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【男から見た結婚のリアル】第23回 結婚式3日前のちょっとした憂鬱

  • 2018.6.18
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結婚式の3日前、ふっと気を抜いたら憂鬱な気分が襲ってきました。なにも妻と結婚式を挙げたくないとかそういうことではなくて、忙しすぎるので気を抜くと眠気が襲ってきて、睡魔と葛藤するときの身体はつらく、心は憂鬱。寝てはいけない拷問を受けてきた歴史上の死屍累々に同情したくなる瞬間。

結婚式の3日前ともなれば、物理的にものすごく忙しいかといえば、そうでもないです。

式自体については、半年以上も前から何回となくコーディネーターさんと打ち合わせをしてきたので、そこまで忙しくはない。

今の結婚式はホントによくできていて、初回の打ち合わせ時にマニュアルを手渡されます。式の120日前にはこれを決めましょう、90日前にはこれをやりましょう、みたいなことが書かれてあるマニュアルに沿ってやっていけば、無事に本番を迎えることができるようになっています。

あとは金次第……みたいなのが憂鬱といえば憂鬱ですが、でもまあ、式を挙げる側も「一生に一度のことだから」と思い(僕は二度目ですが)、式場側も商売なので、まあなんというかそのへんはすごくよくできていて、両者の思惑がなんとなく一致するところが「金次第」というところなのだから、それでいいのでしょう。

地獄の沙汰も金次第なら、この世においては結婚式が金次第。なんか儲かる商売ないですか?

物理的にはさほど忙しくないのに、なにがそんなに忙しいのかといえば、式に来てくださるゲストの方々に感謝の気持ちをちゃんとお伝えしたいと思っていて、ゆえにゲストお一人おひとりのお顔とお名前を思うのに忙しい。

ぼくの友人知人、親族は、言うまでもなくさらっと思い出せるし、心の中でありがとうございますと言うのがたやすいけれど、大人数いる妻のほうの親族や友人知人については、まだお顔を存じあげない方もいらっしゃれば、お顔とお名前が一致していない方もいらっしゃれば(ホントすみません!)、というかんじ。

なので、お顔を思い浮かべるか、お名前からお顔を想像しながら、当日来てくださったらどんなふうに挨拶しようかなとか、どう言ったら気持ちが伝わるのかな、とかということを思います。

心の中で思うって、つまり心の中で会話するということだから、わりとパワーを使うんですよね。そのパワーを100人に向けたら、もう大学の授業中に(大学に通っています。この話はまた今度します)睡魔が襲ってくるんです。

岩波新書の哲学の本を、なんの読み合わせですか的に先生が読み上げるだけの授業で、睡魔と戦っている時にこの胸に湧き上がってくるちょっとした憂鬱。

睡魔に勝っても負けても憂鬱って、あれ、なんでなんやろ?(ひとみしょう/文筆家)

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