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『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』日本での仕掛人が、映画ファンを魅了する宣伝の極意を公開!

  • 2018.3.17
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出典:https://news.walkerplus.com/article/140718/

現在開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」で、16日夜、ワークショップ「ヒットの法則 教えます!~現役映画営業マンが語る、マル秘裏話~」が開催され、20世紀フォックス映画の営業本部シニアマネージャーを務める平山義成が登壇。

『シェイプ・オブ・ウォーター』や『スリー・ビルボード』など、昨日発表された第90回アカデミー賞の主役となったFOXサーチライト・ピクチャーズの作品を多く手掛ける平山は「映画をヒットさせる法則があるなら、教えてほしいんですけれども…」と苦笑しつつ、「すべてはメッセージである」という考えのもと宣伝に取り組んでいると明かす。

平山は、自らが宣伝を担当した作品の中から『ドリーム』『gifted/ギフテッド』『スリー・ビルボード』『シェイプ・オブ・ウォーター』『犬ヶ島』『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』の6作品を選び、これらの作品を中心にワークショップを進めていった。

一例として『gifted/ギフテッド』の際は、北米版ポスターのデザインから日本版ポスターを作った際に「どういう映画かわからない恐れがあり、背景がさみしい」と考え、ターゲットとする観客に届くよう、劇中に登場するネコの写真などをあしらった“インスタ映え”するようなポスターを女性デザイナーと共に作り上げたことを明かした。このデザインはマーク・ウェブ監督からも大変好評で「日本のポスターが1番いい!」と反応があったそうだ。

次に紹介した『スリー・ビルボード』の第1弾ポスターに関しては“タイトルをどうするか?”という地点から検討を重ねていったそう。原題の『Three Billboards Outside Ebbing, Missouri』が、日本の観客にとって長すぎると考えていた平山は、わかりやすさを持たせるためタイトルをシンプルに『スリー・ビルボード』とし、3枚の看板のうち最後の1枚に書かれたメッセージを“霧”で隠したミステリアスなデザインで、監督のマーティン・マクドナーからも1発オーケーが出たと語った。

第90回アカデミー賞で作品賞、監督賞を受賞した話題作『シェイプ・オブ・ウォーター』については、ギレルモ・デル・トロ監督が来日した際の秘話を披露。デル・トロ監督の人となりがわかるエピソードとして「ジャパンプレミアの際、会場を埋め尽くす150人ほどのファン全員とサインしたいとおっしゃっていた」と明かし「円谷プロの特撮作品やアニメなど、日本のカルチャーへの思いが格別で、クリエイターに対する敬愛の念が強い方」と紹介した。

来日時の裏話として、監督に日本で会いたい人を聞き「監督が会いたい人を集める会」を呼びかけた結果、永井豪や伊藤潤二、染谷将太・菊地凛子夫妻、樋口真嗣監督など日本の一流クリエイターたちが一同に揃ったというエピソードには、会場から驚きの声が漏れていた。

最後に、平山は映画の宣伝に必要な資質として3つのキーワードを挙げた。「1つは愛情で、作品に対する愛情が一番。そして情熱と体力。体力がないと辛い仕事なので、それを支えるのは情熱だと思います」と持論を展開。

また「映画の良さを伝える際に、色んなものを知っていることは大切」と語り、その理由として「淀川長治先生が、昔ラジオで『相当な程度の教養がないなら、映画宣伝をやるべきではない』とおっしゃっていて、いまだに私も肝に銘じている事です」と、知性も必要な要素だと話した。

会場を訪れていた、FOXサーチライト作品をはじめ数多くの予告編制作を手掛ける池ノ辺直子は、平山の仕事術について「平山さんはいつもチームを重んじて仕事をなさっていて、長く一緒に組んでいる仲間たちとともに“すべてはお客様のために”と考えられる方」だと表現。

また、観客からサーチライト作品の劇場用パンフレットが“FOXサーチライト・マガジン”として連続性を持たせているコンセプトについて質問があると「2013年の暮れにサーチライト自体が20周年を迎えまして、そろそろブランドとしてやっていこうよということになったんです」と明かす。

「サーチライトから生まれる作品には、やはり共通するなにかがあると思っていて『ここから生まれている作品ですよ!』ということをちゃんと伝えたいという考えがありました。継続は力なりで、もう11号目になりますが、意図を汲んで楽しんでいただけるとうれしいなと思います」と“サーチライト”というブランドへの深い愛情を吐露し、映画愛に満ちた、濃密なワークショップは幕を閉じた。

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」は19日(月)まで開催中だ。(Movie Walker・取材・文/編集部)