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妊娠にも関わりが!? カルシウムの正しい知識3つ

  • 2015.1.29
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【女性からのご相談】

カルシウムについて質問です。カルシウムが足りないとイライラしやすいといわれますが、それが原因で妊娠しにくくなることはありますか? カルシウムは妊活を始めたら多めに摂取した方がいいのでしょうか?

●A. カルシウムの別名は、“生命の始まりのミネラル”。

ご相談ありがとうございます。心理食育インストラクターのSAYURIです。

カルシウムは確かに骨や歯の構成成分で、体の中のカルシウムの99%は骨や歯の中に存在しています。残りの1%は血液中や筋肉、神経にあるのですが、この1%のカルシウムが、実はとても大切な働きをしているのです。

骨や歯にあるカルシウムを『貯蔵カルシウム』、血液中などにあるカルシウムを『機能カルシウム』と呼びます。

この1%の機能カルシウムが、筋肉の収縮や神経伝達物質を放出し興奮や緊張の緩和したり、血液凝固や動脈硬化、高血圧の予防、精神を安定させイライラを抑えるなどさまざまな働きをしているのです。

●カルシウムの基礎知識3つ

●(1)受精や妊娠の維持にも関わるカルシウム

機能カルシウムは体の中でイオン化された状態で存在するのですが、私たちヒトをはじめ、ほとんどの動物は受精時に卵内のカルシウムイオンが上昇することが分かっています。これを『カルシウムオシレーション』といいます。

カルシウムは卵の活性化を引き起こすミネラルでもあるのです。カルシウムオシレーションは胚(はい)の発生を促し、その後の卵の細胞分裂に伴って増加する事が報告されています。

まだマウスでの実験段階ですが、このカルシウムオシレーションが減少すると遺伝子に異常が起き、生まれてからの成長に異常が起こることも分かってきています。

●(2)不足しがちなカルシウム

厚生労働省の平成24年度国民栄養・健康調査によると、女性のカルシウムの推定平均必要量は1日に550mg、推奨量は650mgとされていますが、実際の摂取量は20代女性で415mg、30代女性436mg、40代女性は424mgといずれの年代でも推奨量はおろか、推定平均必要量にさえ届いていないのが現状です。

●(3)カルシウムを多く含む食品

・いわし、ししゃも、わかさぎ、しらすなど丸ごと食べられる小魚

・小松菜、大根、モロヘイヤ

いずれも単体では吸収されにくいので、“まいたけ”や“しいたけ”など、ビタミンDの多い食品やビタミンCを多く含む野菜などを一緒に食べると良いでしょう。

乳製品にもカルシウムは多く含まれていますが、近年、乳製品を多く摂取しすぎると骨粗鬆症のリスクが高まるなどの報告もあるので、今回はあえて外しました。

サプリメントで補うなら、L型乳酸発酵カルシウムが吸収率が高くていいでしょう。ただしサプリメントだけに頼ることなく、食事を基本として考えてくださいね。

(ライタープロフィール)

SAYURI(心理食育インストラクター)/長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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