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オリンピック選手もラクじゃない ― その毎日とは?

  • 2018.2.22
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ニュージャージー出身のジェイミーは、韓国からの17時間フライトと時差ボケを感じさせない笑顔でマンハッタンのジムでのインタビューに答えてくれた。もし、撮影クルーがいなかったらそのままジムにまぎれてしまいそうだが、そんな彼女は2014年ソチオリンピックの銅メダル受賞者。

ジェイミーは「小さいころからオリンピック選手は映画俳優のようで、同じ人間とは思えなかった」と話す。ジェイミーは高校を卒業してから、陸上競技時代の元チームメートにボブスレーをすすめられて、たまたまボブスレーを始めたそう。最初はまるで交通事故にあったみたいで、缶に入れられてがけから落とされるようだった、とボブスレーの体験を振り返る。

でも、競技をすることのスリルが10年もこの競技を続けさせてくれたという。そんな彼女も今では34歳になり、ワールドカップの金メダルやオリンピックでの銅メダルを獲得するまでになった。

身体にも変化が

2008年にジェイミーがチームの選抜テストに参加したとき、彼女はコーネル大学での7種競技で学校記録を更新して卒業したばかりだった。そのときのジェイミーの体重は65kg。テストを受けたときジェイミーはコーチに「スピードがあるのはよいことだけど、チームに入りたいのなら10kg体重を増やして」と言われたそう。これはボブスレーでは、体重が重い方が下りでスピードが出るため。

ただし増やすといっても、ボブスレーでは選手二人分と165kgのボブスレーの重さの合計は325kgまでしか許されない。この重さに近ければ近いほど、コースでスピードが出ることになる。そして、0.1秒が勝敗を左右するような競技では、50gですら大きな差になるため体重のコントロールは必須。

しかも、「身体を大きく強くするだけでなく、スピードも速くなくてはいけない。そのため、重いウエイトを使ったトレーニングをしたり、短距離のダッシュをしたりして、筋肉の瞬発力も鍛えなくてはいけない」と話す。大学時代ウエイトリフティングはあまりしていなかったジェイミーだけれど、今では身長175cmで体重は76kg。

この今までとはまったく違う新しい身体に慣れるのはなかなか大変だったと話す。洋服も全部買いなおすことになったそう。でも、9年かけて競技に合った身体を作るためのトレーニングや食事を続けて、ようやく自分の身体に自信を持てるようになったという。「この今の身体が私の普通になったので、昔の写真を見るとなんて細かったのだろうと驚く。でも今はこの身体がいいと思っている」と話す。

勝つための食事とは

体重が大切なスポーツは確かにあるけれど、ボブスレーのようにこんなに細かく計測するものはあまりないのでは? ボブスレーでは、体重が少しでもオーバーしていたらその場で失格になってしまう。だからレース当日に計測するのが間違いない。では、体重に気をつかわなくてはいけないジェイミーはどんな食事をしているのだろうか。

ジェイミーのように体重を増やしてキープしたい人もいるし、減らしたい人もいる。大切なのは自分の食事を気にすること、と話す。ジェイミーの場合、カロリー計算はせずに、食べ慣れているものを食べるようにしているそう。その方がどのくらい食べればいいのか身体が分かっているのだという。朝はしっかり、卵、オートミールかトースト、フルーツ、コーヒー、牛乳と水を食べる。そしてトレーニング後には赤身の少ないタンパク質、たとえばサーモンにサツマイモやグリルした野菜を食べる。そして夕食にも同じように鶏肉とごはんに野菜などを食べるそう。

「体重計はどちらかというと今の体重を意識するためのものとして使っている」と話す。そして、誰と一緒に滑るかが分かったら、食べる量を増やして体重をアップさせた方がいいのか、少し食べる量に気をつけて減らした方がいいのかを判断するそう。

プライベートライフ

ジェイミーのパートナーはドイツ人で同じボブスレーの選手、クリス・ポーザー。二人は2012年のワールドカップで出会い、2014年のソチオリンピック直後に結婚した。「彼は地球の裏側にいるので大変だけれど、お互いに相手が必要なことがなにかを理解しているし、ゴールを達成するためにはこれが必要だということもわかっている。だからうまくいっているのだと思う。自分がやっていることを説明したり、正当化したりする必要はないので」。ドイツのほうがアメリカより数時間時間が進んでいるので、だいたい寝る前にFaceTimeをしているそう。

ジェイミーには大晦日、それに誕生日や休みの日も結婚式もない。プライベートライフではかなりのことを犠牲にしていて友達や家族とも離れていてそれはつらいと話す。

収入も保証されていない。ボブスレーはかなりマイナーなスポーツであまり注目されていないので、スポンサーを見つけるのが難しいときもある。でも、一度認知度が上がれば稼ぐ方法はいくつかある。たとえば3位以内に入れば入賞金がもらえたり、チームからいくらかもらえたりすることもあるそう。でも、ジェイミーがボブスレーをはじめたとき、最初の4年間はまったく収入がなかったという。だから、ジムで練習しているほかに毎晩8時間はウエイトレスとして働いて、クレジットカードの代金や競技のお金を稼いでいたそう。

でもジェイミーはアメリカの代表として競技することは誇らしいと話す。そして表彰台に立てるときはさらに格別とも。

ジェイミーの一日

一年のうち4ヶ月はニューヨークのレイクプラシッドオリンピックトレーニングセンターで過ごしている。そこでの典型的な一日を教えてくれた。

7:30AM

起床の時間。96あるオリンピックトレーニングセンターの部屋はダブルなので、ジェイミーはチームメートのローレン・ギブズと同室。

8:00AM

食堂で朝ごはん。大学みたいだけど、食事はずっと良いそう。「あたたかい食べ物も色々!」とジェイミー。

9:00AM

予約していたスポーツ医学の時間。カイロプラクター、生理セラピスト、スポーツトレーナーなどが常駐している。

10:00AM~1:00PM

筋トレかスプリント練習を6000平方メートルの広大な体育館で行う。

1:30PM

昼ごはん。 食事と部屋代は滞在している選手の国の運営組織が支払ってくれている。ジェイミーは米国ボブスレー&スケレトン協会がスポンサー。

2:30PM

運動の時間。リハビリかスタビリティー運動、またはケガ予防のための運動。

3:30PM

栄養士やスポーツ心理学者、コーチとミーティングの時間。

4:30PM

おやつ。だいたいギリシャヨーグルトにグラノーラ、アーモンドとバナナ乗せたもの。

5:00PM

リカバリーセッション。マッサージやカッピング、フォームロールなど。

6:30PM

食堂で夕食。食堂は毎日朝の7時から夜の21時まで開いている。

9:30PM

夜のプロテインシェイクとテレビの時間。

10:30PM

消灯。一日9時間睡眠をとるように。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

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