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今度の舞台はニューヨーク。『(500)日のサマー』の監督が手がけた青春映画『さよなら、僕のマンハッタン』

  • 2018.4.13
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ロサンゼルスを舞台に、地味でさえない青年の苦い恋愛を描いた『(500)日のサマー』で評価されたマーク・ウェブ監督。最新作は、ニューヨークを舞台にした、やっぱり地味めな青年が主人公の青春映画。大学卒業後にアッパー・ウエストサイドの実家を離れてひとり暮らしを始めたトーマス(カラム・ターナー)は、就職もせず、まだ何者にもなれていない自分に焦りを抱えている。ところがパッとしない平凡なトーマスの日常が、アパートの隣に越してきたW.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)と名乗る知的な中年男との出会いによりガラリと変化。恋や人生についてのアドバイスを受けるうち、予想もしなかった自分と家族の物語を知ることになります。

トーマスを取り巻く女性キャラにも注目。古書店で働くミミ(カーシー・クレモンズ)は、自分に想いを寄せるトーマスと勢いで体の関係を持つものの、すでにミュージシャンの恋人がいるためあくまで“友人”として接している女の子。付き合うつもりのない男を友達としてそばに置いておくのはずるい気もするけれど、トーマスの父(ピアース・ブロスナン)の愛人ジョハンナ(ケイト・ベッキンセール)の存在がそれ以上にインパクト大。父と別れさせようと躍起になるトーマスに、「あなたも私に対して無意識に求愛してる」と意味深なことを告げるのです。

まんまとジョハンナの魅力に溺れていくトーマスを見て、自分から心が離れていくことにヤキモキしてしまうミミの焦りもリアル。男を魅了させるテクニックはもちろん、自信も経験も数段上で、しかもジョハンナみたいな美貌の大人が現れたら、ミミのような20代女子は両手を上げて降参するしかないのかもしれません。個性的なふたりとは対照的に、夫に浮気されるかわいそうな女性として描かれるトーマスの母親のジュディス。ところが映画の最後にわかる意外な事実により、ドラマティックな過去が明らかになります。演じたのは『セックス・アンド・ザ・シティ』のミランダ役で知られ、先月ニューヨーク州知事への立候補を表明したことでも話題を集めたシンシア・ニクソン。ひとりの青年の成長を彩る、3人の魅力的な女性たちの生き様にも注目を。

(文/松山梢)

●4/14〜丸の内ピカデリー他全国順次公開

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