1. トップ
  2. レシピ
  3. 貧血だけじゃない! 今こそ知りたい、やる気やうつにも関係する「鉄分」

貧血だけじゃない! 今こそ知りたい、やる気やうつにも関係する「鉄分」

  • 2018.2.15
  • 28663 views

なんだか最近、やる気がおきない。何をやってもボーッとしてすぐに疲れてしまう……。

特別仕事が忙しかったわけでも、心理的に落ち込むことがあったわけでないのに、気力や体力が低下している。もしかしたら、これ“鉄不足”かも。

「これらの症状=鉄不足と断定することはできませんが『慢性的に疲労感が取れない』『なんだか気力が出ない』『うつなのかも』と言う女性の血液を調べてみると、鉄不足の人がとても多いのです。女性は毎月生理があるため、自分が思っている以上に鉄分が常に失われている状態です。

特に最近の女性は、妊娠・出産をしなかったり、その時期が遅く、回数も少なかったりするため、常に生理がある状態にさらされています。そうなると、万年鉄不足状態に。その影響が身体のさまざまな部分に出てしまうわけです」と言うのは、女性の身体に詳しい成城松村クリニック院長の松村圭子先生。

鉄不足というと、よくある症状としてはフラフラする貧血を思い浮かべる人も多いはず。でも実際には、貧血にはなっていなくても、倦怠感ややる気のなさ、抑うつ症状を訴える人のほうが多い、と松村先生。

「鉄は脳内の神経伝達物質と深く関わっています。やる気に関わるドーパミンや幸せ感に関与するセロトニンなどの神経伝達物質を作るために、鉄は欠かせない栄養素なのです。鉄不足だとこれらの神経伝達物質がきちんと作られず、うつっぽくなったり、パニック障害などを引き起こしやすくなるとも言われています。

寝ても疲れが取れない、やる気が出ない、どうも元気が出ない、こんなときは心のケアだけでなく、鉄分を調べてみることも必要かもしれません」

一般的な血液検査では、貧血の有無を調べるヘモグロビン数値をチェックします。でも、ヘモグロビンだけでは、鉄不足の詳しい数値が出ないと松村先生は指摘。

「ヘモグロビン数値が正常でも鉄不足の場合はあります。きちんと鉄不足を診断するには、“フェリチン”の検査が必要です。フェリチンは、肝臓などに蓄えられた鉄の貯蔵量を調べる検査で、血液検査でわかります。

通常の健康診断では行われないので、と病院で『フェリチン値を調べたい』と申し出ると検査できます。前に挙げた症状がある人、さらに生理の量が多い人は、一度このフェリチンの検査をしてみるのがいいでしょう」

ハードな運動で貧血が起こる? そして“間違いがちな鉄分補給”

ハードな運動をすると貧血が起こりやすいとも言われ、これは運動の衝撃で赤血球の破壊が起きるからだとされている。マラソンなどの陸上競技、バレーボールやバスケットボールなどに多い症状。

「確かに、運動選手には起こる場合もあります。でも、一般の人が運動するレベルでは、ほぼないので心配はいりません。でも最近は、フルマラソンに定期的に出たり、トライアスロンをやる女性も増えているようです。そうしたハードな運動をする人はそういうリスクがあることも考えて、鉄補給はもちろん、きちんと栄養管理することが必要です」(松村先生)

では、この鉄不足対策、どうすればいい? 食事でフォローアップはできるもの?

「よく『ほうれん草を食べているから大丈夫』という女性がいますが、それは間違いです。植物性の食物に含まれる“非ヘム鉄”は体内での吸収率が悪いので、それだけ食べても十分な鉄分補給にはなりません。

摂るなら“ヘム鉄”と呼ばれるものです。レバーや赤身肉など、動物性のものに多く含まれています。女性が1日に必要な鉄分量は、10.5mg。さらに付加量として妊娠前期は2.5mg、妊娠中・後期は15mgも必要と言われています。

食品に含まれる鉄分量は微量なので、食事だけで補うのはなかなか困難というのが正直なところです。『ヘム鉄』のサプリなどで補うことが必要ですね。ただ、安価なサプリだと吸収率がよくないものもあるので、できればサプリメント外来などで処方されるものが安心です」(松村先生)

今日からできるヒントばかりなので、新しい「鉄ライフ」で、いっそうヘルシーで軽やかな毎日を!

の記事をもっとみる