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東京の秘密の花屋さん「リトルショップ オブ フラワーズ」へ

  • 2018.3.6
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ドライフラワーと生花のアレンジなど、花の斬新な楽しみ方を提案する、原宿の「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」のオーナー・壱岐ゆかりさんに、訪れた人のインスピレーションを掻き立てる店づくりについて聞きました。

生い茂る木々の先に現れる、独特の色にあふれた空間

東京の原宿駅からほど近く、看板をたよりに建物の間の小径を奥へと進むと、目指す花屋「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS/ATELIER(ザ リトルショップ オブ フラワーズ/アトリエ店)」(※以下:リトル)が現れます。

〝秘密の花屋さん〞と呼びたくなるこの店は、緑に囲まれ、リスや鳥たちも訪れそうな静かなたたずまい。さっきまで人混みをかき分けるようにして歩いていたことが嘘のように、落ち着ける空間です。

オーナーの壱岐ゆかりさんが、花を扱う仕事をはじめた理由のひとつは、「色が好きだから」ということ。太陽の光が柔らかく降り注ぐ店内には、色とりどりの生花とともに、シックな色合いに変化したドライフラワーも並びます。生花とドライフラワーの取り合わせという、当時の日本では目にすることがなかった斬新な提案が話題を呼び、ドライフラワーの入ったアレンジメントやパーティーの装花、ウィンドウディスプレイが人気となっていきました。

香りや味が記憶を呼び起こすように、色も記憶を引き立てます。

同じ青でも濃淡や明るさが違うものを混ぜることで、奥深い作品となり、人の記憶に残ると考えた壱岐さん。鮮やかな青い花をあえて取り入れたことも、「リトルらしさ」となりました。

自由なスタンスに刺激され、週末だけの店をオープン

壱岐さんは、インテリアショップで働いていた時代から、ものづくりや食の才能にあふれた仲間に囲まれた生活をしていたといいます。彼らを応援し引き立てる役回りをどこか心地よく感じていたそうです。その後、プレスの仕事で力を発揮。海外ブランドのPRとしても活躍しました。一方で「自分らしさの模索」は常に自身のテーマだったと振り返ります。

そんなとき出張先のニューヨークで、デニム店の片隅にフラワーショップを見つけました。聞けば、オープンするのは気分が乗ったときだけ。こうした自由なスタンスなら、PRの仕事をしながら自分の店を持てるのではないかと思い立ちました。

求めるのは完璧ではなく、自分なりの居心地のよさ

現在はほかに、同じ原宿のキャットストリートにも店を構え、花を通じて、日々の生活に彩りを与える役割を果たしています。

「花を楽しむことへのハードルをもっと下げられたら」と壱岐さんは言います。

完璧を求めるのではなく、自分にとって心地よいものを選ぶ。それが、自分のなかにある“好き”に気付くことにもつながります。

日本の四季を感じられる場所へよく旅するという壱岐さん。青空に映えるサルスベリや雪景色に浮かぶ椿など、旅先で触れた色への感動が、店づくりにも生かされているようです。最近はウエディングブーケなど花を記念に残すために、ドライにしやすい花を求める人も増えたとか。花びらを1枚1枚押し花にしてフレームに残す商品も人気です。花の楽しみ方がさらに広がっているようです。

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