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【男から見た結婚のリアル】第16回「改めてプロポーズしてください」と言われました。が、しかし…

  • 2018.3.2

先日、ヨメに「改めてプロポーズしてください」と言われました。
過日、なにかの折に、ふたりで「結婚しましょう」という合意があったので結婚したわけですが(入籍はもう少し後ですが……ぼくの後厄が終わってから入籍する)、いまさら(!)「改めて」ときたもんだ!

そもそも男として、この「改めて」というのが理解できない。
なんらかの合意があったから結婚したわけであって、それに対して改めてと言われても、「なら、先の合意、あれはなんだったん?」と思ってしまうのです。
あのときの合意の瞬間が、もっとも美しいものであって、それを二回やってどうするのかなと思ってしまうのです。言うまでもなく、二回目の輝きは一回目のそれに劣るわけで。

でもまぁ、女性が「改めて」と言う気持ちも理解できなくはありません。
たとえば、どこかの美しい夜景を背景に、ぼくがスーツを着て、なんならポケットチーフでもして、ひざまずいて、彼女の指のサイズに合うのか合わないのかよくわからない指輪をポケットから取り出し、「**さん、結婚してください」と言う……というようなことを、きっとヨメはしてほしいと思っているのでしょう。
こういうのって、もし指輪のサイズが合わなければどうすればいいのだろう?

あるいは、なにげないふつうの夕食のときに、テーブルの下に隠しておいた真っ赤なバラの大きな花束(カスミソウが少なめのやつ)をとり出して、「結婚してください」というようなことを、ヨメは期待しているのかもしれない。

ようするに、なんらかのサプライズを伴う「結婚してください」の言葉を聞きたいという、まぁ言ってみれば、日本中の女子の総意みたいなことをきっと、ヨメは思っているのでしょう。

というわけで、ぼくはせっせと考えました。考えること3ヵ月。
でもしかし、サプライズがなにひとつ浮かんできません。
そもそも、こういうことをするが、気恥ずかしいのです。もう考えるだけで恥ずかしい。
ひざまずいて指輪をポケットから取り出すとき、恥ずかしさのあまり我を忘れて、取り出した指輪を落としてしまって、落ちた指輪がそのままマンホールの中にころがり落ちる自信があるくらい、考えただけで恥ずかしい。

というわけで、これから彼に、サプライズ的結婚のプロポーズを期待しているそこのあなた!
なりゆきにまかせてなんとなく結婚に至った……そういえば、彼から結婚のプロポーズってされたっけ?くらいが、男はちょうどいいと思っているということを、絶対に覚えておいていただきたい。
もうね、3ヵ月も恥ずかしさに身もだえしつつ考えているわけですよ、こっちは。結婚前に生きる苦しみを彼に味わわせてもいいとでもお思いで?(ひとみしょう/文筆家)

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