得意な科目や好きな分野は褒められて好きになることがスタートなのではないかと思います。

(ライタープロフィール)

木村華子(ママライター)/第一子出産を皮切りに、20代後半のほとんどを妊婦生活で過ごす。自然分娩で生まれてくれた長男の後、胎盤剥離や卵管結紮など、出産での様々なトラブルやアクシデントを経験。現在は日々慌ただしい育児で経験値更新中。3人の子供達と、何考えてんのか分からない旦那様、そして自分を含めた5人の胃袋を満たすため、家事の傍らライター業をはじめました。ガーデニング、家庭菜園、料理、絵、カメラ、お酒、あとは裁縫編み物手芸工芸と、手当たり次第に手を出すチャレンジャー(飽き症)。「お母さんが楽しくないと、楽しい家庭にならんでしょ!」をポリシーに、今日も楽しく育児しています。

の記事をもっとみる