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「子どもが自立したら…と考えただけでさみしい」それって“空の巣症候群”かも?

  • 2018.4.23
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子どもが小さいうちは想像もつかないものですが、進学、就職、結婚などを機に親元から巣立つ時が、いつかはやってくるものです。お子さんがすでに家を出たご家庭では「何もやる気が起きない」そう感じる人が少なくないといいます。

今まで一緒にいたはずのわが子が別の場所で暮らし始める、あるいは家をあけることが多くなり、さみしさを感じてしまうことを、鳥の親子に見立て「空の巣(からのす)症候群」と呼ぶそうです。子どもが離れていくのは誰だってさみしさを感じるもの。でも、なかには無気力や虚しさに押しつぶされてしまい、身動きがとれなくなってしまう人も…。

子どもが巣立つ時、親はどんなことを心がけていればいいのでしょうか。

■空の巣症候群に陥るタイプは「自分の楽しみを後回し」にしてきた人

「結婚して私が家を出た途端、これまで完璧に家事をこなしていた母親が抜け殻のようになってしまい、実家が荒れ放題に」という話を若いママから聞いたことがあります。その程度はいろいろですが、子どもが家を出て自立したのをきっかけに、無気力になってしまうお母さんは少なくありません。

「子どものためにはごはんを作ろうと思うけれど、夫は帰りが遅いし、自分ひとりのためにわざわざ作る気がしない」と空の巣症候群に陥っている人はこんな風に思うようです。そう感じてしまうのは、これまで「自分の楽しみを後回し」にしてきたからでしょう。

いつも自分のことは後回しにして、“自分ではない誰か”のために行動してきた人は、その誰かがいなくなってしまうと、とたんに張り合いがなく、やる気も起きなくなってしまうようです。自分を楽しませることを二の次にしてきたことが、空の巣症候群になってしまう大きな理由のひとつだと私は思います。

■「自分を必要としてくれるもの」を自分で作る

子どもがいなくなってさみしい、虚しい、やる気が起きない…。そんな状態から抜け出す方法は「自分を必要とするもの」を自分で作り出すことです。たとえば、地域のボランティアに参加すれば何かに貢献できていると実感できますし、ペットなどお世話が必要なものと共に生活すれば「私がいなきゃ」と張り合いが持てるようになるでしょう。

私が特におすすめしたいのは、雑誌の読者モデルや読者モニターに挑戦してみることです。最近はシニア世代を対象とした雑誌も増えており、紙面上で募集しているところも少なくありません。新しい商品の体験レポートを書いたり、自身の知識やノウハウを紙面で提供したりといった活動をすることで、自分の行動が新たな活力となるでしょう。

内に内に閉じこもり気味だった目も、自分を必要とするものの存在により自然と外に向くようになるかもしれません。もし、自分の母親に空の巣症候群のような症状が見られたら、前述した方法をすすめてみてください。

また、子どもがまだ小さく「巣立つまでにはまだまだ時間があるから」と他人事のように感じている人も要注意。子ども以外に「自分を必要としてくれる何か」の存在が必要であることを、心に留めておいてはいかがでしょうか。

■子どもとの距離は「埋めなくていい」

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子どもが親元を離れて自立しようとすると、追いかけるように距離を縮めて世話を焼こうとするタイプの親がいます。けれど、子どもが親から巣立っていくのは、ごく自然なこと。空の巣症候群になりたくなくて、離れていく子どもとの距離をわざわざ「埋める」必要はないのです。

巣から飛び立っていった子どもを見送り、離れた巣から見守っていく。目は離さないけれど、手は出さず、そっと見守るだけにとどめる。巣立とうとする子どもを前に、親ができることはこれだけではないでしょうか。

ただし、子どものほうからコンタクトがあった時はしっかり受け止めてあげましょう。何か不安や心配を抱えていれば「大丈夫だよ」と自信をつけてあげられるような言葉がけをしてあげると良いですね。

子どもの巣立ちは当たり前のことですが、さみしいと感じる気持ちは、これまでどれだけあなたが子どもを大切に思い育ててきたかの証です。でも、子どもも親もまだまだこれから人生は続きます。「自分を楽しませる」ことに日ごろから意識を向けていれば、いざ子どもが自立する時を迎えても、さみしさと上手に付き合うことができるかもしれませんね。


(佐藤栄子)

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