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南禅寺 瓢亭 日比谷店(懐石・会席料理)犬養裕美子のレストランガイド。

  • 2018.6.12
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八寸。手前右より左に。ウニのほうれん草包み、黄味酢添え。山菜の天ぷら。そらまめ、桜マスの自家製塩麹焼き、後列右より、カラスミ入りお赤飯、鯛手毬寿司、瓢亭玉子。味がしっかりと強調されているのが特徴。「瓢亭玉子は日比谷店では提供の仕方が異なり、八寸やご飯のお供など、献立の移り変わりによって登場の仕方も変化する」。
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「南禅寺 瓢亭 日比谷店」は、15代目髙橋義弘氏自らがカウンターに立つ。瓢亭といえば、半熟の瓢亭玉子が有名だが、なんと400年前からすでに存在していた、いわば歴史遺産。現代の「瓢亭」の凄さは“革新”を恐れず、“確信”に至った味にあると思う。例えばお造りに添えられたトマトの加減醤油と柚子のフレーバーオイル。柑橘の酸味・甘みが白身の魚の甘み、旨味をひきたてる。見た目には普通の刺身が、この味と出会ったとたんにSASHIMIの新しい味の世界に変わる。これは15代義弘氏の見聞の広さ、自由な発想の賜物。

そして出汁も「瓢亭」では利尻昆布を使う。そして、鰹節ではなくマグロ節を主体に旨味を調整する。「これは父の時代から変えたことです」。日本の昆布は収穫が激減している“絶滅危惧食材”。高額な値付けと乱獲が常に問題になってきた。そこで当代は思い切って昆布を使う量も減らし、だしの引き方や使い方によって昆布に頼らない工夫をしている。世界的にも盛んに言われているサスティナブルな問題に先代から取り組んでいたのだ。15代はこれから東京で何を見せてくれるのだろう。本物にこだわる京都が近づいた気がする。
南禅寺 瓢亭 日比谷店
L字形カウンター12席は、畳を敷いたカウンターが個性的。目の前で15代が調理をする姿を見られる特別席でもある。気軽に受け答えする髙橋氏にはファンが多い。個室は椅子席、きちんと正座で頂く、茶室(有料)も設けてある。昼¥7,000、¥15,000、夜¥18,000、¥23,000すべて税、サービス料別。

東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3F Tel./03-6811-2303 営業時間/12:00~13:30 LO 17:00~20:30 LO 定休日/第2・4月曜

犬養裕美子
レストラン・ジャーナリスト。「花粉症が治まり、ウォーキングを始めようと思ったら、足の指の骨にひび。タイミングが悪いったらありゃしない。しかたなくステップマシンを購入。古いマットを捨てに粗大ゴミ置き場に行ってみると、そこには購入したのと同じステップマシンが。効果がなかったのか、効果が出て必要なくなったのか。聞いてみたい!」

Text: Yumiko Inukai Photos: Muneaki Maeda Editor: Mihoko Iida

参照元:VOGUE JAPAN

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