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必読!孤独に打ち克つ5つの方法。

  • 2018.6.10
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Illustration: Elodie Lascar
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『ブリジット・ジョーンズの日記』の劇中で、ブリジットが孤独死して、犬に半分食べられた状態で発見されるという、有名な妄想シーンがある。しかし、ブリジットが最も恐れる心配事は、もはや映画の中だけの問題ではなくなった。イギリスのテリーザ・メイ首相は今年1月、「孤独担当大臣」なるポストを新設。ここ日本でも、孤独死は深刻な社会問題になっている。変化のスピードが加速し続ける今の世界で、孤独は「目に見えない疫病」として世界を覆いつつあるのだ。

肥満よりも恐ろしいと言われる慢性の孤独感は、病気や睡眠不足を引き起こし、高血圧や心臓疾患など、おびただしい数の健康問題を導くとされている。あるレポートによると、アメリカでは成人の40%が孤独を感じており、日本の孤独死は、年間3万件とも言われている。

孤独は、年齢に関係なくやってくる。米カリフォルニア大学バークレー校が昨年行ったソーシャルネットワーク研究では、アメリカ人の若者は中高年と比較して、孤独を感じる日数が2倍もあることが判明した。今のデジタル時代において、他者と直接顔を合わせた有意義な関係構築が難しくなっている一方で、私たちは、食べ物から得る栄養と同じくらい、感情的な栄養を必要としている。孤独死への不安を一掃してしまうくらい十分な栄養をとるには、どうすればいいのだろう?

人には孤独を避ける本能がある?

シカゴを拠点に活躍する臨床心理学者であり、ノースウェスタン大学臨床学准教授のアレクサンドラ・ソロモン博士によると、本来、人間は本能的に孤独を避ける方法を知っているという。つまり、近年の人間は、糸が切れかけた状態になっているだけなのだ。ソロモン博士は語る。

「孤独の治療法は基本的に、人間の自然なデフォルト設定に回帰すること。孤独感と闘うために、何か新しいことを学ぶ必要はなありません。私たちが忘れてしまったことを思い出せばいいのです」

では、孤独と戦う本能をどう呼び起せばいいのか。そのための手順を紹介しよう。

人間らしさを忘れない努力を。

1. 仲間を見つける。

都市部に居住する人が増加し、飛行機での移動が当たり前になる以前、人間は自分が生まれ育った場所から思い切って足を踏み出すことは、ほとんどなかった。したがって、人々は教会や公民館など、人が集まる社会的機関に、なかば強制的かつ当然のこととして所属していた。しかし、現代の都市において自分の居場所を見つけ出すのは、簡単ではない。さらに、都市生活のさまざまな要求に対応するだけで、時間とエネルギーを使い果たしてしまう。ロンドンを拠点に活動するカウンセリング心理学者のジェネヴィーヴ・ソロモウ博士の見解では、「結果として人々は、自分の空間とプライバシー、時間を守ることで、その疲弊した状況に対処しようとしているのかもしれません。すると、社会的、友好的な行動ができなくなってしまう」という。

この孤独への悪循環から抜け出すためには、自分の巣から強制的に自らを引きずり出し、コミュニティへ飛び込む必要がある。

「孤独への対処法のひとつは、『6時のヨガクラスに行かないと、皆が心配する』と考えることです」とソロモン博士はいう。「人にはそういう目的意識と連帯感が必要なのです」

 2. 人間らしさを感じるささやかな瞬間を求める。

最近のある調査で、電車の中で会話を始める人は、幸福感が増すばかりか、話しかけた相手も幸福感が増すことがわかった。ソロモン博士によると、顔を合わせて行うありふれた交流は、とても有益になりえるそうだ。「スターバックスでコーヒーを待つ間のほんの少しの会話や、電車の中で一瞬目が合った相手に微笑むことなど、ほんの些細な瞬間的な交流の一つひとつが、小さな治療薬になるのです」とソロモン博士はいう。

「私たちは何か大きな存在の一部であり、そこにはつながりがあり、居場所もあるということを思い出させてくれます」

孤独に身を任せてみよう。

3. 他人との比較は喜びを奪う。

昔から人は、自らを他人と比較してきたが、テクノロジーの進化によって、他者との比較が自らを苦しめる手段になってしまった。手のひらサイズのデバイスによって、いつでもどこでも、この世には自分より優れた容姿を持った、成功している人が数多く存在することに気付かされる。自分の力不足を感じ、内にこもることが多くなる。そして、疎外感を感じる状況を作り出してしまうのだ。

ソロモウ博士によると、「孤独な人は、他人の生活は自分のそれよりポジティブで素晴らしく、幸せで、社会的などと考える傾向がある」という。

「『私以外の人は皆、人生を謳歌している。それなのに、なぜ私の人生は良くならないのか。私のどこが悪いんだろう?』という言葉を頻繁に発するようになります。そういうネガティブな自己認識がマイナス思考の悪循環を招き、深刻な孤独感につながるのです」

では、自信喪失の悪循環を断ち切るには、どうしたらいいのだろう?ソロモン博士は、常日頃から患者に対して、ほとんどの人が人生のある時点で孤独に苦しむことになると伝えている。ソーシャルメディアで大人気の人も、例外ではない。自分だけが感じる苦しみではないことに気づけば、力不足による孤立感の軽減につながる。

4. 弱い自分を受け入れる。

ソロモン博士はセラピーの他に、ノースウェスタン大学で人気の講義を教えている。講義の中では、傷つくことへの恐怖感を中心に、学生と論議する。どのようにして、深刻になりすぎずに、誰かと気軽な関わりを保つことができるのだろう。

「今のデジタル時代では、人は慢性的に短気です」と、ソロモン博士はため息をつく。ソロモン博士は、始まったばかりの人間関係や、この先、友人関係に発展しそうな相手にすぐに親密な関係を期待する代わりに、こうアドバイスする。

まず相手が信頼できるか、気が合うかどうかを探り、もしそうだと分かったなら、自分のより深い部分を相手にさらけだしてみる。もちろん、怖い作業だが、そうしない限り、「完全に自主的なまま、人間関係に頼ることなく、誰にも心を開けなくなる」かもしれない。親密な関係にはリスクがあるが、感情の健康に対する見返りは大きい。

5. 身をまかせる。

人生が豊かに満たされているときでさえ、孤独を感じる瞬間は随所に存在する。ソロモン博士が指摘するように、人は「分離した意識の集合体」だ。したがって、実存的な認識が重くのしかかることがある。ソロモン博士は、ぼんやりとした不安を感じた時は、精神的な修行としてそれに身を委ねることを勧める。

「精神レベルでの孤独感を恐れるよりも、それに身をまかせ、『自分は何を理解する必要があるのか?自分から何を引き出せばいいのか?』と問いかけてください」

ひどくつらい状態になったら、ステップ4に戻ろう。電話を取って「めちゃくちゃつらすぎる!」と誰かに吐き出すのが一番だ。
参照元:VOGUE JAPAN

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