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『ウォーキング・デッド』ファンにお薦め!Netflix『ザ・レイン』が描くディストピア

  • 2018.5.21
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Netflixで配信中の『ザ・レイン』は、殺人ウイルスを含む有害な雨が降り注ぐようになったデンマークを舞台にしたドラマシリーズ。北欧スリラー特有のダークな世界感が売り物だ。絶望が支配する世界で、なおも人を信じることを忘れない聡明な少女が、視聴者に好印象を与えている。ただ、近年量産されている災害ものだけに、ジャンル特有のお決まりのパターンに食傷気味というコメントも聞かれる。

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◆致死性の雨が人々の心を壊した世界で
ある日デンマークで発生した嵐により、国のほぼ全ての人口が失われてしまう。降り注いだ雨に含まれていたのは、遺伝子操作が施された致死性のウイルス。水という水は汚染され、外出できるのは雨が降らない時間だけとなってしまう。

少女シモーンと弟のラスムスは、かつて父の会社が所有していたシェルターに導かれ、嵐をやり過ごす。しかし肝心の父は世界を救うとだけ言い残し、姿を消したきり。二人だけで6年もの時間を地下で過ごした姉弟は、ついに地上への脱出を決意する。

そこで二人が目にするのは、悲しくもディストピアへと変貌した世界。人々は死の恐怖に絶望し、互いを信頼できず残忍な行為を繰り返している。有害な雨に加えて自分たち以外の人類との戦いを強いられる環境で、姉シモーンは弟を守りきることができるのだろうか。殺人ウイルスの正体など、物語が進むにつれて提示される複数の謎もストーリーの鍵となる。

◆主人公の機転が好印象 ムダのない展開に釘付け
見所の一つは、主人公シモーンの勇気ある姿勢だ。米Vultureは、時折怯える瞬間を見せながらも、知恵と機転を武器に弟を守るこの少女が魅力的だと絶賛している。両親の生存を信じて突き進む様には共感せずにいられない。第1話では物語のセットアップが手短に行われ、シモーンと弟の姿をすぐに目にすることができるのも嬉しい。作品の魅力としては他にも、暗く淀んだ色彩が効果的に不安感を煽るビジュアルや、物語の鍵を握る秘密を隠したまま巧みに興味を持続させる脚本もポイントが高い。

Atlantic誌でも、シモーンのキャラクターが本作に説得力を与えていると評価している。純真無垢なシモーンの利他主義は、欠点であると同時に長所でもある。無防備に他人に接するがゆえに、かえって彼女を守りたいという意識を持たせることができるのだ。また、環境の変化に戸惑う彼女らだが、心理的葛藤の描写に時間をかけ過ぎていないのも本作の優れている点だ。シモーンを次々と危機に晒し、多層構造の謎のベールを次々と剥いでいく、プロット駆動型の熱中できるドラマになっている。

◆ジャンルの宿命? 既視感は否めず
アポカリプスを扱った作品は数多いだけに、他作品との類似を指摘する批評も多い。Vultureでは、アメリカで3300万人が死ぬパンデミックが起きるとビル・ゲイツが発言していることなどに触れ、ゆえに人々が災害ものに興味を持つ点は理解できるとしている。しかし、量産されるこのジャンルが好きな人は良いが、似た作品に辟易している人は本作に食指が動かないだろうと指摘する。特に『ウォーキング・デッド』と似通った展開は作中に数多い。

米Hollywood Reporter誌では、『ウォーキング・デッド』に加えてSFスリラー映画『28日後...』にも似ていると述べている。『ザ・レイン』にゾンビは一切登場しないが、緊張感が続く感覚は通じるものがあるようだ。人々が住み慣れない環境に戸惑い、傍目に愚かな行いに走ってしまうという展開も共通している。

求心力のあるキャラクターやテンポ良く到来する危機など、長所も多い本作。ジャンルへのマンネリ感をどこまで強く感じるかで評価は分かれるようだ。『ザ・レイン』はNetflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:Netflixオリジナルシリーズ『ザ・レイン』