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共感したらあなたも“こじらせ認定”。キレイな独身女が恋に落ちたきっかけとは?

  • 2018.2.11
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【うるおい女子の映画鑑賞】 第55回『ナタリー』(2011年・フランス)

「女性」の視点で映画をみることは、たとえ生物学的に女性じゃなくても日常では出会わない感情が起動して、肌ツヤも心の健康状態もよくなるというもの。そんな視点から今回は映画『アメリ』の主演でお馴染み、オドレイ・トトゥが主演する『ナタリー』(2011年・仏)を紹介します。

ストーリー

カフェでの運命的な出会いを経て結婚したナタリー(オドレイ・トトゥ)とフランソワ。しかし、悲劇は突如訪れます。交通事故でフランソワは帰らぬ人となってしまいます。

最愛の夫を亡くして3年、仕事に打ち込むことで悲しみを封じ込めていたナタリーですが、ある日、頭の薄い中年の同僚マーカスに熱いキスをしてしまいます。亡き夫のことを考えてうわの空だったナタリーにキスの記憶がない一方、マーカスはすっかりナタリーに恋をしてしまいます。

ナタリーのことを狙っていた周囲の男たちはマーカスの冴えない(というかダサい)外見が受け入れられず、「ナタリーにはもっとふさわしい男性がいる」と言いたい放題。一方ナタリーは、優しくて安心感をくれるマーカスに次第にひかれていきます。

ふさぎこんだ女性の心を開いたのは“こころ”

美人で仕事もできる未亡人ナタリーをついに落とした男。いったいだれがハゲで冴えない中年男だと想像したでしょうか? ナタリーはうっかり彼にキスをしてしまったことをきっかけに、その人柄を知っていきます。

ナタリーが夫の死後、長らくふさいできた心をマーカスに対して開く印象的なシーンがあります。初めて食事に行ったとき、彼女は幼い頃に食べたお菓子の話をマーカスにするのですが、もちろんそれはたわいもない、単なる思い出話。ところが後日マーカスはそのお菓子をナタリーにプレゼントするのです。

お菓子をもらったその日、ナタリーはあの事故後初めて父親の胸の中でワンワン泣きます。きっと、世の女子たちが男性に求めていることってこういうこと。特に、ひどい失恋や長い孤独を経て“本当に大切なもの“を見つけようとしているときには…。

年収や外見。それって誰のため?

マーカスはナタリーの部下のスウェーデン人。年収も彼女よりも低く、外見もあまり良いとは言えません。友人たちの集まりに連れて行くと、ナタリーの話から“青い目でブロンドのイケメンスウェーデン人”を勝手にイメージしていた友人たちは面食らいます。中には「ナタリーはもっと上を狙えるのに!」とマーカスの目の前で言う友人まで。温厚なマーカスもさすがに自信を失ってしまいます。

一方、夫の死後初めて自分を笑顔にしてくれたマーカスの“こころ”を見ているので、周りのどんな声も気にしていない様子。深い悲しみを経験した彼女は、優しく穏やかに自分を癒してくれる彼の稀有な存在の大切さを本能でかぎ分けているようです。

恋愛相手や結婚相手に何を求める?

年収や外見を結婚に求めるのも決して間違いではありません。しかし、恐らくなかなか結婚相手が見つからないという女性の多くはマーカスのような男性を本心では求めているのでは?

そんな方はぜひ本作を観て自分の求める相手を思い描いてみるのもオススメです。ソファで眠りに落ちるナタリーを、横の椅子に座って愛おしそうに見つめるマーカス。その空間には温かい愛が充満していて、10年後も30年後もこの2人を包み込んでいくのだろうと容易に想像でき、不思議と涙が溢れます。

ハートウォーミングなストーリーを、オドレイのチャーミングな魅力がさらに盛り立てる人肌恋しい夜にオススメの1本です。ぜひチェックしてみてくださいね。<text:kanacasper(カナキャスパ)>

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