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年金だけじゃ足りない!? 平均寿命と老後にかかる生活費のポイント3つ

  • 2015.2.3
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【ママからのご相談】

夫がサラリーマンの専業主婦です。よく老後の生活費が年金だけでは足りないという話を耳にします。老後の生活費はどのくらいかかるものでしょうか。また年金はどのくらいもらえるのでしょうか。いくらくらい貯めたらよいのでしょうか。検討がつかなくて、不安です。

●A. 平均的な老後の生活費と、もらえる年金を把握してみましょう。

ご相談ありがとうございます。ファイナンシャルプランナーの常磐麗奈です。

将来の見通しがたたないというのは、不安ですよね。

今回は、もし健康で平均的な寿命を生きている場合に、生活費にいくらかかるか、そしていくらお金が足りないかを考えてみたいと思います。

●平均寿命と、老後の平均的な生活費

平均寿命……男性80.21歳、女性86.61歳(2013年厚生労働省調査)

夫婦2人の生活費……27万円(平成25年総務省家計調査)

●お金に関する疑問3つ

●(1)年金はいくらもらえるの?

年金は、年収や加入期間によって変わりますが、厚生労働省の試算したモデル世帯、夫の手取り月給(ボーナス込の年収を12で割ったもの)34.8万円、専業主婦、40年加入、で試算した年金受給額は現在、基礎年金が夫婦で12.8万円、厚生年金が夫9万円の、21.8万円となっています。

30年後の給付額は、経済が順調に拡大していれば30万、現状維持なら21万、低迷していれば17万、との試算が出ています。(平成26年度厚生労働省財政検証)

●(2)退職金はいくらもらえるの?

厚生労働省の平成25年就労条件等調査結果の概況から、退職者1人平均退職給付額は大卒定年退職で1941万円です。

●(3)老後生活費の不足額はどのくらい?

昭和36年以降生まれの男性と、昭和41年以降生まれの女性の老齢年金支給開始年齢は65歳からですので、30代の方は65歳まで働き、それ以降年金暮らしを始め、夫婦それぞれ平均寿命まで生きるとして試算してみます。

使う数字は、財政検証の1番条件の悪い数字である17万円を年金受給額として使用します。

(a)夫80歳までの収支

収入……年金17.8万円×12か月×15年=3,204万円

生活費……27万円×12か月×15年=4,860万円

(b)夫死別後、妻86歳までの収支

収入……年金(基礎年金5.25万+遺族厚生年金5.475万(夫の老齢厚生年金の3/4)=10.725万円×12か月×6年=772.2万円

生活費……27万円の6割程度とすると、16万円。16万×12か月×6年=1,152万円

(a)+(b)で、上記平均退職金も加味して収支を計算すると、

収入(3,204万円+772.2万円+1,941万円)=5917.2万円

支出(4,860万円+1,152万円)=6,012万円

合計……マイナス94.8万円となってしまいます。

●年金や退職金はもらえる額が変わります

経済状況で年金のもらえる額は変わりますし、会社の業績によって退職金の額が変わることもあります。転職するかもしれません。よって、全てを現状の制度頼みにしていては安心できない状態だということがわかります。

●早めに、コツコツ積み立てましょう

一般的な数字を利用してみることで、老後について少しイメージしやすくなるのではないでしょうか。若いうちからコツコツと積み立てることは、老後が近づいてくるころに大きな安心感につながるでしょう。

【参考リンク】

・国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し | 厚生労働省)(PDF)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/dl/h26_kensyo.pdf)

(ライタープロフィール)

常磐麗奈(ファイナンシャルプランナー)/大学卒業後、1年間の就職浪人を経て投資顧問会社に就職。株式運用ファンドマネージャーのアシスタントをする傍ら、海外株式へ投資する投資信託の運用レポート作成などを担当。2003年に第一子出産以降、3度の出産、育児休暇、復帰を繰り返すも、三児の育児と家事と通勤に追われる毎日に疑問を感じ、2012年に退職。20代に取得して塩漬けしていたファイナンシャルプランナーの資格を活かして起業するのが目標。さらなる知識習得のため、上級資格であるCFP®受験中。趣味は、味噌、柏餅、筍煮、梅ジュースなど、年に一度だけの手作りを楽しむこと。

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